無限の思考力 006
〜「無限の思考力 001」からお読み下さい〜
引き続き、私の経験からくる
「ロジック」を組むときの注意点「思い込み」について記載する。
③自分自身の経験からくる思い込み
その分野において、ある程度の経験を積んだ後に、最も落ち入りやすいのがこの思い込みだ。
お恥ずかしい話ではあるが、この様なコラムを書きながら、未だにこの「思い込み」による失敗をすることがある。
自分自身で経験した事は、最も理解が深いと思い込んでいるため、間違いに気がつくのが遅れる。
「まさか、そんな事はないだろう」と思った時点では、大惨事になっていることもある。
最も効果的な対策は、率直に意見を述べてくれる同僚や仲間を持つ事だ。
特に、組織内で地位が高くなり、その分野の第一人者と呼ばれるような立場になると、その人物に対して物を言いにくい雰囲気になる。
私は、その対策として、耳の痛い忠告をしてくれる部下に出来るだけ近くにいてもらう。結果的にその意見が正しくなかった時でも、気付きが得られることが多い。
しかし、常にその様な仲間から意見を得られるとは限らない。
その様な時のために
「自分の意見に否定的なもう1人の自分」
を作り出す。
自分が立てたロジックに対して、全力で論理的に否定する人格を作ると言う事だ。完全に第三者にならなければならない。
自分自身に
「調子に乗るな。お前は半人前だ!」
と言い聞かせる。
初めのウチは難しいが、自分の頭を真っ白な状態からスタートさせると上手くいく。
こんな事をしなくても、しっかりと自分自身で検証してロジックを構築できる人もいるだろう。
しかし、私程度のレベルでは、どうしても自分の考えに甘くなってしまう。
この方法は、「視点を変えて考える」という点においては、いくらかの効果がある。
しかし、私自身の知識が急激に増えるわけではない。よって、完全な対策としてはほど遠い。そのため、時々落し穴にハマる。
自分の考えに自身を持って、他人に話すことは重要かもしれない。
しかし、「自分の考えに疑問を持ち続ける」ことは、より重要ではないだろうか。
ある時点で「偉人により解明された」とすることが、何十年も後に覆された事は、歴史上何度もある。
それを考えると、「自分1人の考え程度のもの」が正しいということなど、ほぼ無いといえるのかもしれない。
「無限の思考力 007」へ続く