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🍎(詩)火葬場

私は焼かれて煙になった
下を覗けば先程までの涙は消えて
妙に納得した顔の妻がいた
あの人も天国に登って行ったと
自己完結で私という存在を消してしまった

私は天国に行ける様な人間なのか
長い間連れ添ってくれた貴方にさえ
いや貴方だからこそ、
いくつかの嘘をついたまま
勝手に一人で死んでしまったというのに

死ぬまでわからないと思っていた事は
結局、死んでもわからないままだ
果たして私は幸せだったのだろうか
そして貴方を幸せにしてあげられたのだろうか

貴方を幸せにするなどおごりであり
妄想であったのかもしれない
それでも貴方がいなかった事を思えば
側にいてくれただけで私は幸せだったのだろう

もっと優しくしてあげれば良かった
最後に一緒に旅行に行けば良かった
欲しがっていた靴を買ってあげたら良かった
後悔は後を絶たないがどうする事も出来ない

貴方に幸せだったのかを聞きたかったが
もう、それすらも叶わない
段々と意識は薄れてこのまま消えていく
何処へ行き、何になるかはわからない
私はもう、ここにはいられないようだ



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