消滅先進国第一号?

先日、何のテレビ番組だったかは忘れましたが、
「日本は課題先進国といわれているんですよ」という話を耳にしました。

「先進国」と聞くとなんだかいいように聞こえてしまいますが、
つまりは、他の国に先駆けて困難な課題にぶち当たる、という意味です。

だから対策がうまくいかない、というのはただの言い訳で、
これからの日本をどうするのか、考えてもらいたいものです。

でも、なかなか変えようとしない。

だから、いまだに80年前の理論で景気対策をやっていくわけだし、
労働力人口が減って行っているのに社会保障制度に手を付けない。

そんな話をしていたところ、似たようなことを言っている方が。

貴乃花を中心とする日本相撲協会の騒動は一段落でしょうが、
その文脈で、こんなことを言っておられた方がいたそうです。
(日本テレビ系の「スッキリ」コメンテーターの箕輪厚介氏)

「みんな居心地がいいから変えたくない。記者クラブも相撲協会も。強い人が強い権力をもっていたら変わるのが嫌ですから、仕組みは第三者が中立的に作らないとダメですよね」

これは、相撲協会とその記者クラブの関係を論じていた文脈での発言で、
結局は、相撲協会も記者クラブも変わらないって話なんですけど、
これを聞いて、変えたくないって言っているのは国全体も同じだなって。

ものを変える力を持っている人、権力やお金を持っている人たちは、
今のシステムで成功をして、今の地位を築いてきたわけですよね。

だから、そのシステムを変えるということは、
自分たちの現在の地位を脅かすことにもつながりかねない。

一言で言ってしまえば「既得権益」にしがみついているわけですが、
そういった人たちは、社会からの引退まであと少しだし、
このまま穏便に終わらせていってほしいと願っているわけ。

だから、システムの抜本的に変革には反対で、
なので、小手先だけのわずかな変更だけで済ませるわけですよね。

年金制度なんて、現状の制度はほぼ破綻状態で、
もともと積み立て方式だったのに、今や完全な賦課方式。

だから、税方式に転換するか、完全積み立て方式するかなど、
もはや、0か1かの議論をしなければいけない段階なのに、
やっているのは、受給開始年齢を徐々に引き上げていくことくらい。

そうやってだましだましやっているだけなんですよね。

そう考えると、憲法改正というテーマも、
何でここまで来ても改正されないのかがわかってきますよね。

今までだましだましやってきたわけですから、
それでいいならいいじゃないかと。

変えなきゃいけないことはどの立場だってわかっているはずです。
でも、変えてしまったらこの先どうなるのか。

今まで平和だったのはやっぱり9条のおかげなのかもしれないし、
現状のままでも自衛隊を存続させることはできるわけだし。

でも、それもそろそろ限界ですよって、そういうわけでしょうけど、
限界なのは自衛隊だけじゃなくて、社会保障も労働環境も景気対策も、
インフラの老朽化も地方間格差もありとあらゆる面で言えるわけですよ。

でも、どれも抜本的な改革は行われない。

次の世代に期待をしてしまいそうになりますが、
その人たちだって、自分たちの時代がやってくれば発想は同じ。

自分たちだけがどうにかなればいい。あと少しだからこのままでいいだろ。

「課題先進国」である日本は、他の国に先駆けて消滅するのかもね。