「厄災時こそ事実確認を怠るな」
関東大震災直後の朝鮮人虐殺は、事実無根の流言流布によるものでした。厄災時にはこういう事態が多く起きるのです。
残念ながら人間は、根も葉もない噂に流されやすいものです。関東大震災時はインターネットがなかったのに、流言は、あっという間に関東中に広がりました。
インターネットが普及した現代では想像できないほどのスピードで流言は広まってしまいます。皆さんもご存知でしょうが、今回の新型コロナウイルスに関する偽情報に振り回される人も多いのです。
ネット上では「クラスター犯探し」というようなものも多くなっていると思います。犯人が誰であれ、他人には全く関係のないことです。これからは「お前が感染を広めたんだ」と言って地域制裁を加えることも多くなると想像できます。
ある者の恨みを買った人間(感染者ではありません)を、おとしめてやろうとして「こいつが感染源だ」と名前と住所をネット上に書き込む人間も多いのではないかと思われます。
僕はSNSと調べもの以外は、ネットを見ません。ネットを見ても、それが素人の書いたものならば鵜呑みにはしません。「裏付けがとれないものは記事にするな」と、出版社で30年間教えられたことです。特に僕は卑しい人間でしたから「内容が衝撃的であればいい」として記事を書き、何回も怒られました。
デジタルカメラの記事を書いていたときには、上司が書いた記事のことで大手フィルムメーカーさんから出版禁止を宣告され、何度も上司とお詫びに行ったことがあります。ほかにも僕が正確な情報確認を怠った記事に関して、数十人のある集団に詰め寄られたり、付録のCD-ROMの不具合で上司が会社を辞め、僕個人でソフト開発者の方々にお詫びに行ったこともあります。
誤解しないでいただきたいのですが、僕は、こうやってSNSをたくさん使っていますが、書いたものをネット上に記録したいという私的な理由です。もうひとつは仕事のためです。本当はインターネットなんて嫌いなんです。アナログの本好きですから。
現実的に、新型コロナウイルスの蔓延間近という緊急事態になっているのですから、ネットの流言を鵜呑みにしないようにお願いします。
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