子どもの学びに制限や禁止は…?
保育園・幼稚園・学校など学びの場であるはずの場所で、あれもダメこれもダメと、子どもたちの活動を制限したり禁止するというのは、子どもたちは喜びを感じることができるでしょうか?
子ども自身に考えさせる
例えば、年中児のAちゃんがジャングルジムの3段目から飛び降りることができたとします。小学生ならなんともない高さでしょうけれど、Aちゃんにとっては自分の背よりも少し高いところからジャンプするのは、勇気のいることです。かっこよくジャンプできたAちゃんは得意げになっています。
それをみた同じ年齢Bちゃんも同じ場所からジャンプしようとしますが、怖そうな表情になっています。
この場合、どうしますか?
このBちゃんの「怖い」という感覚はとても大切です。本人の身体能力がそこまで発達していない可能性も考えられるからです。
保育者として関われることは、「危ないからやめなさい」ではなく、「怖いから今日はやめとく?」「手をつないであげるからジャンプする?」「少し低いところからチャレンジする?」「Aちゃんにジャンプの時のコツをきいてみる?」などの提案をするという関わり方ができます。
Bちゃんの「怖い」という気持ちを尊重してあげながらも、これまでできなかったことにチャレンジさせて1つ1つできることを増やしてあげるサポートができるかできないかは、保育者としての手腕が問われるところなのではないでしょうか。
危険を察知する能力を磨きましょう
また自由に遊ばせると、ケガをする子がでるかもしれません。ひざをすりむく程度のケガなら、それはちょっとした失敗。問題ないと思います。
けやの森学園では、「学びの環境」を整えています。いつも同じ状況にはない変化のある〝自然環境〟を大いに活用して、いろいろチャレンジしたり、自発的な学びを促す環境づくりをしています。
保育者が一番気をつけているのは、大事故にならないような環境づくりです。おかげで大きな事故が起きたことはこれまでにはありません。
例えば、普段の園庭の遊びの中で、ジャングルジムの下に、ボールやスコップなどの遊具を子どもたちが持ち込んで、そのまま放置されている状態を見つけた場合、即座にそれを取り除きます。
子どもたち自身も危険を察知するトレーニングは必要なのですが、保育者たちも、ただ子どもたちを見ているだけでなく、あらゆる状況下で想像力を働かせて、「あそこに遊具があっては、ジャングルジムから安全に降りられないかもしれない」と危険な状況に気付き、安全への対応が必要になってきます。
パパ・フレネの会でフレネ教育を研究しませんか?
昨年出版した研究著書『ヴァンスのフレネ学校』には、フランスのフレネ学校の現場で行われている教師の実践リポートも細かく掲載されています。
子どもの主体性を育む教育についてご興味のある方は、是非、手に取って読んでいただけたらと思います。
また、『ヴァンスのフレネ学校』をお読みいただいた方、これから読もうとする方に向けて「パパ・フレネの会」を立ち上げました。
「パパ・フレネの会」では、『ヴァンスのフレネ学校』推奨してくださっている東京大学名誉教授の汐見稔幸先生と、翻訳くださった、阿部一智先生にフレネ教育の理解を深めるためのお話をしていただきます。また、著書の解説、質問などの座談会も企画しています。
一人で『ヴァンスのフレネ学校』を読み理解するのは大変ですが、仲間と一緒に学ぶことで理解しやすくなり、保育・教育に希望が持てるようになると思います。
コロナ禍の今、「密にならないよう」「大声を出さない」「距離を保って」など多くの制限があり、「子ども主体の教育」を行うことが困難な状況になっています。その中でもよりよいフレネ教育を実践していく方法を考えてみませんか?
汐見稔幸先生を招いて「新型コロナウイルスと子どもたち」の勉強会開催
開催日時:6月5日(土)10:00-12:00
会場:狭山市市民交流センターコミュニティーホール
(西武新宿線狭山市駅西口前)
※新型コロナウイルス感染拡大の影響によって変更に会場が変更になる場合があります。
参加費:おひとり2000円(税込)当日徴収いたします
定員:20名 ※定員に達し次第締め切りとなりますので、お早めにお申し込みください
<スケジュール>
9:30-10:00 受付
10:00 開会
10:00ー11:00 基調講演①汐見稔幸先生
テーマ「コロナ禍であるからこそ考えよう〝子ども主体の教育・保育〟」
コロナ禍にあって教育保育の基本とは何かを問い直し、フレネ教育を例に取り上げ、今後の教育・保育の方向性などを解説します。
11:00-11:30 バズセッション ※日頃感じている疑問など参加者同士の意見交換の場です。(汐見先生のアドバイスがあります)
11:30-12:00 講演②阿部一智先生
『ヴァンスのフレネ学校』を読み解く
「 教育は活動でなければならない ‐セレスタン・フレネ-」
フランスのフレネ学校の生活を例にフレネ教育学の根底に流れる哲学をわかりやすく解説します。
お問合せ・お申込み
特定非営利活動法人けやの森自然塾
FAX 04-2955-2773
メール green@keyanomori.com
お申込みフォーム http://keyanomorishizenjuku.com/0605
翻訳著書『ヴァンスのフレネ学校』は当学園の公式サイトでもご購入いただけます。
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