KLX230Rハイカム導入
社外ECUのFULLSTAND NEXTを入れたらレブリミットの設定が出来るので数字打ち込めば10000rpm以上行くのかと思いきや、実際の所9000rpm位しか回らずノーマルと変わらないのでは?(もちろんノーマルの唐突な頭打ち感ではなく自然なレブ感でフィーリングは断然良いのだけど数字的に)とモヤモヤしていました。ヒルクライムでは、ノーマルECUだとレブ打ちが酷過ぎますが、社外ECUだと頭打ちする事は無く、長い助走のヒルだとギア比と速度的にレブる事があるけどパワー的には問題無し(SL230比)ですが。
一応、排気は最初からマフラー変わっているし、では吸気かという事でエアクリーナーボックスの蓋に穴開け加工をしてみたけど、これでも変わらず。となると、カムを変えるしかないかな~と。
本国のタイの方にはハイカムもあるけど、日本では代理店が無く、ebayとかも高いしなぁ…と思っていた所に、ちゃねスポーツさんが少数ながら輸入してくれたお陰でゲットする事が出来ました!
裏面はこんな感じ。BTR(ビンタンレーシング)のマスターカムという商品で、スタンダード、チューンアップ、レーシングオンリーの3タイプあるみたいです。これはスタンダードモデル。本国の方だとボアアップキットで300cc出来たりするみたいですが、日本で普通に乗る分にはスタンダードで良いという事ですね。
中の説明書はこんな感じ。ダイノの図によると全域でパワーアップ、ピークで+2馬力っぽいですね。レブリミットが変わらないのはたぶんECUはノーマルでリミットが掛かっているからだと思いたいですが。
とりあえず、カムシャフトとロッカーアームを交換するのに、タンクを外す必要があります。
サイドカバー、シート、シュラウド、タンクを外すのに18本のボルトを外します。本数は多いですが、8mmで統一されているのでメンテナンス性は悪くないです。
ヘッドのカバー類を外します。ジェネレーターカバーのキャップ2ヵ所を外し(SK11のコインドライバー使いましたが、軸にレンチ掛けられるので楽に回せました)、フライホイールのナットを回し、タイミングホールからTマークと欠き切り、カムシャフトスプロケットの印とヘッドの印が合うようにします。
フライホイールのナットを押さえながら、カムシャフトのスプロケットのボルトを外します。その後に、カムチェーンテンショナーを外しますが、ここのボルトが狭くて外しづらいので、一般的な9.5sqでは入らないので6.3sqのコンパクトなラチェットがあると良いです。紙のガスケットが間に入ってて取る時に破れますので新品の用意を(他の部分もゴムのOリングや銅ワッシャーとか要交換なのでマニュアルでチェック)
カムチェーンのテンションが緩んだら、カムシャフトのスプロケットを外しますが、エンジン内に落ちないように針金等でチェーンを吊っておけるようにします。また、カムシャフトの頭にはスプロケットが回らないようにピンが刺さっていますが、軽く抜け落ちるのでスプロケットとピンを外すのは慎重に。外した後は、ウエス等で転落防止すると安心です。そうしたら、カムシャフトとロッカーアームのピンを固定するプレートがあるのでボルトを外します。下は外した後です。
ロッカーアームのピンを抜いて(ちょっと抜くのが渋めです)ロッカーアームを外します。
あとは、カムシャフトを抜くだけですが、ベアリングがしっかりハマっていて抜けません!サービスマニュアルには抜くとしか書いてないが…。ベアリングプーラーも使えないしどうしよう?
バイク仲間の知恵を借りて、スライドハンマー方式で何とか抜けました!ホームセンターでL字のボルトに10mm1.25ピッチのボルトを買ってきて溶接(ホント溶接機を買って何度役立った事か)してSSTを製作。ウォータポンププライヤーにテーピングして傷が付かないようにしてカムシャフトの頭を挟みながらSSTをねじ込み、L字の部分をハンマーで叩いて取り出しました。
取り出した純正カムシャフトとロッカーアームと社外品との比較。純正のカムシャフトはかなり重いです。社外品はローラーロッカーアームなので、当たるカムの部分が狭いのでその分軽い感じでしょうか。ロッカーアーム自体の重量はあまり変わらない感じで、多少重くてもローラーで抵抗が減るはずですし。スプロケットの回り留めのピンが社外品は圧入されていて抜けないのはポイント高いです。純正はゆるゆるで外す時にエンジン内に落ちないかヒヤヒヤします。
社外カムシャフト取り付けですが、ベアリングは元々の純正品を使うのでカムシャフトに嵌めてから入れるのですが、やはりベアリングがすんなりはいりませんので、ベアリングの端を叩いて入れました。(ジャストサイズのパイプがあれば良いですが、自分は幅広の金属板で全周を均等に叩きました)
外した順に戻していきます。カムチェーンテンショナーを付けた後にロッカーアームのタペット調整を忘れずに。(カムとかロッカーアームにモリブデン溶液塗ったりとか新品交換指定やトルク指定などはサービスマニュアルを参照してください。)
無事エンジン始動も確認出来ました。作業的には難しくはないですが、壊すリスクもありますので、あくまでも作業の様子の参考までに。実走は先になりますが、またnoteに上げる予定です!
装着して軽く吹かした感じだと、アイドリング付近はトルク感薄くなってるけど、吹け上がりはスムーズになっており、高回転も以前のノーマルカムだと9000rpmを超える事はほぼ無かったけど、ハイカムは普通に9500rpmを超えて感動!(他の人でハイカムだけどノーマルECUだとやはり頭打ちが変わらないそうなので、ハイカム+社外ECUでないと回らないっぽい)
で、ようやくコースで乗る機会が得られたので、近場の森輪へ。全開バリバリのヒルクライムがある訳では無いけど、日野ハード前にバイクとカラダを慣らす為には、適度にテクニカルだし、長めの三段ヒルもあるので。
空ぶかしでは、薄く感じたアイドリング付近だけど、乗った感じは逆にドン付きが減って、ノークラッチでアクセルだけでダラダラと移動区間を走るようなシーンで乗り易くなっていた。トルクも極端に減った訳では無く、アイドリングで繋いだ時にもしっかりとトルクあるし、そこから開けた時にノーマルカムよりか全域でパワーもトルクも上がっていて力強さがあった。(ノーマルだと出たしはドンと出るけど、そこからの回転は回るけどパワー感は薄いし、上は特に苦しさを感じる)
三段ヒルの長めの助走区間でもレブ打ちする事なく、パワーの余裕が出たお陰で逆に全開にしなくても登るようになったので、どこまで回るのかが今回は分からなかった。↓の動画を見て貰うと分かるけど、開けても70%の開度しか開けなくても大丈夫だった。SLだったら完全に全開にしていないとダメだっただろうし、SLよりもクラッチの容量があるからスタートから素早くクラッチ全繋ぎにしてアクセル固定とか特殊な事せずとも、普通のレーサーみたいに半クラが使えます。