テレビ大陸音頭・spoilman

テレビ大陸音頭とかいう高校生のバンド、ロックが弱小化してポストパンクバンドなんか随分少なくなり、その上それを高校生がやってるということで、ニュースにも出てかなり人気のようだ。

彼らの音楽は影響元から少しも進化がないどころか、レベルが下がっただけのものだ。
文字通り過去の焼き増しで、高校生だから話題になっている以上のことはなく、むしろ高校生にして既にギャグバンド堕ちとは、見ていて虚しくて仕方ない。
ギターは今どきAIの方がもうちょっとマシなもんを捻り出すんじゃないかというレベルで安直、単純かつ退屈、一辺倒。
そしてあのバンドには他に何の特徴も無いにも関わらず、黙ってギターを弾いていた方がバンドのためになるであろうボーカルが俺を罵詈雑言に駆り立てた。

ロックカルチャーに不愉快でないところは1つもないが、1番気色悪いのはこぞって狂気を崇拝することだ。
(ピンク・フロイドのことでは無い。)

テレビのボーカルみたいな、キチガイの真似して変な格好して叫んでるだけのキワモノ風を今まで何人見てきた?
最悪なのは、(ラヴソングでないこと以外)完全に没個性であって、音楽的にも詩的にも作品に何の価値も付加していないこと。
インストバンドをバックにつまらない奴が何やらそれらしい事を叫んでいるだけ、何の面白みもない音楽をいきなり不愉快な音楽に差し替えることに成功した。

狂気が転じて芸術となった稀有な例を見てか、履き違えたオリジナリティを主張するためか、あるいはバッドトリップを得意気に語るヤンキーと同程度の知性しかないのか、狂人を演じるバンドマンは多いが実際は芸術の領域に少しも届かず皆ステレオタイプになる。
そんなに狂ったのがカッコイイなら、創価学会と統一教会と幸福の科学に同時に入信して頭にアルミホイルでも巻いておけばいい。
ネコの死骸をばらまいて、重機を乗り回して、爆弾を持ち込んでも結局のところハナタラシのライブで死人は出なかった。
ああいう連中の言う狂気というのは、教室で下ネタを叫んで女の方をチラチラ見てる中学生の粋がりと同列、程度の低い悪ノリでしかない。
ニュースに取り上げられた映像を見る限り、テレビ大陸音頭の連中はそういう寒いノリをまだ擦るつもりのようだ。(遥かに低いレベルで)
そうやって懐古主義のオッサンを喜ばせる。

狂気が芸術を生むのは、単に誰しも生まれ持っているようなズレがありのまま表出する時であって、ああいうわざとらしいのは単なる見世物だ。


過去の焼き増しというのは、例えばinuを知ってるような人らの多くが思ったことだろう。
だったらなんで、音楽を知っている人間にまで彼らを「新星現る」みたいに扱ってる奴がいるのか。
言うまでもないが、それは彼ら「マシ」だからだ。

あの夏の熱狂、一体感(観客の一体感って一体何なの、聞く度に笑っちまう)が忘れられないロック老害は、あの頃のバンドには少しもかなわないにしろ、陶酔に浸る分には十分なテレビ大陸音頭に目をつけた。
しかしどうだ。
「あぶらだこもフリクションもいないから、仕方なく今のバンドの中では一番マシなテレビ大陸音頭を聴くか」
こんな思考を正気を保ってやってのける人間は存在しない。
「俺の彼女は不細工で、本当はクラスのマドンナがいいけど、仕方ない、俺が付き合えるこいつで我慢しよう」
こちらも同様だ。
しかし、ブスと付き合いながら
「俺の彼女は可愛いんだ‼️好きな人の体が1番エロい‼️」
こういうのはたくさんいた。
「俺は性格で付き合う人を決めるんだ」
本当にそう思ってたら男と付き合うだろうが、こちらも何十回と見たことがある。

(ゲイカップルは明らかに少ない。)

とすると
「テレビ大陸音頭、めちゃくちゃかっけえ‼️やっとポストパンクの遺伝子を継いだ本物のバンドが出てきたんだ‼️狂っててカッコイイ‼️」
自己催眠

ネットニュースによると、「俺に真実を教えてくれ」はオリジナル曲が少なく焦りを感じていた時期に生まれた曲だとか何とか。
音楽を作るようなことをやった事があるならオリジナル曲が少ない、名曲を作れない焦りというのがどういうものか、嫌という程分かるはず。

ここで、spoilmanというバンドを槍玉に上げよう。(槍玉に上げる。)
こちらもテレビ大陸音頭同様、「マシ」なだけで人気を集めているバンドだが、彼らは一年の間に3枚もアルバムを出したようだ。
少し聞いてみたが、マシというにもお粗末な内容だった。
shellacとjesus lizardの、模倣というにも物足りない、低クオリティなコスプレバンドと言ったところだ。

(ここで言うコスプレとは、深爪の醜い顔をした女がアニメのキャラクターを模した服を着てTwitterで相互フォローの同様のアニメオタクとお世辞を言い合うことだ。)

曲をたくさん録音するのがエラいとでも思ってるのか知らないが、タッチアンドゴー界隈のバンドが好むような音階を、なんの工夫も吟味もなく単音で弾くだけの曲がいくつあっても同じことだ。
あのカシマとかいう男は一体何を考えて、何一つ特別なところの無いリフを曲にするのか、ギャグセンスの乏しいドラムは今幾つなのか分からないがまだ上裸になることが面白いと思っているようだ。

見ていて非常に恥ずかしい。jesus lizardが超メジャーになった世界線のフリーbgmはきっとあんな感じだろう。それほどまでに味気ない。
明らかに自覚しながら捨て曲を録音している。
ロックバンドとして体裁を成すために良くないフレーズを繋げて曲を作り、アルバムに収録する。

実際、それは多くのバンドに言えることかもしれない、良いバンドでも多かれ少なかれ。
誰しも最初は、本当に自分が納得の行く曲だけを作ろうとするはずだが、当然そういう曲は1つ作るのもまったく容易でなく頭を抱えているうちに、自分の大好きなバンドのアルバムにも"明らかな"捨て曲があることに目をつける。
それを正当化の根拠にして、自分でも微妙だと思っている曲を妥協で演奏するのか、たった4曲で活動したガセネタに倣って本当に良い曲だけを作るために悶々し続けるのか。
spoilmanは前者だ。そして比較的「マシ」ということで局所的に評価を得てしまったため、自己正当化、自信過剰をより1層厚くしていることだろう。音楽を始めた頃に志したような名曲を生み出すことは1度もなく、捨て曲だけを作り続ける。

テレビ大陸音頭もまた、その"焦り"に耐えきれず、少しもいいところのない曲を自信満々で披露することにした。
期待以上の評価が得られたので、自分自身に対する誤魔化しとか虚勢とかいうものが徐々にボヤけてきて、本当に良い音楽を作ってるつもりになっているだろう。
硬派に音楽を続けていればいい曲ができたかもしれないが、今の彼らには関係の無い話だ。

ところで人類が少しずつ賢明になってきたプロセスの1つに、因習を否定するということがある。
夏に部活で水を飲まないと言った小さな事から、差別的制度、あるいは纏足など、愚かな因習が次々否定されてきた中で、作曲に対する黙認された妥協もまた、先人から受け継ぐことなく否定されるべきだろう。

仕事でやってるならそうするしかないとしても、日本でバンドは食い扶持にならない。
だからこそもっと妥協せず趣味的に突き詰めるべきだとは思わないのか。
そうやって乏しさ、拙さを逆手に取って利用した人間が、アンダーグラウンドの音楽を作ってきた。
【テレビ】とか【大陸】とか言ってるクセに、先人から学ぶことは出来ない。

所詮カルチャーに迎合するだけの音楽だ。
そういう芸術を貶めようとするものは、文字通り糞尿より価値がない。
ライヴハウスに入り浸っているような人間が、シグネチャーモデルを使う奴とか、ロックカルチャーに肩まで浸かることに生ぬるい快楽を見出した奴とか、ライヴシーンに関わりを持つことをアイデンティティにしてる奴とか、そういうので構成されているなら、【ロックは死んだ】がそのうち冗談ではなくなる。(今のシーンを見る限り、既に死んだとしか言いようがないが。)

それにしても、売れ線でもなく、音楽的に褒められるところもないようなバンドに目をつけて、結果注目を集めることに成功した新人発掘担当はかなりの策士だ。

ではまた ^          ^

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