エジンバラ・フリンジソロ公演2024
資本主義の世の中的には、大失敗でした。
出資してくれたインプレサリオに詐欺罪で告発されてもいいぐらい。
敗因は、「自分の見通しの甘さ」につきる。が〜まるちょば辞めて「1からやり直すぞ!」って意氣込んで乗り込みましたが、「ゼロから」でした。集客に苦しみました。街でチラシ撒きしていて、が〜まるちょばに言及してくれる人は100人に一人ぐらい。まあ、外国の街で通りすがりの人の1%がわかってくれるってすごいことではあるし、その1%の人のほとんどが見にきてくれたのも嬉しかったけど、それでは焼け石に水。劇場を満席にするにはほど遠かった、、、。
やはり、ソロに戻ったケッチの公演なので、が〜まるちょばとは完全に別物、最初から新人の初エジンバラ・フリンジと考えて、すべての作戦を考えるべきだった。初っ端にボタンを掛け違ったまま乗り込んでしまったのでミラクルも起きず、最終日を迎えることになってしまった。
無念。
ここからは、負け惜しみととらえられるかもしれないけど、自分的に収穫は山ほどあった。
まずは、「ゼロから」だったと氣づけたこと。メタ認知能力はある方だと思っていたけど、まだまだ甘かったのを痛感。過去の栄光を引きずって、天狗になっていた自分を完全に客観視できていなかったことに身をもって氣付けたのは、非常に大きな成果。
そして、人の縁。
こういう苦境では、いつも助けてくれているスタッフや家族のありがたさも身に染みた。縁の下の力持ち達に励まされ、とにかくいいショーを1日1日楽しんでやるぞ!と極当たり前のことを再認識して心に誓った。
特に今回、ものすごくありがたかったのは、現地で手を差し伸べてくれた人々。昔からの芸人仲間Witty Lookのチーキー(27年前から知り合い)とダイキさんがボランティアを申し出てくれ、自分たちの本番終わりなのにもかかわらず、ほぼ毎日舞台裏の仕事を手伝ってくれた。半ばWitty Lookに巻き込まれる形ではあったけど、2年前にメルボルンで知り合ったCHINNENもそのシフトに加わって手伝ってくれた。3人ともボランティアですよ!自分たちのライブもあるのに!神様仏様レベル!お支払いしたくてもあの集客状況では「ない袖は振れぬ」ではありましたが、、、。
Witty Lookの二人は、シフトに入っていない時もケッチスケッチの舞台写真の撮影や動画撮影にもきてくれた。しかも、ダイキさんの撮影がうまいこと!今後、みなさんが眼にするエジンバラの写真は©Daikiです。トップの写真もそうです。
さらには、今回、音響さんを日本から連れて行けず、大苦戦していたのですが、Witty Lookのスタッフで英国在住の日本人の音響さん(本業は照明だけど音響もできる)Sさんまで紹介してもらい、格安で請け負ってもらえることになったのです!劇場の音響さんとは時間外に打ち合わせができなかったのですが、Sさんには時間外にも対応してもらえて、本当に助けられました。
20年前に知り合った現地在住のAさんは、友達を取っ替え引っ替え連れて、4回も見にきてくれた!最多観劇賞!!わざわざ仕事終わりで飲みにだけ付き合いに来てくれたり、さらにはホームパーティーまで開いてくださいました。珍しいスコットランド料理や、入手困難なスコッチまで飲み比べさせていただき、感涙。
これまた古くからの友人でスコットランドの海辺の村でカフェをやっているSophieも、カフェを1日休業して福利厚生で従業員のみんなを連れて見にきてくれた。毎回、休みの日にはレンタカー借りてそのカフェに行くのが恒例行事だったのに、今年は休日返上で宣伝せざるをえず、行けなかったのが非常に残念。
お客さんで見にきてくれたエジンバラ大学の学生さんDが、ある日の終演後に「やれることあったら手伝いますよ」と声をかけてくれた。さっそく、これまたボランティアで舞台裏スタッフやチラシ撒きを手伝ってもらった。1度はお願いしていない時間に自らチラシ撒きしてくれてるところに遭遇してグッときた。
Dはフォークミュージックの演奏もしていて、地元のパブで地元の人たちとライブもやっていた。飲みに行って演奏を聞けたのも良い思い出。
宿は、これまた15年前にスタッフをしてもらって以来のご縁のMさんに格安で貸していただき、差し入れをいただいたり、小道具をお借りしたり、最終的にはいらなくなった小道具まで引き取っていただいてお世話になりっぱなしでした。
みなさん、本当にありがとう!!
こうして周りを固めてもらったおかげで、毎日毎日集中して自分のショーを楽しみました。幾多の難関を乗り越え、ケッチスケッチ自体、かなり強靭になりました。(忘備録として、別に書きます)
その甲斐あってか、エジンバラ全体に人が少なくなり、集客に伸び悩むカンパニーが増える後半も、緩くではありますが、集客数は上がっていきました。特に若いクラウン達の間で口コミが広がっているらしく、毎日のように代わるがわる見にきてくれ、嬉しかった〜。ちょっとノリやウケるポイントが一般のお客さんとは違っておもしろかった。帰り際には彼らのほとんどが客席に残っていて話しかけてくれた。もうが〜まるちょばを生で見ていない世代にもまだまだ興味を持ってもらえてる!さらには、が〜まるちょばを知らずにおもしろいと聞いて見にきたら、ぶっ飛んだという若手もいて、ゼロから1への感触も味わえた!そんな若手たちはケッチのワークショップに興味を持ってくれるので、もっと海外でのWSも増やしたいなあと思えた。
お客さん達でも素敵な出会い、再会がたくさんありました!岩手や仙台で見てくれたファミリーが見にきて終演後にビールをご馳走になったり、20年前から見にきてくれてるファミリーが来てくれたり、お弁当の差し入れを頂いたり、素敵な素敵な感想の手紙を頂いたり、枚挙にいとまがありません。みなさん、ありがとうございました〜!
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