北大植物園に行ったらアイヌの生活の一端を目の当たりにした
北大植物園はかのクラーク先生が「植物学やるなら植物園必須だよ」とのことで設計が始まったという経緯がある。北海道開拓史好き的には大事なポイントもある園である。
一応野生生物系サークルに籍だけ入れてる私だが特段植物に詳しいというわけではない。そんな私でも楽しめるポイントがあったので記しておこうと思う。
私が植物園の中でなにより楽しかったのはアイヌの人たちが利用した植物を並べて解説看板が立ててあるスペースである。碁盤目セル状(?)に区分けされていてマスの間をぐるぐるして看板を眺める。
フキ。食べたことのある人は少なくないだろう。私は採って食べることもままある。
幣である。ぬさ。神主がシャンシャンやってるやつ。注連縄をしめている大木の根元に刺さっていることがまれにあるため、キノコとかそういう感じで自生すると思われがちだが、実際は違う。
薬。
薬。
繊維。染料にもなる。
薬。
これらの解説を見るだけでアイヌの人たちが多様な植物資源の利用法を探していたこと、多用すると毒で少量なら薬になる植物を見極めていたことが窺い知れる。けっして原始的な暮らしではなく、洗濯をしたりシラミに気をつけたり、また花の咲く時期から猟期を見極めてもいたようだ。長い時期をかけて、何世代にも渡って植物の分類と利用価値の模索をしてきたのであろう。
赤痢もあったらしい。病気を診断したり、分類したりする者も居たということだろう。
煙草も吸っていたようだ。
キセル。キセルもあったらしい。
酒も作っていた。(どうも撮り忘れたようだが、二日酔いの薬もあった。)
さっきも貼ったがもう一度。「子熊の檻」ってなんだよ。
「飼い熊」は病気になったらいちおう薬をもらえたようだ。だいたい家畜と同じだったのだろう。
加えて刺青もあったらしいことがわかる。
刺青。
お馴染み。フキだ。傘と食用のほか、はしか、脚気、鍋、紙のような使い方をしていたようだ。
とにかく見てるだけ読んでるだけでアイヌの人たちの暮らしぶりがいかに豊かであったのかがわかる。メチャクチャ面白かった。
動物の剥製が沢山ある博物館も植物園内にあり、「タロとジロ」のタロもいる。この博物館の中はワシがいたりモモンガがあからさまにかわいく剥製になっていたりオオカミがいたりする。入り口の真正面でヒグマが出迎えてくれるはずだ。
札幌にお住いの方は是非。北海道内の方は札幌に寄る機会があれば。道外の人は植物園に限らず面白い観光施設に美味しいご飯があるので是非是非。
あからさまにかわいいモモンガとムササビ。