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”レンタル”CDはあるのに、 ”レンタル”ゲームソフトは、なぜない?

街中にレンタルを行うCDやDVD、漫画などはあり、利用した人も多いかと思いますが、不思議にもゲームソフトをレンタルするお店は見たことがありません。これは著作権の性質が関係しています。

著作権は細かくいうと、性質の違う小著作権(支分権)からなります。これを「権利の束」といいます。
支分権は、主に複製権・上映権・展示権・頒布権・譲渡権・貸与権
・二次的著作物の創作権・二次的著作物の利用権などがあり、それぞれの権利は個別に取引が可能です。
つまり、著作権者は、複製権はAに、貸与権はBへといったことが可能です。

これを踏まえて、ゲームソフトのレンタルの事例を見ていきます。

●権利の移転関係

         譲渡権            貸与権  頒布権
本          ×     〇    
CD           ×     〇
DVD        〇          〇
ゲームソフト    〇          〇

著作物の複製物には、ゲームソフトの他に、本やCDなどがあります。
本やCDについては、いわゆるメーカーが販売した時点で譲渡権は消滅します。つまり、購入者は購入した著作物の複製物を再販売したところで権利は出張できなく、メーカーの許諾なく行うことができます。これが、古本屋や中古CD屋です。
しかし、販売ではなく、レンタルの取り扱いについては、貸レコードの出てきてから、法改正が行われ、貸与権は消滅しない扱いになりました。つまり、レンタルする際は、メーカーの許諾が必要となったのです。ですので、現在のレンタルCD、レンタルコミックショップはメーカーに許諾を得て、使用料を支払って営業しています。
次にDVDはいかがでしょうか。DVDは映画の著作物の複製物ですので、譲渡権と貸与権を合わせた頒布権があります。頒布権は法律上、譲渡されても、貸与されても権利は消滅しませんので、譲渡や貸与する場合はメーカーの許諾が必要となります。現在、このDVDについてもメーカー側で許諾していますので、レンタルDVDショップは、本やCDと同様、使用料を支払って営業しているのが実状です。
では、ゲームソフトはどうでしょうか。ゲームソフトも、中古ゲームソフト事件で、映画の著作物であると認められましたので、頒布権が存在します。
ですので、譲渡や貸与する際には、メーカーの許諾が必要です。
現在、譲渡についてはメーカーは許諾していますので、中古ゲームソフトショップが存在しますが、貸与についてはメーカーは禁止しています。
なので、レンタルゲームソフトショップが存在しないということです。

ゲームソフトのレンタルは法律上できないというわけではなく、著作権者が営業上の利益保護の観点から認めていない。認めていないから存在しないということでした。
しかし、認められていたとしても、ゲームソフトの性質上、市場があって、はやるか否かは別問題でしょう。

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