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退職から無職へ③~ハローワークハロー!・1階2階また1階~

 11月に入り、前職場から順調に各書類が続々と郵送されてくる。
 いや、一気に送ってくるんじゃないんかーい。
 郵送費、馬鹿にならないのでは。まぁいいけど。

 そんな仰々しい封筒が届く最中、源泉徴収が届いた。と、いうことは最後の給与振り込みが終わったはずだ……が、何かがおかしい。
 前職場はペーパーレス化を推進しており、給与明細はすべてオンライン。しかし退職月の翌月にはログイン権限が抹消されるため、給与明細の詳細を確認する術はない。
 そして最後の給与口座への入金記録は、10月16日以降ないのだ。
 退職月は11月であり、給与日は毎月16日であった。これは一体どういう解釈をすればいいのやら。
 前職場のメールアドレスは、12月には使えなくなってしまう。悩むぐらいならさっさと訊いておくかと給与係に問い合わせたところ、大変微笑ましい回答が返ってきた。

「key様は×××でしたので、基本給は当月支給です。そのため10月分は10月給与で支給しております。11月給与が発生するのは、10月に超勤等があった場合になります。」

 なるほど、わからん。(宇宙猫)

 多分かなり変というか歪な独自の雇用形態にされていたので、好き勝手なやり方がされていたのだろうなとしみじみしつつ、何一つわからないけれど「わかりました」と懇切丁寧に返信しておいた。
 もう本気で一切合切関わりたくない。
 このまま独自路線でガンガン突き進んで、そのうちニュース沙汰にでもなるか統廃合でもしてなくなってしまえばいい。
 先方に「りょ」とぶん投げなかっただけ大人でしたねと誰か褒めて欲しい。

 ところで軽いネタバレ(?)となるが、源泉徴収は離職票の後に届いた。
 なのでこの時点で最初のハローワークには行っていため、この不可解極まる返答にも多少心構えが出来ていたのだ。
 なにせ離職票に記載されていた区分はパートであったので。パートであったので!!※2回目
 離職票をちゃんと読んでいなかったのでハローワークでその事実を知り、あのクソ職場ァ……!! と呻いていたら担当のお姉さんから物凄い憐れみの眼差しを向けられてしまったということがありましたので!

 この詳細も含めて、第ゼロ回、ハローワーク編開始である。
 お待たせした分長いので、のんびりとお読みください。


いざ行かん、ハローワーク

 散々待っていた離職票が届いた11月中旬某日。
 他の必要書類は届いていたので、ようやくハローワーク本庁舎へようやく赴くことができた。
 考えてみれば有給消化を始めた8月下旬以来の電車だなぁと思いつつ、あれ、そういえば定期は切れてるけどモバイルSuica引っ掛からないよな? とドキドキしながら改札でタッチ。
 定期の期限切れのお知らせは表示されたが、特に引っ掛かることもなかったので一安心だ。
 余談だが片道2時間の通勤は通勤費も伊達ではなく、半年ごと購入していた定期券は毎回14万円ぐらいしていたのでviewカードからのポイントは大変美味しかった。
 これがなくなるのだけが残念だなと思っていたのだが、後日通勤手当が高額な場合、社会保険料が高くなる可能性があるという話を聞いたので、やはり辞めてよかったなという気持ちで落ち着いた。
 所得税ではなく、社会保険料として何時かは自分に返ってくるにしても、それはそれ、これはこれである。

 さて、ハローワーク本庁舎は最寄り駅から徒歩15分程度の距離にあるらしい。ということは、多めに見積もって20分程度。
 天気さえよければ3キロぐらいはお散歩レベルの人間なので、まったくもって無問題だ。むしろまったく歩いていないような生活なので、徒歩楽しい。
 1月までは地元の駐輪場を借りたままにしてあるので、あと何回かは電車で通うだろうが、その後はバスになると思えば尚楽しいというものである。
 ちなみに普通自動車の免許は持っているが、長らく原付で駅まで通っていたので、自慢ではないが自動車は超絶ペーパードライバーだ。
 歯医者に行くだけでマジで無理ですぎゃあああと叫びながら、行くしかないのだ!へけっ!と一人で脳内ハ○太郎と会話していると家族に話したらドン引きされたので、助手席にぬいを置いて会話をするようした人間には、ここまで車で来るという選択肢は最初からない。

 幸い駅からの方角だけは目処が付いていたので、時折地図を確認しつつ歩いていると、住宅地でもないのに通い慣れた足取りの人たちにガンガン抜かされたので、どうやら道は間違ってなさそうだ。
 初回は指定時間も特にないのでのんびり進んでいると、住宅地になってきた。それからも特に迷うこともなく、如何にも公営で建てた施設です! と言わんばかりの古く無骨な建物が見えてきた。

 看板も確認し、いざ初のハローワーク本庁舎

 最初は一階の総合案内に声を掛けるといいと調べていたので、正面にある総合窓口のカウンターで無職になったため手続きをしたい旨を話すと、手際よく対応してくれた。
 整理券番号を手渡され、銀行か郵便局と同じような雰囲気の中、待合の椅子に座って自分の番号が呼ばれるまでまったり待機。
 整理券番号の進みが遅いので、そこそこ待ちそうだなと周囲を観察することにする。
 というのも携帯の電波が悪く、壁にはFree Wi-FiのSSIDが貼られていたが、当然ながら「ゲームやSNSで使用禁止、仕事を探せ(意訳)」と注意書きが書いてあったので、総合窓口で手渡された資料を読んだ後は暇だったのである。

 10時ぐらいに着いたのだが、待合の椅子はギリギリ立っている人がいない程度に混んでいる。ざっと見た限り、老若男女の比率は特に変わらないように思えた。
 ハローワークは現在就職している人でも転職のための職探しとして活用できるとはいえ、大半は雇用保険関連のはずだ。
 私も今やその一人なのだなとしみじみしつつ、モニターに就職支援のサンプルとして流れているVTRのようなものを視聴する。
 内容的には職を探すオジサマがハローワークの方と面談しながら、履歴書の書き方とか諸々アドバイスをもらって進めていく話だ。ハローワークはこういう活用や支援もできますよ、と噛み砕いて説明したものなのだろう。
 だがしかし。
 その冴えないように見えたオジサマ、前は営業職で契約にも貢献したことがあって簡単ながらフォトショとか使えますとかスペック盛り盛りが気になっちゃて流れ頭に入ってこないんですけど~?
 オジサマ、ハローワーク来なくても仕事探せますよ大丈夫ですよォ!! キィ!!
 と内心でハンカチを噛み締めていたら、いつの間にか私の番号となっていた。

 呼ばれた窓口へ行って、書類などを提出したり書いたり簡単なヒアリングなどをしたのだが、事前にwebからハローワークに関する諸々の登録を済ませていたので大変スムーズだったと思う。
 というか、そこそこ詳細で面倒な登録内容をあの場で一人一人打ち込んでいるのだとしたら、それは確かに呼ばれるまでに時間が掛かるだろう。やっておいて本当に良かった。
 説明されたなかで「なんだと?」と思ったことがあるしたら、『職安などから適した仕事が紹介されれば、すぐに応じることができる』という項目は必ず『YES』でなければならないということだろうか。
 私の場合少しゆっくりしたい、資格を取りたいというのもあったので最初『No』としていたのだが、この箇所は二重線訂正印となった。
 曰く、あくまで再就職支援なので、余程の事情がない限りは断れないらしい
 勿論面接などで断ることは可能だとは思うが、この質問はこの後も事あるごとに承諾する旨を書くこととなる。

 なんだかいやな予感がして、再就職希望職などの設定を高望みにしておいてよかったとポーカーフェイスで安堵したのは言うまでもない。
 それでも就職をと先方が希望するのであれば、むしろ何が琴線に触れたのか逆に問い質したいものだ。余程の好条件でなければ断るけども。
 まあ、この登録内容は事前に入力できたのと同じく、webから幾らでも訂正できるのでそこまで危機感を覚える必要はない、と信じているし、紹介ありがとうございました!! と、心からのお礼を口にでいるような求人をまずは載せて頂けたら嬉しいというのが本音である。

「パソコンはどの程度使えますか?」
「あの、使えるっていうのがどこまでを指すかわからなくて。職や仕事場によって、例えば関数にしてもどこまで必要とか違うじゃないですか。調べていい環境ならある程度は出来ると思うんですけど普通ぐらいってハローワーク的にはどの程度のことを」
「キーボードは打てますね? あとは調べながらなら出来ると入力しておきます」
「ア、はい」

 時折ウェットを含んだ遣り取りをしつつも、国民年金機構では何故か対象外とされていた楽天銀行口座も選べたので、恙なく終了。
 よしよしこれで終わりかなと思いきや。
「では次に雇用保険の説明がありますので、2階へ向かってください」と案内された。

 どうやらまだ職業相談手続きの一環が終わっただけらしい。なんてこったい。

いざ貰わん、失業(雇用)保険

 大変分かり易い案内を受けて2階へと進めば、そこは1階よりも市役所色が強い雰囲気のフロアだった。
 指示された窓口で整理券番号を受け取り、待っている間に再び様子を観察していて気付いたのだが、噂の受給認定もここで行っているようだ。
 知らない人もいると思うので簡単に説明すると、雇用(失業)保険は指定された4週間に一度の認定日に認定を受けて、初めて日数分に応じた金額が給付される。
 認定とは大まかに言えば、就職活動を2回したか否かの認定だ。認められなければ給付はされないという、ノイローゼになりそうなシステムである。
 そのジャッジを、このフロアで行っているのだ。

 なるほど、1階の職業相談は就職中の人でも転職などで活用できる。
 失業者対象となる雇用保険対象者とは管轄が違うからフロアも違うのかぁと納得しつつ、更に気付いたことがある。
 2階、携帯の電波がいい……!!
 やったぜヒャッホウ!! と内心ガッツポーズをしながら、再び適当に時間を潰すこと30分弱。
 番号を呼ばれた窓口に赴き、書類を提出し、先程と同じく内容のチェックや簡単な質問を返していく。
 特に離職理由は会社都合退職か個人都合退職かで支給に関する色々なことが変わってしまうため、慎重に確認されたのだが、その時事件は起こった。

「前職場さんからの退職理由は個人都合退職となっていますが、こちら間違いないでしょうか」
「面倒なのでもうそれでいいです」
「え」
「いや、もうさっさと縁切りたいので、それで大丈夫です、ありがとうございます」
「……色々ご苦労されたみたいですね、お疲れ様でした……前職場での契約はパートの雇用形態だったようですが」
は??????

 お姉さんの憐れみを含んだ優しい声で確認された内容に、素の声が出た。
 ちいさくてかわいいアレの声では決してない、濁点ギリギリの低音ヴォイスだ。
 いや、内容が細かすぎてちゃんと読んでなかった離職票にしっかりと書いてありましたわ。雇用区分『パート』って。
 あれあれ~~おっかしいな~~~???
 正職員ではないけど殉じた永続雇用区分だから組合費(そこそこ高額)は毎月徴収するね! まぁ退職金はびた一文も払わないけどな☆という大変ふざけた立場だったけれども、そっかそっか~~!!

 ガソリンぶちまけて燃やすか、あのクソ職場ァ……!!!!!!

 思わず机に突っ伏し掛けながら漏れ出てしまった怨嗟の声は、仕方ないと思っていただきたい。尽くしたところでこんなもんである、今更ながらに痛感だ。
 本来ならば「さっさと再就職してください」と言わなければいけないだろう立場だろうに、「しばらくのんびりしてくださいね」としみじみ言われてしまった。ありがとうお姉さん、優しさが辛い。

 おかげさまで雇用保険を受給する資格手続きはすんなりと通ったのだが、前職場がまだ最終賃金の総額が出されていないので、具体的な金額は間に合えば初回説明会の時となりますと説明された。この時点では源泉徴収が届いてなかったので、納得である。

 ところで簡単に個人都合退職が雇用保険をもらうまでの流れを書き出すと、今後はこのような流れとなるようだ。
①ハローワークに雇用保険の申請に来庁する(11月中旬)
②別日に指定された初回説明講習を絶対に受講する(11月下旬)
③指定された初回認定日に来庁する(12月上旬)
④2回目の認定日に来庁する(1月下旬)
・①と②の間が7日間の待機期間となっており、絶対に仕事をしてはいけないとのこと。
・会社都合退職の場合は2か月間の待機期間がないので、③と④の間に一度認定日があるのだが、個人都合退職は待機期間があるので④の日となる。
・雇用保険の給付は④の認定日から開始となるので、最初の給付は早くて2月上旬の振り込みとなる。

 ふむふむと説明を受けつつ、支給額が決まってないから無理かなと思いながらも、前職場に正式に登用されたのが5年前だったので給付日数は90日でしょうかと訊いてみた。
 支給開始は待機期間の7日+2か月後からとなるので、給付額を満額もらうとすると少なくとも90日+2か月後となるはずだからだ。
 今後のことも考えると目処は立てておきたいなと思ったので質問してみたのだが、意外過ぎる返答があった。

「給付額はわかりませんが、給付日数はわかりますよ。今まで一度も使われてなかったので、区分的には20年以上の150日になります」
「へ? 前職場の入職期間じゃないんですか?」
被保険者であった期間ということで、雇用保険を支払っていた期間になるんですよ。上限が20年以上までなのでこちらの日数となります。これ以上多い給付日数となると、会社都合退職ですね」

 わ、わーい!!
 給付額は総賃金の割合となるので期待なんてさらさら出来ないけど、思いがけず心と時間の余裕は出来たぞ~!!

 てか20年以上掛けてていいことあるのか、これ?

 細かいことは今はいいか! と、ウキウキとしながら次いで目標としてた「職業訓練」について申し出たところ、1階の総合窓口を案内された。
 身も心も行ったり来たりである。

いざ申し込まん、職業訓練

 1階の総合窓口で雇用保険の手続きまで終わったので職業訓練の話を聞きたい、と申し出るとハローワーク受付票と引き換えに整理券を手渡された。
 順番待ちをしている間に例のリア充VTRが流れているモニターの下にパンフレットが色々あるので宜しければどうぞと案内されたので、ひょっこりと覗きに行く。
 都内での開講パンフレットもあったので、受講は本庁舎とは関係ないんだなと知れた。

 さて、初回にも書いたのだが、私の野望は失業保険を受給することと、この間に資格を取ることである。資格が無理でも、何か勉強したいと言い換えてもいい。
 ハローワークでの支援について事前に調べたことを簡単に書くと、全額無料となる【公共職業訓練】【求職者支援制度】、割安になる【教育訓練給付制度】があるらしい。
 ??となったので我が相方、ChatGPTのつむぎさんに訊いてみたところ、大変わかりやすくまとめてくれた。
・雇用保険(失業保険)を受け取れる人 → 公共職業訓練
・雇用保険(失業保険)を受け取れない人 → 求職者支援制度
 なるほどなるほど、つまり私は失業保険を受けているので公共職業訓練の対象者となる。
 ついでに言えば、教育訓練給付制度の対象者でもあるわけだ。

 年齢的にも諸々厳しく、正職員どころか雇用自体が難しそうなので、未経験でもワンチャンありそうなのは事務か医療関係か。
 元々医療関係に就いていたのだが、残念ながらかなり特殊な事務をやっていたので医療事務の資格すらない。というか、経験や職歴自体まったく役に立たない。
 サクっと再雇用を一発で狙うなら医療事務の派遣、ならば狙う講習は医療事務か、いやいや、ぶっちゃけ医療事務の派遣会社ならば無資格でも雇用されながら無料で資格勉強できるパターンもある、てかここの通所施設前働いてた会社じゃん労基訴えるからなテメェら首洗って待ってろボケェ! と裁判までもっていこうとしたとこじゃん、断固御免被る、ならば簿記の方がいいのだろうか、でも簿記ってできるのかな、今無料の簿記講座3級無料でどうぞってところもあるみたいだし、まずはそこをやってみて向き不向きを考えてもいいのかな、あ、MOSもあるよなぁ、云々。
 こんな感じで悶々としていたので、今日は申し込まないとしても相談にのって貰えるのは有難いし、是非詳細を訊いてみたい。
 ――と、いう心境だったのだが、本日来庁して新たに知った「パート扱いであった」と「150日の給付期間」でかなり心が揺さぶられてしまった。

 どうやら大半が正職員じゃなかったらしい人生だったのならば、自分のやってみたいもの、好きなものにチャレンジしてみてもいいのでは……? 

 本当はクリエイティブな仕事をやってみたかった。だが女性の社会進出すら仕事が限定されているような氷河期真っ只中だったので、定職に就けることが最優先だった。
 いつだって選んできたのは自分自身で後悔はないが、結果職歴は複雑となり、正職員だったのは5年もない。
 Xなどを読んでも、私より断然若い人たちが履歴書の段階で落とされている。4週間に一度の認定なんて【応募したが不採用】として余裕でクリアできるだろう。
 どうせ就職自体が更に厳しいものになるなら無理と決めつけず、やってみたかったWEBデザイン関連の公共職業訓練に申し込んでしまってはダメだろうか……!!

 就職という面で現実的ではないのはわかっているし、公共職業訓練の WEBデザイン講習は現場ではスキルとしてカウントされないという話も知っているし、何より倍率が凄いのでまず講習を受けることすら難しいらしい。
 あと当然だが申し込みたいのであれば本業として考えていることが前提だ。勿論本業にしたいが、こればかりは本人のやる気でどうにかなるものでもない。
 でもこんな機会、もう人生でないだろうしなぁと煩悶していると、受付番号が呼ばれた。

 担当してくれたのは大ベテランっぽい女性で、まずは無難に事務関連の職業訓練受けてみたいと話を切り出した。
 医療事務、簿記、MOSにしても、自宅から最寄り駅までが遠いので通所だと厳しそうなのでeラーニングにしたいと説明する。
 通所の訓練受講は訓練日は平日の五日間、時間は9時頃から17時頃まで、100%受講が原則でやむを得ない場合を除いて欠席はできないのだ。天候の問題もあるのでクリアできる自信はない。
 そんな事情ではeラーニングはダメですと却下されるかと思ったが、あっさりと職業訓練を受けるための丁寧な説明を受けることができた。

①ハローワークで職業訓練を受けたいと申し込み・相談をする
②施設見学会に参加する
③ハローワークにて受付手続きをする
④選考試験の受験(面接や簡単な筆記)を行う
⑤合格すれば入校、不合格の場合は再度受験も可能
※募集人数に満たない場合、開講自体がなくなる場合がある
※指定された受給日数以内に受講開始となる講座が対象となるので注意

 ②はeラーニングだと動画視聴対応がほとんどのようなので問題なさそうだが、①と③でハローワークへ来なければならないらしい。交通費が地味に痛い。
 素直にぼやけば、担当者さんから「オンラインで施設見学会可能なところなら動画視聴してもらって、次ハローワーク来た時に①と③を同時に申告してもいいよ」とのアドバイスがあった。これは有難い。
 それにしても募集要項のパンフには施設見学会は任意と書いてあるのだが、ここの拘りはハローワークによって違うかもしれない。
 色々な書類を貰って内容を確認していれば、担当者さんから「一番気を付けてほしいことがあって」と切り出された。

「ここ見てもらうとわかると思うけど、申込期間と合否と開講日に時間差があるから、決めたらすぐ申し込むことをお勧めします!」
 例・<開講>12月20日
   <募集期間>11月5日~11月19日
   <選考日>12月3日
   <選考結果>12月9日
 本当だ~!!
 これちゃんと考えないと1ヵ月全部ズレていくやつだ!

 はわはわしながら頷いていれば、最後に担当者さんから申し訳なさそうにされた説明があった。
「本当はこの職業訓練相談も認定の1回とカウントしていいんだけど、初回認定が終わっていないので、今回はカウントされないんです」
 ああ、何かに職業訓練相談も1回の認定としていいと書いてあったけど、このことだったのか。どうやら私は先走ったのかもしれないが、情報は多ければ多いほどいいので全く問題ない旨を伝えた。
 できたら初回認定で来庁したときに申し込みができるよう、資料読んできますねと席を立ち上がり、――やはり気になっていたことを訊ねてみる。

「あのぉ、WEBクリエイター的なやつってどうなんでしょうか……」
「あ~、ううん、まずね、この講座受けても就職まで結びつかないことが多くて……あと講座に付いていけなくて確認テストに合格できなかったりね」
「あ、そうみたいですね。ちょっと調べたら大変だって書いてありました。色々とありがとうございました」

 普通の通信講座なら何十万とするものだ。年齢や経験的なものを踏まえてもあっさり却下されるだろうなとは思っていたので、むしろ気を遣わせてしまった気がする。
 何より4ヵ月とかの講習だ。150日間の給付期間では無理だろう。

 お礼を言って、人生初のハローワークはこれにて本当に終了だ。トータル2時間弱程度。
 本庁舎を出れば秋の空気は涼しくて、いや涼しくないわ、暑いなオイ!?とアウターの前を開けながら、ついでに自宅から一番近いバス停のチェックをしてから帰ろうと来た道をのんびり戻る。

 それにしても、自分の扱いがパート区分だったのが一番驚いたなガチで……。

 どんなに事前に調べても、思いがけないことは得てして起こるものだ。
 季節を感じさせない綺麗な青空に前の職場を思い浮かべつつ、心の中で満面の笑みを浮かべながら元気いっぱい中指を立てた。

 さて、次は初回説明会だ。 

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