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主催は海外のあの、SROです。
ファナテックGTワールドチャレンジアジアを統括するのは海外のSRO。会長はステファン・ラテル。役員は欧州人が多数を占める。それだけに、構成がヨーロッパナイズドされているのが特徴だ。
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たとえばレースウィーク初日のには、チームを歓迎するレセプションパーティーが催される。カクテルや軽食が用意されて、三々五々、くつろぐ。強制されもしない。ドレスコードもない。退屈な挨拶もない。入場チェックもない。誰でもウェルカムなのである。
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日本人ラウンドの「ジャパンカップ」は、和服を着たソプラノ歌手の国歌斉唱ぎ行われた。「君が代」が鈴鹿サーキットに響き渡ったのだ。僕はそれを、スターティンググリッドのマシンの中で聴いていた。気持ちが整っていく感覚を自覚した。
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ファナテックGTワールドチャレンジアジアの前身はブランパンGTチャレンジアジアだ。2018年と2019年に、僕はアジアを転戦した。マレーシア・セパン、タイ・ブリーラム、韓国・ヨンナム、中国・上海、日本・鈴鹿、日本・富士。アジアの主要サーキットを巡ったのである。その主催がSROだった。そこでも、御当地感を演出に盛り込んでいた。中国では変面が披露されたし、日本戦は和太鼓がイベントを盛り上げた。国際レースらしさの演出が素晴らしい。
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ニュルブルクリンク24時間も同様で、ドイツらしさが盛り込まれる。ウェルカムパーティーはもちろんのこと、レース着後の表彰パーティーは、さながら大音楽祭であるかのような盛り上がりだ。
照明は落され、陽気な音楽が流れる。いま終えたばかりだというのに、レースハイライトが完璧に編集され会場に流される。コミカルな出来事もさしはさむから、会場は笑いに包まれる。巨大なコンベンションホールに集まった数百人のチーム関係者で、熱気ムンムンなのだ。
もちろん優勝ドライバーはリスペクトされる。クィーンの「We are the champions」の大音響中、松明が並ぶ赤絨毯の上を拍手を浴びながら壇上にむかう。ドライバーへの敬意は、主催が海外団体だからだろう。
今回ファナテックGTワールドチャレンジアジアに参戦してみて、ニュルブルクリンク24時間を思い出した😜