「転勤」と戦ってきたサラリーマン人生
今回のテーマはズバリ「転勤」です。
僕にとって「転勤」はサラリーマン人生における天敵で、ずっと戦ってきました。
そんな転勤が世の中的にも少しずつ捉え方が変わってきているようなので、今回は転勤について書いてみようと思います。
こんな記事があった
日経新聞の有料版ですが、意識高い系の皆さんならもちろん契約済みのはず。
なんていう冗談はさておき、記事の大枠としては「転勤制度はもう時代にそぐわない、なのに転勤という雇用慣行の見直しが進んでいない」という内容です。
この記事を読んで「本当にそうだよ!ソコが変だよ日本人!」と一人唸っていたのですが、私はサラリーマン人生この方ずっと転勤と戦ってきました。
就活の時点から考えていた
今は懐かしき就職活動時代。
「新卒として企業の選考を受けられるのは人生で一度きり、超優良企業は今しか受け入れてもらえない!」ということで私の周りの人たちはすさまじい意識の高さに脱帽でした。
私としてはそんなの他人事でして、とにかくマイペースに就活していました。
その頃の話をまとめたのがコチラです。
話を戻して私が当時、募集要項をチェックするときに最も重要視していたことの一つが「勤務地」です。
勤務地を重要視していた理由
ズバリ「彼女と過ごす時間を確保したかったから」です。
価値観の違いですが、超一流企業の入社を目指していた友人達からは「ケヴィンもったいねえなぁ」なんて言われていましたが、サラリーマン10年目に突入している今、この頃の考えは間違っていなかったと思います。
一方で当時、勤務地に関してあまり関心がなかったとある友人は非常に苦労しています。
いきなり縁もゆかりもない地に配置され友達とも離れて数年過ごし。
やっと慣れてきて結婚して子供もできた頃にまた転勤、泣きじゃくる1歳の子供を連れて新幹線に乗って引っ越し・・・
新しい土地で子供が保育園に通いはじめて一年ほど、やっと慣れ始めたらまた転勤・・・
もう転職したい・・・と彼が愚痴っています。
私にも襲い掛かってきた転勤魔
私が新卒で入った会社は小さい会社なので他県に拠点がほぼなく、転勤の可能性はゼロでした。
しかし、ボーナスが一切出ない会社だったので転職活動をはじめたのですが、ここで転勤の魔の手が迫ってきました。
「絶対に無理だけどとりあえず」と思い一部上場の総合商社に応募したところ、あれ?あれ?という具合で二次面接、三次面接と進んでいったのです。
そして3.5次面接のようなイレギュラーな場が設けられ「ケヴィンのことをとても評価していて内定を出したいんだけど、ケヴィン君は勤務地に関してちょっと躊躇しているようだったね」と切り出されました。
「君が了承してくれれば来月から名古屋に行ってもらって2,3か月研修、そしてその後はブラジルに行ってほしいプロジェクトがあるんだ」と言われたので、「大変申し訳ございません、無理です」と丁重に辞退したのです。
自分なりに吟味して転職したけど
そうこうして「ある程度規模が大きくて収入アップも見込めるけど、転勤の可能性が少ない、あるいは転勤の条件がよさげな会社」を選びました。
しかし私は英語力をアピールしてしまったが故に海外要員になってしまいました。
とは言え、この頃の私は新卒に毛が生えたくらいの男の子だったので、海外勤務に関して割と甘く考えていました。
この記事でも触れている通り、父の海外赴任の経験を基準にしていたので「あの感じで海外に家族を連れていけるなら全然アリじゃん」と考えていたのです。
今時の転勤はマジで厳しい
もちろん業界によって、そして企業によって福利厚生や制度が違います。
しかし当時、いざ海外赴任の話が具体化して会社に条件を聞いた時、唖然としました。
手当はなく、家族の帯同に必要な費用は自分持ち、何ならできることなら自分ひとりでいきなさいというニュアンス。現地での住宅手当等ももちろんない。
会社からすると「海外要員で入社したんだから海外赴任してもらうのは当然。何を今更ゴタゴタ言っているんだ?」とのこと。
とはいえこちらの言い分として、入社当初は赴任時の具体的な条件は聞いていなかったので、こんなはずじゃなかったのに・・・と思うのも当然です。
色々と検討しましたが、ちょうどその頃はフリーランスになるべく副業もしていたので、これを機に会社を辞めてフリーランスに挑戦しました。
その頃の話はこちらにまとめてあります。
転勤の襲撃パート2
その後フリーランス業に挫折した私は再度就職します。
新卒の頃から転勤を避けまくってきた私なので、もちろん再就職する際もひたすら「ここは転勤がないか?」とチェックしながら応募しました。
そして無事、転勤のない会社に就職したのですが、入社から4,5年後の部署異動を機にこれまた転勤の話がチラついてきました。
「自社製品をアメリカ市場に売り込んでいきたい」なんていう話が耳に入り、「あ、これはアカンやつや」と本能が訴えてきました。
最終的には海外赴任云々よりも別の要素が大きかったですが、この会社からも退社して転職することにしました。
そのいざこざはこちらにまとめてあります。
私の体験談を綴ってきましたが、ここでデメリットとメリットをまとめます。
(私は転勤否定派なのでデメリットから先に・・・)
転勤のデメリット
① 彼女・家族との時間が奪われる
20代なんて遊びたい盛り。毎週末、はたまた平日から恋人と会っていたのが遠距離になるのは寂しすぎますよね。
また結婚して子供がいたら、子供の成長を見守れないなんて苦痛でしかありません。
② 趣味の環境が奪われる
私はバンドと草野球の趣味があります。
20代の頃は毎週末バンドメンバーで集まって練習をしたり、時期によっては頻繁にライブもやったりしていました。
関東内であればまだ活動を続けられますがそれでも大変になりますし、もし関東外になったら更に負担が大きくなります。
また草野球も慣れ親しんだチームから離れないといけません。
③ 家を買えない
そもそもマイホームを持つことに興味がなければ問題ないのですが、転勤アリだといつどこに転勤になるか分からないので家を買うことができません。
また私のように家を買ってしまうと、もし転勤になると非常に困ってしまいます。
④ 子供の転園、転校は大変
子供が小さければ保育園を変えなければいけませんが、これは本当に心が痛みます。
小さい子供は大人以上に慣れた環境への愛着があるんじゃないかと思います、新しい環境に慣れるのもとても苦労します。
一番辛いのは本人でしょうが、その結果子供の機嫌が悪くなって荒ぶることもあるので親も大変です。
また小学校、中学、高校の場合は、私自身経験していますがこれもまた大変です。
転勤のメリット
① 子供が語学を身に着けられる
仮に英語圏の外国に転勤した場合。
私自身、父のアメリカ赴任に帯同した結果、ある程度英語を扱えるようになりました。
しかし同じくアメリカに帯同した家族のうち、現地での生活に慣れず英語を習得できていない人たちの方が多かったのも事実です。
② 人生経験が豊富になる
ずっと同じ地域で過ごした場合、接する人が増えず、変わらず、接する価値観や考えも限られてしまう場合もあります。
その点、転勤で日本各地、世界各地で過ごすと多くの人と関わり、多くの価値観や考えと接することができるでしょう。
③ 自分のキャリア構築にプラスになる
これはケースバイケースですが例えば海外拠点なり、地域拠点に配属になり長年勤め続ければいずれその拠点の責任者になる可能性もあるでしょう。
転勤に伴い様々な仕事を経験することが自分の力にもなりますし、社内での評価も上がるのではないでしょうか。
とは言っても今時おかしいよ転勤制度
物事ポジティブに考えるのが人生を豊かに過ごす秘訣ですが、とはいってもこのご時世において転勤制度はどうかと思います。
私感120%ですが一定の場所に住み続けることを前提にしないと人生設計が難しくなります。
家族との別居、子育ての苦労、親の世話や介護など、転勤による半強制的な居住地の移動はシンド過ぎます。
父の世代は違った模様
そもそも我が家が転勤族だったので転勤のメリットも分かっているつもりです。
但し父の場合、世代なのか業界なのかわかりませんが、現代よりも待遇が良かった気がします。
引っ越し費用も出れば手当も出るし、転勤=家族帯同が当然でした。
また想像するに当時は今ほど雇われる側が意見できる立場ではなかったような気がします。
私はこうして転勤に抗って生きてきていますが、父が現役だった時代は働き先の選択肢もそんなになくて、とりあえず会社からの命令は絶対、というメンタルだったのではないかと想像します。
その分、会社がちゃんと面倒を見てくれた、というオチだと思いますが。
まとめ
中には転勤が大好きな人もいます。
私の友人でも一か所に留まっていると気が狂う、家族はどこかにいてもらって自分は世界中飛び回りたい、という人です。
なので本人が納得できるのであれば問題ありませんが、もし転勤に関する不満や不安を抱えている人がいたら、「転勤のない会社に勤める」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。