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ヴイアライブ、誰かをアイドルにするということ

つい先程ヴイアライブ候補生のライブ「THE LAST STATEMENT!!!」が終演しました。アイドル候補生の3人、めでたく全員アイドルデビュー、しかもまさかの876プロ所属となって、おめでとうやらビックリやらなんですが、視聴中ずっと不思議な感覚を感じていて、その辺をちゃんと出力しておいたほうがいいように感じたので今文章を書いています。

今回のライブの感想というより自分語りみたいな話です。


自分のヴイアラへのスタンス

まず最初に断っておきますが自分はヴイアラのプロデューサーではありません。ヴイアラ公式垢はフォローしているし、流れてくる切り抜き動画を見たり、気になった歌枠配信とか見てたりはしてましたが、ものすごく性格が悪いことを言うと彼女たちがアイドルとしてデビュー出来なくても「残念だったね」程度の感情しか抱かない程度の関わりです。彼女たちの配信を見て、時にはアドバイスして、彼女たちの姿を広めるためになにかして来た方達ではありません。

それでも今回彼女たちのライブを見たのは単純に「どんなことやるのか面白そう」だったからです。チケット買うことで彼女たちのアイドルデビューの支援になるとかは関係なく、ただ物見遊山で見に来ました。そんな生き物の書いている文章です。

✘:ライブ ◯:最終審査

というわけで冒頭に述べた「不思議な感覚」ですが、ちゃんと言葉にすると「ライブを見に来たつもりだったがオーディションの最終審査に参加することになった」
という感覚なのだと思います。

今回の公演、上記ポストでも「Va-liv LIVE」と書かれているし、実際に人を集めてお金をとって配信していて、最終審査というような言い方を公式でしていても実質的にはライブなのだろうと思って見に来てたんですが、ダンスパートがはじまったあたりからなんか空気が変わりました。

最初のHELLO!!の時にはそんなに感じなかったですが、宇宙さんのHOTEL MOONSIDEから始まったステージ達からは「私達は見られている」という感情を強く感じました。また、ステージが進むうちに「私達を見せてやる」みたいな感情も混じっていったような気がします。

この辺は自分がダンスよりも歌の方を重視しているオタクであり、ラストブロックがVoパートだったからそう感じた/感じ取れたというのと、ライブ中に最終投票が終わることになっておりそれまでに誰かに投票しないといけないという状況の影響もあるのかもしれませんが、「自分に向けてパフォーマンスを見せている彼女たちに何かしらの評価をしないといけない」、という感覚は今までいろんなライブを見てきた中で初めて感じた感覚でした。

自分は「アイマスの新形式のライブ」を見に来たつもりでした。ですが、今回の公演はそもそも本当にライブだったんでしょうか?いや、ライブはライブです。ちゃんとお金を払う価値のあるパフォーマンスを見せてもらったとは思います。

ですが、あまり知らないグループのライブを見に行った時の「なにを見せてくれるんだろう?」という感覚や、「つまらなかったら切ればいい」という判断をする時の感覚とは違う何かを自分は感じました。

「自分に向けてパフォーマンスしている誰かをアイドルにするかどうかの判断をする」
それはライブではなくてオーディションを審査する人の感覚なのだと思います。

誰かをアイドルにするということ

そんな感じで最初のダンスブロックの途中から「どんなライブか楽しみ!」という感覚から「彼女達のパフォーマンスをどう判断するか?」という感覚になっていたのですが、そこで気づいたのは自分には誰かをアイドルにするための評価基準が無いということでした。

自分はシンデレラガールズの第一回総選挙からアイマスには関わっています。なので「たくさんいるアイドルの中で特に推したい人を選ぶ」ということは10年以上やっています。ミリオンライブやシャイニーカラーズの配役投票等もやってきています。

ですが、そうした投票や判断をする対象の子たちは既にアイドルでした。自分は「アイドルの中から誰かを選ぶ」ということは散々やってきていますが、「まだアイドルじゃない誰かをアイドルにするかどうか選ぶ」ということをやったことがないしそもそも考えたことがありません。今回の公演中にいきなりそんな状況に放り込まれて、彼女たちのパフォーマンスを見ながら、「自分は何を基準に誰かをアイドルにするのか?」ということを考え続けることになりました。

①今までの延長線から
まず、とっかかりとして自分が今までやっていたことを参考にすることにしました。「たくさんいるアイドルの中でこの子が推しだとどう判断しているのか?」。これはもう自分の中で答えがあります。「その子の歩みの行き着く先が見たいから」です。双葉杏の、宮本フレデリカの、ライラさんの、宮尾美也の、大崎甜花の、市川雛菜の、彼女たちの歩む先に出来る世界が見たい。それが自分が彼女たちをたくさんいる魅力的なアイドル達の中で特別だと感じる理由です。歩む先は皆別々ですが、その別々の道の先にある世界の可能性が見たい。それが10年以上アイマスと関わってきた中で得た自分の一つの答えです。

では、その評価基準でヴイアラの子たちを判断すればいいのでしょうか?これはそんな間違ってないような気もするのですが一つ大きな問題がありました。それは「私が彼女たちの歩む先に関する情報をほぼ持っていない」ということです。

多分、彼女達と歩いてきたプロデューサーの人たちなら知っているでしょうが自分はわかっていません。ライブ中に今正に全力でパフォーマンスしている彼女たちから目を逸らして調べるわけにもいきません。ライブ中の演出でなんとなく何かを感じ取れるような動きはありましたが、それだけだと情報不足です。

②パフォーマンススキルから
そんなわけで今までやっている背景情報を基準にした判断は使えそうになかったので、別の基準を考える必要がありましたが次に思いついたのが「パフォーマンススキル」で判断するというものです。

考えてみれば今回のライブの構成、Vo,Da,Viの能力を見せるという構成になっています。最初からそういう技術力で判断をすればいい想定なのでしょう。彼女たちの歌唱力、ダンススキル、見た目、そうした面で彼女達をアイドルにするかどうか判断すればいいんです。

が、ここでも問題がありました。

今回のライブ、オリジナル曲1曲を除いて基本は他の事務所のアイドル達の曲のカバーです。最終審査なのですから、これが課題曲ということなのでしょう。パフォーマンススキルで判断するとなると、この課題曲に対するパフォーマンスの良し悪しで判断をすることになるのですが、

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M1 "HELLO!!" / Dearly Stars
M2 Hotel Moonside(Extended Live Version) / 速水奏
M3 Emergence Vibe / 島原エレナ・星井美希
M4 We're the one / C.FIRST
M5 OH MY GOD/SHHis
M6 純情Midnight伝説 / 炎陣
M7 太陽キッス / 放課後クライマックスガールズ
M8 シャイノグラフィ / シャイニーカラーズ
M9 電波感傷 / オフィウクス
M10 餞の鳥 / D/Zeal
M11 SINGMYSONG / 最上静香
M12 眠り姫 / 如月千早
M13 always / 高垣楓・本田未央・藤原肇・荒木比奈・喜多見柚
M14 リローディング / va-liv
M15 GR@TITUDE / Project LUMINOUS
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公式の告知ポストより

・・・いや、オリジナルの人たちが強すぎる。

普通のオーディションとかなら色々な人の中から一番いい人を選ぶとかあるのでしょうけど、他のアイドル候補生を知らない中、評価基準になるのが同じ曲を歌ったオリジナル・メンバーになるわけですが、みんな最高峰の伝説といっていいステージをやった人達じゃないですか。しかもユニット歌唱をソロ歌唱と比較することになるし、ほとんどの曲は1年目のアイドルじゃなくてある程度成長した状態のアイドル達のパフォーマンスだったりで、これは流石に比較の分が悪い。

ヴィアラの3人のパフォーマンス力が高いことは知ってはいても、比較対象のアイドル/ユニットのために作られた専用曲で比較して評価するのは流石にだいぶ厳しいです。本当のプロの審査する人なら、その中でも地の能力を見極めることも出来るんでしょうけど、少なくとも自分はそんなことは出来ません。せめて初期765曲とかなら「誰かのための曲」ではないから比べやすいですがそうじゃないし。

③自分を見せるということ
そんなわけで「いっそ誰にも投票しない」という選択もありかと思っていました。

ただ、ちょっと思ったことがあります。

普段の可愛らしい声を感じさせない「We're the one」、これまでの活動の中で得た繋がりを広げた「太陽キッス」、シンデレラガールズにとって強い意味のある「always」を歌唱楽曲として選んできて、噛みつくようなパフォーマンスをして個人的に一番これまでの印象が変わった愛夏さん。

トップバッターでバチバチダンス披露して、絵を描けるというスキルを活用してMVを作って、なにか並々ならぬ執念で「眠り姫」を歌って(リベンジらしいんですが自分はそのエピソード把握してない)、色んな強さを見せた宇宙さん。

二人に比べて器用な見せ方は不得意そうだったけど「SINGMYSONG」で強烈な歌声で「歌は自分にとって特別」という想いを元歌唱の最上静香とは違う歌い方で見せつけてきたレトラさん。

三人ともスゴイんです。

「自分を審査される」ということはなかなか怖いものです。しかも大勢の前で、顔を合わせたこともない人に審査されるとなると自分には無理です。

けど彼女達は自分を見せた。あまり彼女達の背景をわかっていない自分なんかにも何かを感じさせるぐらい、自分の何を見せるか考えた末の見せ方をしたと思います。

「スゴイ」と思いました。

誰かが言ってました。「アイドルになるということはそのすべてを人に評価されるということ」だと。その言葉の意味を自分はまだ咀嚼出来ていませんが、少しわかったような気がします。

彼女達がアイドルになったらどうなるかはわかりません。どんな道を歩むのかも自分にはまだ見えていません。その歩みの先がどんなものなのかはわかりませんし、その道を自分が見たいと思うかもわかりません。

ただ、彼女達が「誰かのための曲」ではなくて、「自分のための曲」を歌う姿を見たいと思いました。

終わりに

「誰かをアイドルにするということ」

その行為に対する自分の中の判断基準は今回のライブ中には流石に出来ませんでした。というかアホなのでなんの心構えもなかったので無理です。その問に対する自分なりの答えはこれからまた考えていくことになるのだと思います。

ただ、今回のライブのヴイアライブの3人の姿は、色々今まで考えたことの無い視点を自分に見せてくれたと思います。

彼女達との接し方のスタンスは多分これからも「その子の歩みの行き着く先が見たい」と思うまでは変わらないと思いますが、それでもアイドルになった彼女達が次に見かけたときにどんな姿を見せてくれるのかは気になっています。

最後のMCで宇宙さんが言ってたと思いますが「ここからが始まり」なわけだし。

愛夏さん、宇宙さん、レトラさん、アイドルデビューおめでとうございます!願わくばまた自分の世界を広げてくれることを願っています。


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