退職から無職へ①~失業保険のための準備・かなり厄介だな?~
誰だって美緒さんになる可能性はある
昨今SNSなどで流れてミーム化しつつある、【美緒48歳】
家族ガチャ大成功」「有能な弟妹がいるだけ勝ち」「傷害保険の受給があるじゃん」「マンション貸し出せ」などなど、ほうほうなるほど、という感想やコメントを読んだ。
読んだ上で言える感想が「ちょっとその感想、ズレてるんじゃないかなぁ」である。
美緒さんは、本当に何も知らないのである。バイトしてない高校生ぐらいの知識なのである。
生活に必要で払わなくてはいけないもの――公共料金の支払い以前に公共料金そのものの存在すら、恐らく知らないのである。
ネットで調べられるだろと思うだろうが、まずネット回線引くところからだろうし(引いてあるマンションだとは思うが)、何はともあれご飯を食べるための食糧調達からなのだ。
本質は美緒さんが恵まれているとか恵まれていないとかではない。
私には、社会人として最低限の知識がない状態で突然独りになってしまう大人が今後続々と出てきてしまう可能性を題材にした風刺画に思えた。
などと偉そうにつらつら書いたが、半分ぐらい自分に当て嵌まりそうで、現在天を仰いでいる。
何故そんな心境でいるかというと、社会の手続きは想像以上面倒くさくてややこしいと、己の無知さに頭を抱えているのだ。
今回初めての完全無職になるわけだが、もうアラフィフになるというのに、税金や健康保険のことをはっきりと説明できるだけの知識もないと気付き、尚且つ失業保険に至っては申請後すぐに受給されると思っていたが、個人都合退職では数か月期間が設けられる、など今回初めて知った次第である。
人間、必要としなければ調べないよね! というのは簡単だが、やはりぼんやりと生きてきた社会人だったなと思わざるを得ない。チコちゃんに怒られること確実だ。
幸い私はまだ美緒さんと違い、情けなさに潰されながらも事前に調べて対策を練ることはできるので、自身の備忘録がてら書いていこうと思う。
そしていつか、誰かの助けになれば幸いだ。
ハローワーク・失業保険は誰のため?
2024年の11月から、人生に於いて初の失業期間となるわけだが、目標が二つある。
一つ目は失業等給付を支給してもらうこと。いわゆる失業保険である。
二つ目は職業訓練を受けて資格を取ること。
この二点が無事達成されれば、万々歳ということになる。
職探しはハローワークの求人はやばいものばかりとの情報があるので、最終手段ぐらいに考えている。
目標を決めた私はここで初めて色々調べ、雇用保険は何のために存在しているかの意味を知った。
失業した人の生活を支えるのではなく、正確には「無職になった人の次の就職が決まるまでの繋ぎだから、就活に該当することしてないなら容赦なく打ち切るからwあ、オンラインでの確認無理だからね! ちゃんと毎回来ないと支給されないからヨロwww日付の指定はこっちで決めるんで~!」というものだということを。
えっ、ちょっと厳し過ぎませんかね?? 支援金払ってるのは国もだけど、我らの給金からもしっかりとってましたよね???
長く長く働いて、人生の息抜きとして少し休みたいという心境では渡せませんというのであれば、雇用保険の支払い選択制にして欲しいと思うのは私だけだろうか。
しかも私の居住地での失業初回に関する手続きが出来るハローワークはお隣の市であり、尚且つ分室のようなところではなく、最寄り駅から2キロの本庁舎に行かなければならないらしい。
本気で交通費が馬鹿にならないんだが??
マイナンバーとはなんなんだ? デジタル推進とは一体? 書類提出で済むものもあるのなら、オンラインでは何故いけないのか?
苦悶の表情を浮かべるしかない。
前提からしてこれである。果たして受給はされるのか。また知らない難癖が出されるのではないかと戦々恐々である。
想定していたものと違っていた内容を一つ一つ文章として書き上げていってもいいが、前述したとおり、基本は自分自身への備忘録なのだから、可視化された状態でもよいだろう。
もし間違っている内容などがあれば、是非ご指摘いただきたい。
ベースは【個人都合退職・お独り様・勤続年数5年以上・アラフィフ(氷河期)世代】である。※居住地により大きなバラつきがあります
【申請から支給されるまで】
調べる前)申請後、翌月には支給される
正解)個人都合退職の場合、給付制限期間は2か月後
<個人都合ならそこまで差し迫った状況ではないだろうと判断している説有り>
【ハローワークの場所】
調べる前)手続きは地元のハローワークでよい
正解)毎回本庁舎に行かなければいけない
<何なら初回手続き終了後、指定された日時に開催される雇用保険受給者初回説明会へ参加必須>
【ハローワークへの来庁頻度】
調べる前)一度申し込めば期間内は特に申請など必要なし
正解)失業認定日は4週間に1回のペースで設定されており、やむを得ない事情がない限り変更不可
<認定を受け続けるためには、初回までは1回、それ以降は2回以上の求職活動が必要で認可が必要>
【職業訓練】
調べる前)職業訓練は自由に選べる
正解)職業訓練の受講指示が必要だし、職業訓練校の選考試験も必要
<職業訓練期間中に就職した場合、訓練修了前に退所となる>
税金を使うので慎重にならざるを得ないというのはわかるのだが、やはりかなり厳しいしかなり面倒くさいしかなり不自由ではないだろうか。
ブラック企業から精神と身体が壊れる前にと、這う這うの体で逃げ出した人たちも多くいるはずだ。
貯金残高など、簡単に想像がついてしまう。
かく言う私も見事なまでの氷河期世代のため、正職員になったこともほぼなく、給与も高くなく、賞与も貰った期間の方が圧倒的に少ない。
貯金など、退職後も問答無用で搾り取られる税金でほぼ枯渇するだろう。
節約すれば貯金できたのでは、と思うかもしれないが、2000年の東京都の最低賃金は700円程度であり、社会人二年目にいただいた寸志は3000円で、当然だがそこから税金が引かれていた。
そこも踏まえて自分で選んできた人生だろうと言われればそれまでだが、私の時代は選択すらない時代だったのだ。
24時間戦えますか? のCMがガンガンに流れ、戦えないならば不要な存在と一切顧みられない、弱音をみせた途端に歯車の価値すらないと切り捨てられる時代。
あの頃はのんびりしていたから業務内容は今の半分程度だったのでは、と提起する人もいたがとんでもない。
思い出して欲しい。なんでもマンパワーで潜り抜けてきたのだ。事務手続きだけをとってみても、電卓計算と大量の手書き書類。
記憶のなかにあるのは途中の息抜きしていた瞬間、というのならばとてもわかるが、基本下っ端はいつ首を切られるかと冷や冷やしながらずっと働いていた。
明るくどす黒く、ハラスメントという道徳もなく、刹那的に狂いながら、崩壊していく瓦礫の上を歩き続けた、そういう時代は、確かにあった。
私の世代の人達の中には私のように、走って走って走り続けてふとした瞬間に現状を振り返り、地位も価値も資産もなく呆然とする人は少なくないはずだ。
かく言う私もその一人だが、不幸だ、とはあまり思わない。それはもう運でしかない話であるし、どの時代も多かれ少なかれ大変でしかないからだ。
ただ、このまま諾々と流されて使い潰されるだけの人生も虚しいな、と思ってしまった次第である。
兎にも角にも、健康であればあるほど受給は遅くてもいいだろうという判断は、ある意味公平なようでいて、とても不公平な制度になってはいないだろうか。
支給額も満額支給でないのに、何度も本庁舎へ通わなければいけないというところで、交通費もかなり痛い出費だ。
私のときは無理と諦めているが、早急にデジタル化を進めていただきたい。
給付制限期間は来年度から短縮されるようだが、就労支援保険ではなく、本当の意味での平等な失業保険となってもらいたいと切に願う。
事前準備はどこまでできるか
さて、散々愚痴をまき散らしたところで現状は変わらない。
せめて事前に準備ができるものはあるかと調べてみたところ、どうやらそこそこありそうだ。
一連の流れを簡単にまとめておこう。
【事前準備できること】
・『求職者マイページ(ハローワークインターネットサービス)』の登録
・上記アカウントをマイナポータルと連携させる
【全体の流れ】
①事前準備をする
②前の会社から離職票が届いたら、ハローワークの本庁舎へ行って求職の申し込み(=失業保険の申請)をする
③7日間の待機期間を過ごす
④雇用保険受給者初回説明会に参加する
⑤失業認定日には、ハローワークで失業認定を受ける
【申請時の持ち物】
・雇用保険被保険者離職票
・個人番号確認書類(マイナンバーカードや住民票など)
・身元確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)
・証明写真2枚(縦3.0㎝×横2.5㎝)※マイナンバーカード持参の場合は省略可
・印鑑
・本人名義の預金通帳やキャッシュカード
【雇用保険受給者初回説明会の持ち物】
・雇用保険受給資格者のしおり
・筆記用具
調べているうちに、失業保険の最大の難関は手続きであり、面倒で申請をしない人も多くいるという文を目にしたが、大きく頷いてしまう。
不安だらけで仕方ないが、初失業者は無事に目標は達成されるのか、乞うご期待頂きたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?