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【駄文妄想】ミリ女世界の美奈子お姉様の3年間

◼️注意◼️
・聖ミリオン女学園 あなたへの花束のネタバレを含みます。
・本当に駄文です。捏造設定満載です。
・人を心理的に追い詰めたりする様な表現があります。

あれだけ仲良かった美奈子さんと紬さんなのに、紬さんが美奈子さんの面会を断るのってなんで?というあたりから妄想した美奈子お姉様の3年間の妄想。ミリ女CDにドラマパートあることを期待してたけど無かったので垂れ流します。


妄想に至った理由:
①あれだけ仲良かった美奈子と紬が、紬が面会を断るような関係になるのなんで?
②あれだけの執着をしていたミス・アルメリアがOGになった後にアルメリア姉妹に会って無さそうなのはなんで?
③そもそも紬はなんで倒れたの?
④「被害者のような顔をして」って何があったの?
⑤恵美お姉様めちゃくちゃカッコ良くて好き。何があればあんな恵美になるんだろう?
⑥先代邪悪過ぎでは?
あたりから自分の中である程度辻褄が合う物語が構築されました。


①1年目(入学〜出会い〜先代の策謀)

・入学。紬さんと知り合いとても好きになる。
・紬さんといつも一緒にいる。紬の特別になりたい。紬に目を向けて貰いたいと思うようになる。
・ミス・アルメリアに紬が憧れる。姉妹になりたいと発言する紬になんかもやっとして「私も立候補する」と言ってしまい後悔する。
・ミス・アルメリアの元に紬と一緒に通う。憧れで顔を紅潮している紬を横目で見ながら「その目を私にも向けて欲しい」と想いを募らせる。そんな美奈子を猛禽類のような目で見つめる先代ミス・アルメリア。

・妹に選ばれ憧れの籠った目でミス・アルメリアを見つめる紬と一緒にいるのが辛くなり、少し距離を置く美奈子。そうして二人っきりになった先代と紬だが、先代は少しずつ「毒」を紬に盛る。
・先代に盛られた「毒」で徐々に心と身体の調子を崩していく紬。美奈子に対する親愛の情で必死に先代が漏らしたことを否定していたが、美奈子が先代に抱きつく場面を見てしまい、一気に「毒」が回り倒れてしまう。
・病院で検査の結果、原因不明の病で入院が必要で数年は退院出来ないと言われる。お見舞いに来る先代。紬は体調悪い中でも喜ぶが、先代は継承者の紬が倒れたからミス・アルメリアは継がれることなく自分の代で終わりと嘆く。紬はアルミリアが自分のせいで途切れるのは耐えられなくて、自分との姉妹関係を解いて別の人を妹にして欲しいと先代に請う。紬に見えないように嗤う先代。
・「辛い選択をした紬さんの気持ちを尊重する」と言いながら、明言はしないが美奈子を妹にすることを仄めかす。紬は美奈子が先代に抱きつく場面をフラッシュバックしてしまい急速に体調が悪化し倒れ、ロクに別れを伝えることも出来ずに先代と紬の最後の会話が終わる。

・紬が倒れた当日に先代がお見舞いに行くことを聞いていたため、「紬さんはミス・アルメリアと二人っきりの方が元気になるだろう」と考え会いに行きたい気持ちを必死に我慢していた美奈子。翌日すぐお見舞いに行くが、先代が盛り続けた「毒」が完全に回り切った紬に拒絶され、面会することも出来ず帰ることになる。身に覚えなく拒絶されたことにショックを感じつつも、同時に「…これで紬さんは誰の妹にもなれない」と安堵する。そんな自分の汚い感情に強烈な罪悪感を抱く。
・例のイベントコミュの先代との会話。紬に拒絶された心の空白、紬が誰かの物にならないことに安堵してしまった罪悪感、そして「紬の特別になれる」という仄暗く甘美な願望を突かれ、先代と姉妹になることを承諾する美奈子。

・数日後、再度また紬のお見舞いに行く美奈子。先代と会った直後には美奈子を拒絶した紬だったが、時間と共に美奈子との友情も思い出して頭も冷え、先日の非礼を詫びながら美奈子と面会をするが、そこで美奈子から先代と姉妹になったことを聞かされる。

予想はしていた。分かっていた。もうそれは仕方ないと思って、少なくとも表面では美奈子を祝福しようとしていた。

けど、美奈子が、自分がずっと願っていたものを、それを手放すことに耐えがたい痛苦をもたらしたものを、今の自分がどれほど欲しくても手に入らないものを、「ミス・アルメリアの姉妹になれる」という自分にとっての輝かしい宝石を、

申し訳なさそうに、本当は願ってないのに手に入ってしまったかとでもいうように、まるで「貴女の宝物なんて私にとって無価値だ」とでも言うかのように、謝りながら「ミス・アルメリアの姉妹になった」ことを報告してきて、

激昂する。


・美奈子にとって「紬さん」は優しい少女だった。素直じゃないし意地っ張りなところはあっても、清廉な光のような少女だと思っていた。

その紬さんが、自分に向けて汚い感情を剥き出しにして罵倒してきている。

そんな紬を見ながら
「あぁ………『お姉様』の言った通りだ…」
と思ってしまう。

あの紬さんが、あの優しい紬さんが、口汚く親友であったはずの私を罵ってくるなんて…私は紬さんの「特別」になれたんだと。申し訳なさそうな顔の裏で歓喜に震える。


・紬に再び拒絶され、病院を出る美奈子。それを待っていた先代。

先代は優しい声で「どうだったか」を聞く。
美奈子は弾む声で「仰ってた通りになりました」と報告する。

その返答を聞いて、心から嬉しそうに先代は笑い、それでも紬に嫌われて辛かっただろうからと何か美味しいものを食べようと美奈子を食事に誘う。

それに笑顔で「はい。『お姉様』」と答える美奈子と、二人が仲良さそうに病院から去る光景を病室からこの世の終わりのような顔で見つめる紬。

なおこの日を最後に(紬は仄かに願い続けていたが)、先代ミス・アルメリアは二度と紬が入院していた病院の敷地には現れなかった。

②1年目(先代との姉妹関係)

・アルメリア姉妹として表面上は普通の仲睦まじい姉妹のように1年を過ごす先代と美奈子。

しかし、人目が無い場所では、先代は美奈子を「あの子」の名前で呼び、美奈子が「あの子」とズレた行動をすれば容赦なく折檻を加える歪な関係だった。「あの子」が得意だった植物の世話の作法を仕込み、「あの子」と同じ服を着せて、ただ自分の悦びのために美奈子を弄んでいた。

美奈子はたびたび疑問を感じたが、その度に紬とのことに言及され、「紬と特別な関係にしてくれた『お姉様』が言うなら正しいことなのだろう」と思わされてしまっていた。

また偶に先代は「紬さん」に扮することがあり、「紬さん」に似た声色で、「紬さん」と同じ匂いで、「紬さん」が言ってくれない言葉で美奈子に接することがあり、そんなこんなで感情をぐちゃぐちゃにされた美奈子は先代に逆らえず、従順に従うようになっていった。

その姿を周りに「美奈子ちゃんは優しいから、自分より他人を優先する」と評される。

・だが先代の卒業があともうすぐというタイミングで突然先代は美奈子に対しての興味を無くす。それまでの数か月が無かったかのように「やはり貴女ではあの子の替わりにはならない」と言われ、途方にくれる美奈子。

ピンキーリングの継承も行わないような話になり、美奈子自身は正直それでもよかったのだが、「紬が欲しがっていたものが失われてしまう」ということが耐えられず、先代に継承させて欲しいと頭を下げて懇願する。その姿を無様と吐き捨て、「こんなもの何の価値もないからそんなに言うならあげるわ」と床に投げ捨てる。それを慌てた様子で拾う美奈子の姿を見て完全に美奈子に興味を無くし、その後人前以外で二人が会話することは無かった。

③2年目(恵美との出会い)

・ミス・アルメリアになり2年を迎えた美奈子。親友も曲がりなりにもいた姉もいなくなった身では、他のクラスメイトがそれぞれの姉と仲睦まじく過ごしているのを見ると居たたまれなくなり、人を避けるためにあまり良い思い出の無い温室に足を運びがちになる。

そこで庭の手入れをしながら自分は妹は作らず、このまま一人で紬さんが退院する日を待とうと色々なものを諦めながら過ごす。

誰もいない温室でただ一人、「紬さんの目の前でミス・アルメリアのピンキーリングを捨てる」ことで更に特別な関係になることを妄想し暗い悦びに微笑む美奈子は、まさしく「先代ミス・アルメリアの継承者」だった。

そんな日々の中で恵美と出会う。

・最初は恵美に対して特に興味もなかった。けど恵美の笑顔の裏の感情に気付いて、そこに自分と同じものを見てしまい、放っておけなくてつい手助けをしてして、それをきっかけに恵美に懐かれるようになる。

他の人の前では姉御肌であっけらかんと笑う恵美だが、美奈子と話をする際には年相応の少女のように不満を言ったり弱さを吐き出してくるようになる。そんな姿が愛しくて、恵美と一緒に居る時には紬さんのいない苦痛も忘れて「楽しい」と感じる美奈子。

けどそんな感情は紬さんへの裏切りのような気がして、恵美の「妹になりたい」という願いを分かっていながらも、のらりくらりとそういう話題にならないように気をつけながら過ごす。

・だがある日、恵美に姉妹になりたいとハッキリと告白される。その気持ちを嬉しいと思いつつも、紬さんの顔が浮かびなかなかそれを受け入れられず「時間を頂戴」と答える美奈子。その答えを聞いて一瞬悲しそうな顔をする恵美だったが、軽く首を振った後に笑顔で「待ってますから」と答える。

恵美がいなくなった後、美奈子は一人温室で思案にくれる。恵美ちゃんの気持ちは嬉しい。嬉しいけど自分のような偽物のミス・アルメリアの妹にしてしまうことが本当に良いのか?恵美ちゃんみたいな子にはもっと良い姉がついた方が良いのでは?それに、紬さんが今でも辛い思いをしているのに、自分だけ楽しい思いをして、それで本当に良いのだろうか?

………駄目に決まっている。恵美ちゃんのためにも断ろうと決める。

・自分の答えを伝えるために恵美のクラスに向う美奈子。答えた後にはもうあの楽しかった時間は帰ってこないことに痛みを感じるが、それがお互いにとって最善であると自分に言い聞かせながら歩みを進める。そして教室の手間に着いたあたりで何か騒ぎが起きていることに気付く。

教室を覗くと恵美が教師と口論している姿を目にする。恵美はクラスメイトのために怒っていた。教師がクラスメイトの家庭の問題を揶揄したことが許せず、それを指摘しても教師がめんどくさそうに応対しかしないことでヒートアップしているようだった。しかし、更によく見ると恵美のクラスメイト達が恵美のことを遠巻きにわずかに侮蔑しているような眼で見ていることに気付く。

本来導く立場にいるはずの教師も、恵美が大切にしているクラスメイト達も味方をしてくれず、そしてふとした表情から恵美自身もその状況に気付いていることが分かってしまった。それに気づいた瞬間、身体が勝手に動いて恵美と教師の間に割って入っていた。


突然の闖入者にざわつく教室。恵美は美奈子にあまり見られたくない姿を見せてしまったことに気付いて顔を背け、教師の方も先代に弱みを握られていたことからミス・アルメリアを継承している美奈子の出現に慌てていた。美奈子はまず恵美に「ここは任せて」と伝えた後、教師に向き直る。教師は警戒心から「部外者は口を挟むな」と釘を指してくるが、それに対して「恵美ちゃんは私の妹なので部外者ではありません」と返す。そして先代から聞いていた弱みをちらつかせつつ場を収める。

・なんとか場を収め教師も去った後、美奈子の妹発言以降ぽかんとした表情の恵美に向き直り、場所を移す。いつもの温室に着いたのち恵美は「場を収めるための方便ですよね?私分かってますから」と美奈子に言う。

恵美は美奈子の葛藤にも、恐らく断られるだろうことにも気づいていた。だから美奈子の発言はただの方便だと結論した。けど美奈子は首を振る。方便ではなく、それが前に答えられなかったことへの答えだと。

ボロ泣きしながら美奈子と姉妹になれて嬉しいと嗚咽交じりに言う恵美。そんな恵美に「私もだよ」と答えつつ、「恵美ちゃんは私のようにはさせない」と静かに決意する美奈子。

④3年目(桃子と紬と卒業と)

・恵美と姉妹になった後はただただ楽しい日々が過ぎる。少し暴走気味な恵美をサポートしつつ、まっすぐに、強く、思慮深く成長する姿を見守って過ごし、姉妹がいないことによる疎外感から少し交流を避けがちだったクラスメイト達ともまた遊ぶようになった。

更に月日は流れ、美奈子は3年になる。2年になった恵美が「なんか放っておけない」という理由で連れてきた桃子に紬と似たような部分を感じてますます「やっぱり恵美ちゃんは私の妹なんだなぁ」と感じたり、桃子を妹にしたいと相談してきた恵美の輝く目を見ながら「もう恵美ちゃんは大丈夫」と心から嬉しく思ったり、楽しくて、健やかで、ただただ幸せな時間を過ごす。

けどそんな幸せな日々の中、いや、そんな幸せな日々の中だからこそ、じわり、じわりと心に影が落ちる。「紬さんを差し置いて私がこんなに幸せでいいんだろうか?」と。

・紬が復学してくる。何が起きたかはコミュ通り。美奈子はミス・アルメリアではなくなり、でも恵美と桃子とは姉妹に戻って、そして、紬とも文句を言われ続けつつもまた話が出来るようになった。めでたし。めでたし。

・夢のような日々を過ごす。4人でご飯を食べたり、海に遊びに行ったり、紅葉を見ながら紬さんと二人でまた昔のように笑ったり、晴れ着ではしゃぐ可愛い妹達の成長を見守ったり。けど、もう一緒に過ごせる時間は僅かしかなかった。

・バレンタイン。これまでの感謝を込めて美奈子はチョコを作る。友達へ、妹達へ、色々あったし渡すこともないけど先代へ、そして紬さんへ。

紬さんへのチョコにはちょっとだけ特別な気持ちを込めた。もう紬さんの特別でなくても良いと思えるようにはなったけど、それでも自分にとっては紬さんは特別だから。

チョコを手渡す時、手が震えた。
そんな姿に違和感を覚えたのか紬が美奈子に問う。
「ずっと気になっていたが、あなたは私に何か言いたいことがあるんじゃないか?」と。

それに
「………何もないよ」
と答える美奈子。


・卒業の日、立派に副生徒会長としての務めをこなした恵美に誘われて最後の時間を過ごす。姉妹になって以降、恵美はまったく泣かなくなったのに、姉妹になった時のように恵美はボロボロに泣いてしまい、美奈子の涙腺も決壊する。涙が二人とも止められなくて、ダンスも切り上げ感謝を伝え合いながら最後の時を過ごす。こんな風に学園最後の時間が終わるのかと思った美奈子だったが、しばらくしてから泣き止んだ恵美に「美奈子お姉様にはもう一人会わなきゃいけない人がいますよね?」と言われ、アルメリアの温室に向うよう背中を押される。

・温室には紬が居た。
けどお互い何も言えず沈黙してしまう。

最初に口を開いたのは紬で、姉妹にとって大切なこの日に、姉妹でもない自分なんかに会いに来て、しかも喋らずに無駄に時間を浪費するなんて、本当に腹が立つ人ですね。と攻められる。

美奈子は謝るが、紬はそれを聞いてくすくすと笑い、こういうやりとりももう出来なくなるんですねと寂しそうな顔をする。

そして、今でも紬は美奈子がアルメリアを継承したことを恨んでいると語る。自分が誰よりも憧れた先代を奪われ、その先代から継いだものをあっさりと手放して、美奈子への怒りは今でも続いていると。

それを聞いて顔を伏せる美奈子だが、その美奈子に紬は笑顔で告げる。

「私は永遠にあなたを恨み続けます。あなたが卒業しても、私が卒業しても、これから先に何があったとしてもあなたが私の大切なものを奪ったことを絶対に忘れません。そのことをあなたも忘れないでください」と。

それは、先代に唆された美奈子が紬がいない間に望み続けていた終わりの会話に近い言葉だった。けど違う点が2つ。

1つは伝えてきた紬の表情が言葉と裏腹に笑顔だったこと。そしてもう1つは「美奈子を永遠に恨んでいる自分がいることを忘れるな」と紬が求めてきたこと。

それは呪いのような言葉だったけれども、紬の表情から、そんな呪いを、自分の妄執を、紬が肯定してくれたように感じられて、嬉しくて、溢れて、子供のように泣きじゃくってしまう。

そんな美奈子に紬は寄り添い、何も語らずたた泣き止むのを待って、最後に手を握って別離を告げる。


~Fin~

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