Iは地球をすくう

『ナイゲン(朗読版)』まであと3日になりました。

稽古をしていく中で今日は不意に泣きそうになってしまいました。お芝居との流れは全く関係ないのでとても困惑してしまったのです。
なので本日はあんまり話した事なかったんですけれど、泣きそうになった原因である「Iは地球をすくう」について残しておこうと思います。

大きな声を出して怒る、融通のきかない奴。
初演が2012年だからもう8年くらいの付き合いになります。こいつが僕とアガリスクエンターテイメントとの出会いでした。
冨坂さんと知り合って2年後に(もっと前だった気がしていた)不意に連絡をもらってナイゲンの出演が決まり、の稽古が始まった時には「(3年の言う事なら黙って従えよ...)」と思ったのを覚えています。稽古を進めていくうちは僕は大きな声を出す事しかできず、それでも笑って面白がってくれる座組に乗っかったまま本番を迎えていました。ただただ大きな声を出すことしか出来ていなかったと今でも思います。
翌年の2013年に再演が決定し、冨坂さんが稽古の第一声で「稽古期間が伸びましたね」と言い、再演にもかかわらずどんどんとお話の流れが変化していく。その中でやっと、本当にやっと「Iは地球をすくうって奴がどんな奴なのか」と言う事に、僕は思いをはせていきました。
コイツは、本当に幼くてガムシャラで周りが見えなくなって、それでも自分の中で納得出来ない事には反対しないといけないと思っている。だからどさまわりの発言には勝手に感情移入して、でも頭が回らないから何も言えない。そのくせ思った事はすぐ口に出して、なんて、なんて不器用で生き方下手で鈍感で。だからこそどんどんと愛おしくなっていって。

でもある時、お客さんに笑ってもらえるのはとても嬉しいけれど、もしこんな人が自分の周りにいた時に自分が笑ってしまったら、と。いやきっとそうしている時もあるだろう、と思ったんです。
それから誰よりもコイツの応援をしてる。お前の生き方が合ってるとか間違ってるとか器用とか不器用とかではなく、僕はずっと応援してる。コイツを演じてから僕自身の性格も少しずつ反映されているように思います。

気がつけば俳優続けている半分以上を共にしている役。相変わらず大きな声を出しているコイツと共に今回の朗読版も楽しもうと思います。
あとアガリスクの他にも、高校生などを含めてたくさんの方にナイゲンを上演していただいて、その公演の分だけIは地球をすくうがいた訳で。
別の世界線だけれども、そいつらにも恥じないようにそれはもう大きな声を出そうと思います。

楽しみにしていてください

**アガリスクエンターテイメント番外公演
『ナイゲン(朗読版)』

脚本・演出:冨坂友

【日程】

2020年5月30日(土)19:00〜…Aキャスト
2020年5月31日(日)15:00〜…Bキャスト

途中に30分〜40分程度の休憩時間を挟みます。
↓詳細はこちら**
http://www.agarisk.com/naigen-online/

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