世論調査

選挙が近づくと我が家には休日の昼過ぎに電話のベルがよく鳴る。決まってメディアの世論調査だ。

「無作為に抽出した云々」とは言うのだけど、それにしてはよく抽出されるものだと思う。その理由は想像がつく、毎回律儀に回答してあげるからだ。あのシステムは得意客のリストを持っているのだ。そういえば、アンケート電話の数日前には、これも必ずといっていいほど一回だけ電話のベルがなる、いわゆる「ワン切り」がある。あれはおそらく、この上顧客の電話番号がまだ使われているかどうかを確認するためのプローブなのだと思う。

無作為な電話アンケートとはいえ、業者からすればこれも仕事て、一定時間内に有効回答を決められた数以上は集めなければいけないのだから、やはり見込みのあるところにかかってくるのは無理もない。

今回は、共同・読売・日経・毎日(だったか)の4社から電話があった。アンケートの内容はいたって簡単で、年齢性別、選挙への関心の有無、支持政党、投票意思の有無、投票先などとなる。国政選挙の場合は選挙区と比例それぞれに質問がある。電話機のプッシュボタンで選択肢に回答するだけで数分もかからない。

あれは実のところ、非常によく事実を捉えているらしい。世論調査としては無類の信頼性があるようだ。東京都知事選挙においてメディアは蓮舫候補に無関心な塩対応だったのは事前調査に基づくものだし、今回の自民党単独過半数割れ報道もそうだ。開票速報特番の開始直後8時の「ゼロ打ち」という無粋な演出があるが、あれも事前調査の信頼性あればのことだ、長年の選挙関連報道において最も進化したのはこの電話調査だろう。中身は旧態依然とした太鼓持ちメディアなのが悲しいところだ。

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