掃除の話をするとしよう
最後に部屋を掃除したのはおそらく2年前。臭気のもととなりそうなものはその都度出していたし、冬でなければ雨でも窓を開ける者なので臭いに関して苦情が出されることは無かった。
だが、以下の三つの習慣から今朝までの私の部屋はほとんどモノに覆い尽くされている。
・ゴミをゴミ箱に捨てない
・洗って乾かした衣類を収納しない(床に置く)(頻繁に着るもの、外に着ていくものは段ボールに詰める)
・書籍や学校で配布される紙類を整頓しない
自然と掃除機ををかけるとか床を拭くとかそんな次元の話ではなくなる。一見すると習慣の問題であり掃除の問題ではないように見える。しかし、私はこれらの習慣による部屋の荒れを解決する掃除法を見出した。汚部屋に住まわれる皆々様、または同居人が汚部屋の主であることでお悩みの方にはぜひ参考にして頂きたい。
もくじ
1.方法
2.解説
3.発想の経緯
1.方法
1-1.大事なものを安全地帯に置く。
1-2.1-1で排除したもの以外の全てを部屋の外に押し流す。机の上も掃除範囲に含む場合は机の上のものも、全て。
1-3.何もなくなった部屋に掃除機をかける。場合によっては雑巾などで床を拭く。
1-4.部屋の外に出したモノの海から内容物を分類する。
1-5.海が広がっていた地点に掃除機をかける。
2.解説
1-1.大事なものを安全地帯に置く。
まず、「コレは必ず捨てられない」ものをカバンの中か何かにしまうなどして部屋から出す、又は掃除する予定のない領域に安置する。私の場合はゲーム機、充電機、PCなど。これは鞄にしまって居間に置いておいた。
1-2.外に押し流す。
私の場合は部屋の前が玄関と廊下になっているので、結果として玄関と廊下にゴミの海を発生させることとなった。
(右下のは冬の時に使ってた灯油入れポリタンク)
これを仮に「ケイオスタイド」と呼称することとする。アンコクトンでもいい。実習期間中に使っていて結局部屋に仕舞いっぱなしだった調味料の瓶、ひっくり返った爪楊枝入れ、キッチンペーパー、紙袋、あまり着ない衣類、プリントなどが主な内容物だ。
マンションやアパートにお住まいで部屋の中丸ごと清掃したいという方は玄関の外にゴミを出すのも一つの手だろう。
1-3.掃除機をかける。
1-2の作業によって、部屋の中の聖杯の泥を先に出してしまうことで掃除機をかけられない原因を手っ取り早く取り除いてしまえる。これで「目的の室内においてのみ言えば」ほとんど掃除は完了する。
1-4.内容物を分類する。
原初の混沌から秩序を見出す作業。私の場合は「衣類を取り除く」と決めてケイオスタイドから衣類のみをサルベージした。これは衣類がその他の燃えるゴミ・燃えないゴミなど判断に一瞬の間を要するモノに比べて完全に一目で判別できるからだ。40Lのビニール袋に詰めてとりあえず洗濯機の前に置いておく。
次に燃えるゴミの袋と燃えないゴミの袋を手に、波打ち際から徐々に徐々にサルベージ作業を進めていく。後に残ったのは捨て方が多少面倒くさい、もしくは捨て方がよくわからないものだけとなり、それらもまたまとめてビニール袋に詰め、後に分類する。かくしてカオスは打ち倒され、人類悪は滅び、秩序が世界を平定した。以上が私の部屋掃除法だ。たださきに挙げた問題習慣は変わらないままなので、それを月に一度と定めて行う。
3.発想の経緯
先々週に「ADHDの傾向がある」と診断されたことに端を発する。
学生相談室にて受けた能力テストの結果を先生と眺めた結果、私が覚えてる範囲では以下の特徴があった。
・点数の上下が不自然に激しい。
・単純な情報処理に優れている。
・複雑な情報処理が苦手。
・物事や概念についての説明の点数が異様に高い。
このデータから読み取れる「集中力がなく、複雑系を理解するのが苦手」という特徴から今回の掃除法を思いついた。
複雑系の理解が苦手であるというのは「複雑な事情が絡んだ問題に直面した場合は話を分解して一つの問題をいくつかの単純なことに置き換え、簡単にしてから問題を解決する」という方法をかなり頻繁にとっているからではないか?という推論に至った。例えるならば面倒な掛け算の問題を与えられた時に簡単な数字同士の計算になるよう素因数分解して組み立て直して問題を解いているようなものであるという。更に、複雑な情報処理がダメなのを直すのではなくそれはそれとして解決のために別の能力を伸ばすという選択を採ったが故の能力の偏りでもあるらしい。
私はこれらの特徴を踏まえて落とし込んだ掃除の方法は主に1-2、「部屋の中の混沌を全て部屋の外に出す」だ。何しろ途中で集中力が切れてほんの少し片付いただけで掃除を終えられてはたまらない。飽きようが飽きなかろうが家族の共有スペースに混沌を押しやってしまったという結果を作り、後に戻れない状況を作ると同時に「部屋の」掃除だけは完全に完了させるという狙いがあった。これは完全にハマった。
私と同じように嫌な作業の集中が続かない、単純作業は出来るけどいくつかの作業を並行して行うのは無理という方には必ずマッチする掃除法であるはずだ。ぜひ活用してもらいたい。