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TSLA@状況整理と業界分析 #2 記事無料

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 TSLA個別の企業分析ではなく、TSLAが置かれている状況についてまとめます。個別の事業も重要ですが、TSLAの場合は周辺状況を常にウォッチしていく方も大事かと。
環境規制や業界の状況はもの凄いスピードでコロコロ変わっていきます故。
この辺の見通しが理解できるようになると、競合に対するTSLAの立ち位置や、TSLAの戦略なんかも朧げに透けて見えるようになってくると思います。
また、前回の状況まとめは、半分メモ程度で書き留めた内容になるので、結構乱雑です。もう少し情報をトリムする必要があったのと、自動車業界の動向、主によく知られていないと思われるトラック業界の分析が必要だと思ったので書き加えました。
まずは、先週、今週に渡ってTSLAにとって追い風&逆風、両方のニュースが出て来きましたのでその辺からアップデートです。

*** New Updated ***
①欧州CAFE規制:欧州HONDAがTSLAのカーボンクレジット購入
②中国において「モデルS」と「モデルX」の輸入車約3万台をリコール(無料の回収・修理)する。サスペンションに問題→影響度は不明

③中国NEV発展計画を発表、25年に新車の20%へ
→2025年までに新エネ車新車販売台数が新車販売全体に占める割合を20%前後にするとした。具体的には、2020年断面の中国におけるEVシェアは3%であるものの、2030年までに8倍の18%にまで増加させる方針。
④再生可能エネルギー企業の仏エネオンはTSLAと提携し、オーストラリアで世界最大級のリチウムイオン蓄電システムを新たに設置。
→インフラ事業への本格参入も視野か?


(メモ)
 中国は世界の自動車販売数で最も大きい市場であり、今後もその市場の立ち位置は変わらない公算が大きいです。2020年4月時点での中国EV市場におけるTslaのシェアは25%を占めており現状はTSLAが優勢なものの、EVスタートアップである、上海蔚来汽車(NIO)、理想汽車(Li Auto)、小鵬汽車(Xpeng Motors)こういった企業が猛追を仕掛けてます。
もちろんこれは中国政府主導のEV補助金の影響が大きいです。EV新興メーカーはこの補助金による支援を受け、積極的な開発や設備投資を進めており急速な成長、拡大を続けています。今後、TSLAと同じような自動運転ソフトウェア/ガジェットサービス・価格を提供できるまでに力を付けてくると、かなり脅威になってくるので要チェックですね。

 それでは以降からTSLAの置かれている状況についてまとめていきます。

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(参考情報)
以下は現在から将来に渡る、各国のCO2排出量規制値の推移です。

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 このCO2規制をどういった前提条件の元で測定し、規制順守を判断するのか?という観点で、測定方法についてもかなり法的に縛られているが、話が細かくなる&本線とは逸脱するので一先ず省略。
ただし測定方法も変更されることがままあります。それによって規制到達の難易度がかなり変わることがあるので、ここも常に要ウォッチ。

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 また比較的忘れ去られやすい、Heavy duty truck(重量級トラック)の業界状況についても補足します。
なぜこのセグメントの商売が重要かというと、乗用車よりもはるかに利益率が高いドル箱カテゴリーだからです。TSLAもセミトラックという重量級EVトラックの開発が進行中で、2021年中に量産開始される予定とのこと。
元々2019年って言ってたのがズルズル遅れているので、今回もそうならないように期待したい、、、。
 最近はこの重量級トラックのEV開発競争も水面下で相当激化しており、かなりカオスを極めます。簡単に言うとエンジン技術を持つ既存のメーカーがEV開発に乗り遅れまいと、ありとあらゆる手段で合併、合弁会社を立ち上げており、他社の技術を共用し切り貼りされた製品に仕上がることにも厭わない姿勢で開発に臨んでます。とにかく、開発効率/スピード重視の戦略です。
まさに今、生き残りを掛けた死闘が繰り広げられてます


 以下に、世界No1シェアを誇る、Daimlar truckと世界No2シェアを誇るVolvo truckが水素燃料電池の合弁会社を立ち上げる例や、日野トラックとBYD(比亜迪汽車工業)の合弁会社(EVトラック)、日野トラックとトヨタの燃料電池車(FCV)の共同開発などの例を挙げます(他にも沢山あるので一例だけに留めておきます)。
補足すると、日野トラックはEV車両開発のプラットフォームはVolkswagen社と共通化を図るなど、とにかく徹底した開発効率化を極めてます。
一刻も早く量産車を立ち上げるために、、、

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 既存トラックメーカーがここまで目くじら立てて開発を急ぐのには理由があります。EV専業に特化したトラックメーカーが筆頭しているからです。
最新の重量級トラックの開発スケジュールをまとめると、最も最初に量産車が立ち上がるのはTSLAの可能性が高くなってきました。
これは既存メーカーにとってはシェアを逸脱する可能性があることから、かなりの脅威です。

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また上記表を見ていただければわかる通り、重量級トラックの方はEVよりも燃料電池車(FCV)の方がメインシナリオになってます(今のところ)。
これは航続距離、積載性、エネルギー充填時間を鑑みて、燃料電池の方が優位だととの見解が多いためです。そもそも重量級トラックは大陸間を横断するような長距離を走ることが前提となりますので、アメリカのような広大な荒野で万が一バッテリーが切れた、なんてなるとドライバー死にます。
しかもトラックのような重量のある車体を動かすためにはそれなり動力源、つまり大量のバッテリーを積まないといけません。バッテリーを沢山積んだ分、バッテリーがスペースを占有して相対的に積載量が減るのはビジネス効率が悪いですよね。
またトラックドライバーは忙しいです。バッテリーだと充電時間がかかりますが、水素燃料なら3分で燃料補給ができます。
それらの意味から水素燃料電池の方が優位と見られてます。
ただし、EVとFCV、どちらが覇権を握るかはまだ決定してません。このカギを握るのがコア技術であるバッテリー性能の一択になってくると思いますが、この辺の開発動向についても常に追っていきたいと思います。

ちなみに、TSLAのセミトラックはいくつかの企業から既に予約が入る報道もあり、既にバックオーダーを抱えている状況です。

最後に、EVピックアップトラックの開発マイルストーンも簡単にアップデートしておきます。トップランナーはLose Town motorのEnduranceの可能性が高いです。早ければ2021年の1Qから生産を始めるとのこと。
その次の二番手がTSLA Cyber Truckですね。

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さらにTSLAに関して、FANGMAN丸さん、アキ45さん、じょーさんと議論したTwitterの内容もかなり良スレなので、ご興味あればそちらもご参照ください。なお中国市場のまとめは下記議論から抜粋した内容も一部含ませていただきました。


最後までお読みいただきありがとうございました🐹🐹
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