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写真を撮るようになったわけ
以前、こんな記事を書いた。
私は、詩を書くし、写真も撮る。いや、写真はもはやどんな人でも撮るものだと思うんだけど。私が写真を撮るのはなんというか、趣味というより普通にやることで、特別な何かでもないし、…でも、やっぱちょっとだけ特別なのかもしれない。何が特別なのかはわからない。
まあいいとして、写真をやるようになった最初のきっかけは多分、妹のモダンダンスの発表会でのビデオカメラ撮影だった。
その頃は今のようにスマホもないし、小さなビデオカメラもなかった。VHSビデオカメラっていう、でっかいビデオカメラを使っての撮影だった。VHSビデオテープをそのまま突っ込むやつ。わかるかな…。
当時は普通の家庭にはそんな機械はなかった。たまたまうちの父が会社から借りてきたといって家に持ち帰ってきたのだ。当時私はたぶん小学5年生くらいだった。
妹のモダンダンスの発表会をこれで撮ろう!ということになり、その未知の魅力的な機械に興味津々だった私は思わず「私が撮る!やらせて!!」と申し出たのだった。
使い方を父から教えられ、いざ本番。大きなホールの後方に三脚を立てて、ビデオカメラをセットした。広角で固定で撮るのだと思い込んでいた父だったが、私が考えていたのは違った。被写体を追うのだ。
演目により、広いステージに踊り子が1人のときもあれば、2人、3人のときもある。また、7〜8人で踊るときもある。これを、画面にうまく入れて撮るのが面白くて仕方なかった。慣れてくると、どんな感じで四角い画面に収めたらカッコ良くハマるのかが一番の関心どころになった。
一番面白かったのは、妹のソロの演技を撮ることだった。
ダンスは様々な動きをする。一つひとつの動きを四角い画面にバランス良くセットし、常に数コマつずつの作品として撮影しているような気分になった。面白くて仕方なかった。ビデオを撮るってなんて面白いんだと夢中になった。この時、カメラを使った写真はまだ撮ったことがほとんどなかったと思う。
カメラで写真を撮るのにハマり出したのは、この時より随分あとだ。
もう大人になってからで、旅先で気がついたら何百枚もの写真を撮る自分に気づいた時からだ。その時はもう既にその面白さを「知っていた」気がする。たぶん、あのダンスの発表会の撮影が全てのスタートだったのだ。
それから様々な写真を撮っているが、いまだに四角い画面の中に、何かをうまく配置して、心地よい!かっこいい!ぴったり!スキッとする!となるのは気持ち良い。
不思議なことに、あらかじめそれを決めて撮るのはあまり好きじゃない。普通に時間が、人が、自然が、物が、流れている中でそれを見つけるのが好きなのだと思う。無意識に、いつもそれを楽しんでいる。
だから「写真やってます」みたいな風に言うのはちょっと違うのかもね。だから私にとって写真は「特別感」があるようで、ないのかもしれない。