見出し画像

終のステラの感想文

お久し振りです彩斗です。
前回から既に2ヶ月経ってしまいました。時間の流れは恐ろしい程早いですね。

今回は9月30日にビジュアルアーツさんから発売されました、キネティックノベルシリーズ最新作「終のステラ」を読了しましたので、感想書いていきたいと思います。ネタバレ全開で書いていきますので、未読の方はプレイ終了後にお読みください。

あらすじ

地球が、すでに人類の世界ではなくなってから久しい。
世界はシンギュラリティを起こした機械群に支配され、人々はその片隅で、息を潜めて生き長らえていた。

運び屋“ジュード”の元に、依頼が舞い込む。 それはシンギュラリティ機械群の影響を受けない、 少女型アンドロイド“フィリア” を輸送して欲しいというものだった。
世間知らずなフィリアの行動に嫌気がさしながらも、ジュードは旅を始める。 時には略奪を繰り返す人間から逃げ、時には機械群が闊歩する危険地帯を通り抜け、 輸送依頼を果たそうとする。

フィリアは何度も人間になりたいと口にする。
遥か空の先に辿り着けば、 アンドロイドは人間になれると言うのだが......?

終のステラ‐公式HP


シナリオについて

今作は、運び屋のジュードアンドロイドの少女フィリアの2人が出会い、共に旅をし、最期には本当の家族になっていく過程を眺めるロードムービー風な物語となっています。
2人の関係性はキネティックノベルシリーズ前作の「LOOPERS」や「LUNARIA」の様な師匠と弟子の様な構図に近く、最近のKeyの流行が分かりますね。

初めの2人の関係は「運び屋」と「荷物」でした。ジュードは人間にそっくりなフィリアを「お客様」として扱い、深く関わらないようにしていました。しかし、共に旅をする中で段々と「運び屋」と「その弟子」、「父親」と「その娘」に関係が変化していく流れは綺麗でとってもエモかったです。

関係が変化していく過程の中で、侯爵の元に向かう途中、わがままを言うフィリアに銃を突きつけるシーンがありました。終のステラの中であそこが1番私の好きなシーンでしたね。運び屋としての仕事を全うする為、自分の気持ちを押し殺してフィリアに銃を向けるジュード。父親同然に思っていた男から拒絶されたフィリアの慟哭。からのフィリアの殺意のこもった赤い眼差し。

この時にバックで流れている曲「終の祈り」が本当に素敵でですね、過去のフラッシュバックと共に歌うrionosさんの綺麗な声も相まって涙腺崩壊してしまいました。一気にファンになってしまいましたね。

私こういうシーン大好物なんですよ。自分の気持ちを割り切り、その人の為に突き放し、あえて傷つける。最高です。あのシーンの木村良平さんと指出毬亜さんの演技がとにかく上手で鳥肌モノでしたね。

物語の終盤、月での出来事で致命傷を負ったジュードはフィリアと旅を再開します。ジュードがいなくなった世界で、フィリアが1人でも生きていけるように様々な事を教えながら。

ここでの出来事はあまり詳しく書かれなかったのですが、遺跡探索など色々一緒に冒険していたみたいでいつか詳細が語られれば嬉しいですね。

そしてラストシーン。ジュードの亡くなるシーンですが、段々と声から力が抜けていき、弱弱しくなる木村良平さんの演技が本当に素晴らしくてですね、見返す度に泣いちゃいます。
途中で真の親子になる場面があるんですが、そこでBGMがいったん止まるニクい演出があり、鳥肌がブワっときましたね…。

キャラクターについて

・フィリア
今作のヒロイン、少女型アンドロイドで人間になりたがっている。
初めは人間に純粋な憧れを持ち、獣に堕ちた人間さえ救おうとする「博愛精神」にジュードやプレイヤー達をイライラさせていましたが、旅の中で起きた様々な出来事によって段々と「人間」に成長していくフィリアが愛おしくてたまりませんでした。

・ジュード
今作の主人公、運び屋でありリアリスト
物語序盤の彼は、腕利きの運び屋であり、自分の仕事に誇りを持っていました。現実を見ないフィリアとは何度も衝突しましたが、少しづつ2人の間に絆が紡がれていく過程を見れたのが良かったですね。
フィリアを守る為にバンバン銃を撃つジュードに惚れました。

・ウィレム
人類を救う為に手を尽くすおじいちゃん
ウィレムは最初っから怪しさMAXで、いつか裏切るんじゃないかと思ってましたが、めちゃくちゃ良い人でしたね。疑っててごめんね。
ウィレムの計画通り進んでいれば人類は救われてたんですかね…。

・デリラ
南部で出会った心優しきアンドロイド
彼女はフィリアと同じ「Ae型」であり、フィリアが成りえたIFの存在です。
デリラは本当に可哀想な娘でしたね…。運び屋にも散々な目に遭い、ウィレムからも拒絶され、獣に堕ちた人々に利用され、最期にはクリムゾンアイに…。彼女の魂に幸あれ…。

まとめ

キネティックノベルシリーズ三部作の大トリを飾った本作。
AIやシンギュラリティマシンという設定のせいで大味なSFノベルになるかと思っていましたが、そこは田中ロミオ先生。流石の一言です。
楽曲はどれも印象深く、世界観と良くマッチしておりました。OPやED、挿入歌も凄く素敵で何度も聞き返してしまいます。

田中ロミオ先生の作品はRewriteしかプレイした事無かったのですが本当に凄い作品をこの世に生み出して頂けました。個人的にはRewriteより取っ付きやすい作品だと思いますので、是非プレイしてもらいたいですね。

唯一の心残りは豪華限定版を購入しなかった事ですね…、アフターストーリーがあるなんて知らなかった…、ちゃんと確認しておけば!!!;;

キネティックノベルシリーズはこれにて終了だと思いますが、次はどんな作品が遊べるか今から楽しみです。Key最高!!!

ここまで読んで頂いた方本当にありがとうございました!次回はあの名作SNOWの感想書いていきたいと思います!遅くならない様にしますので、お待ちください!それではまた!

『終のステラ』
シナリオ  :20点
・キャラクター:18点
・楽曲    :19点
・CG                  :18点
・お勧め度  :20点
   
       計95点


いいなと思ったら応援しよう!