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KLX230Rセットアップ2

CROSSMISSIONダルマニアクスでは直前に突貫作業で部品変えて参加しましたが、色々と問題点も見えたのでレース前後で行った内容を上げていこうと思います。

社外ECUのFULLSTAND NEXTですが、下記のセッティングで臨みました。朝一エンジン始動はアクセルに触らずにセル押しただけでは掛からないですが、一回軽く押してから再度アクセルをちょっと開けながらセル押すと掛かります。その後は普通に掛かる感じです。

アイドリング時のエア量を調整するアイドリングステッピングモーターの制御を変える項目もあります。KLX230Rで不評なアイドリングの回転数が高過ぎる問題もここを弄ると良くなります。基本的に右側寄りの回転数や温度が高い方の数字を下げてあまり動かないようにすれば落ち着きます。

低回転での粘りと耐エンスト性は点火タイミングで、開け始めに急に吹け上がらないよう敢えてダルにして、中間~全開までは伸びるよう山なりな燃調でセッティングを目指してみました。エンブレ時に全閉した時に軽くパンパンと音がするのでもう少し1200rpmの所を0%に近づけて、全体的に少し濃くしても良いかもしれないです。

FULLSTAND NEXTに関してはまた別途記事を書きたいと思いますが、3つのモード(STOCK / ECO-STREET / RACE)が選べて、STOCKはその名の通り純正と同じ(だけど、レブリミッターカットされてたり、エンジンの安定感がちょっと無く、ツキが良くてガサツさを感じる)でセッティングは出来ないです。残り2つのモードは自分で弄れます。ECO-STREETは燃費効率の為絞ったセッティング、RACEは出力重視で濃いめのセッティング、分からんけど。まだまだモード毎に乗り込んでないので違いがあるのかどうか。とりあえず、ECO-STREETもRACEもセッティングをしないとエンジンの掛かり悪く、回転落ちも悪く、乗りづらいです。

とにかく弄れる箇所が多いし、オフィシャルサイトの各項目の説明も動画であるのですが、この機能を弄ればどう作用するかが分からない…とりあえず、基本となる燃調と点火の部分を弄るだけでだいぶ変わります。あと、弄って戻したいな~って時にDEFAULTで初期値に戻せる項目もありますが、それが無い項目もあるので最初にスクリーンショットを撮って初期値を残した方が良いです。弄り方分からんとりあえずレブリミッターだけ何とかしたいという人はSTOCKで乗れば良いかと(キルスイッチは使えなくなるので変えないとダメですが)

特にレブ打ちする事もなく自然なレブ感だったけど、レース中9800rpmのままだったので、先ほど10800rpmに変更してみました。今後の走りが楽しみ!

ハンドルバーも最初ZETA SX3のMX542にしていましたが、同じZETA SX3のSuperLowに変更しました。より低く絞りが少ない物にしたかったからで、最初から入れたかったのですが欠品だったので仕方なくMX542にしてましたが…やはりSuperLowは押さえが効いてヒルクライムでも捲れる感じが減りましたし、車体がよりコンパクトに扱えるようになりました。

フォークの突き出しも1cm位出してます。プリロードアジャスターをレース前に4コマ出した状態にしました。跨った感じは良く動いて良さそうでしたが、レースで走り出すとフワフワと接地感が無く、林道区間が怖くてダメでした。翌日のフリーライドでは2コマに締め込んだら接地感も出て丁度良い感じに走れるようになりました。

コンパクトと言えば、ハンドルストッパーを削った事でかなり切れるようになり小回り出来るようになってウッズとかタイトなターンや振りがやり易くなりました。ドリルに軸付き砥石を付けてゆっくり削ると失敗せずに出来ると思います(ディスクグラインダーとかで一気にやらないように)

ノーマルだとステップの位置が前にあってスタンディングしづらいので、自作でバックステップ作成しました。3cmバックで作成したのでポジションはかなり変わります。シフトペダルやブレーキペダルも遠くなるので手前に持ってくる加工等が必要になります。

突貫で作成した為、溶接甘い個所や跳ね上げ時にフレームに当たる部分が見つかったので、帰ってきてから再度溶接やグラインダーで角削ったりしています。

次に出る新型モデルは最初からステップが下がっていてハンドル位置も遠くになってポジションに余裕があるように作られている(その他、現行モデルでの不満部分が大幅に解消されている)のでKLX230R乗りたい人は絶対に新型の方が良いかと。

ここからはKLX230Rの要改善点

転倒時にサイドスタンドが内側に押されてスイングアームが削れるので、内側の部分をグラインダーで削っておく事をお勧めします。

シフトペダルもちょっと長くて岩場で倒すと押されてクランクケースカバーが割れるので、バックステップにした事も合わせてペダル自体も短くして、先端部分も1cm程カットします。

鉄製なのですぐに曲がるが逆にすぐに曲げ戻し可能ですが、社外のアルミだと根元のシャフトが曲がって面倒な事になるので自分は純正の鉄で行きます。まだ上記加工をしてから乗っていないので、様子を見てもう少し全長を短くするかもしれないですね。

ちなみに穴が開いた所の補修は毎度お世話になっているJBウェルドで。ただ、これ系は垂直面だと途中で垂れてきたり、平らに均そうとしてもくっついてきて上手く行かない事が多いと思います。そこで養生テープを貼ったうえで均すと手も汚れず、キレイに平らにする事が出来ます。養生テープは粘着力が弱いので乾燥した後ならペラッと剥がれます。

チェーンガイドですが、薄い鉄板が付いているけどハッキリ言ってガード力不足です。逆に内側に曲がってそのまま樹脂部分をずっと押したままになってチェーンを外すガイドになります。

本当であれば社外のチェーンガイドが欲しいのですが、無印KLX230のチェーンガイドは幅が違うので使えません。KX85とか使えそうですが社外品が日本に無いです…TDMのがあれば良いのですが。

なので、自作です!SL230でも実績のあるまな板ガード、これだと強度もありつつ、柔軟性もあるのでヒットしても折れず、曲がっても元に戻ろうとするのでGOODです。ちなみに以前売ってたまな板と同じ商品なのですが厚みが1cmから0.8cmにダウンしていてショックでした…。

作り方は純正のチェーンガイドの鉄板をまな板に型取りし、後はジグソーとボール盤で穴を空けて、鉄板の代わりにまな板を装着すれば完成です。まな板の厚みが増えた分の長いボルト、板を押さえる為のワッシャーを用意する必要はあります。

レース前にハンドルバーを交換した事でクラッチレバーホルダーの位置が交換前と比べて内側に寄せられなかった(ハンドガードとアジャスターが干渉するので)のもあり、レバーを握る位置がちょっと根本の方になったけど、まあこれ位の重さなら大丈夫かとレースに臨んだらやはりクラッチ多用すると疲れてきてしまい、結果仕上がってしまいました…。

翌日のフリーライドでは、ハンドガードとクランプの間にナットを挟んで隙間を空ける事でレバーホルダーを内側に追い込めて調子良く走れましたが、それでもやっぱりちょっと重いな~と感じたので、レリーズのアームを延長する事にしました。

元の長さは軸間で30mm程度、とりあえず1cm位延長しました。大体25%位軽くなる計算かと思います。元々の状態だと、レバー根本を握った時は7kg位、レバー端を握った時は4kg位の重さでしたが、これを付けて測った所、レバー根本を握った時は5kg位、レバー端を握った時は3kg位に軽くなりました。

市販のライトクラッチレバーはタイコの位置で重さとキレ(半クラの範囲であって、クラッチの繋がりとはまた別ではあるが)を変えるが、同じテコの原理で軽くなる分、半クラの範囲が広がるので遊び調整や握る位置もちょっと考える必要はある。ただ、レバーの端を握れば軽くなるよ~とは言ってもやはり指の長さには限度があるので、根本寄りの中間位を握った時に同じ軽さになれば操作性も良くなるっていう寸法。

あと、このレリーズ加工のついでにクランクケースカバー開けるのでついでにクラッチも見てみようと確認したらやはりジャダースプリングが入ったままで、外してみたらこれが正解!

買ってからクラッチの繋がる位置がイマイチ分かりづらいな~って思っていたけど、外したらパッと繋いだ時はポンと出るし、ゆっくり繋いでる時もクラッチ板の摩擦感がダイレクトに伝わるので分かり易い。あと、スプリングっていう位で無い方が若干軽くなった気がする(レリーズアーム延長の効果もあって定かではないけど)

ジャダースプリング外しはマストじゃないかな~外すならクラッチプレート(フリクションプレートではなく)も内側と同じディンプル付きのに変えた方が良いかな。たぶん、スプリングと同じく滑り易くする為だと思うし。

クラッチ板を外す時だけどセンターナットが物凄く固い!カワサキ純正のクラッチホルダーの特殊工具は6万円もするし、社外品は無いので基本的にインパクトレンチでガガガッとやって外す(たぶん、それでも緩まないと思うのでヒートガンでナットを熱してからやる)

けど、締める時もインパクトじゃあオーバートルクになってしまうのでやはりクラッチホルダーが欲しいところ。なので溶接で自作しました。これでトルクレンチを使ってちゃんと締める事が出来ます。

工具が無いのに無理にやろうとすると逆に壊して余計な出費を生むので、出来ない人はお店に任せるのが宜しいかと。早くホンダ原付系のホルダーみたいに社外品で安く出てくれば良いですが…

KLX230Rの最もダメな点として、ノーマルECUだとすぐにレブ打ちしてしまい気持ち良く走らない事ですが、社外ECUに交換すればレブリミットが解消されて気持ち良く走れるようになります。

FULLSTAND NEXTという社外ECUを使っていますが、一つ欠点としてキルスイッチが使えなくなります。メインスイッチを押せばエンジンは止まるのですが、レース中だとちょっと止めたい時にハンドルから手を離さなくてはならず、下りだったり急に止めたいという時にとても困ります。

なので、新たに配線を追加してキルスイッチを取り付けますが、方法としてはイグニッションコイルの点火を止めればエンジンは停止するので、その間の配線にキルスイッチを割り込ませる事にします。

キルスイッチの種類としては、プッシュ式(マグネット式も)で押した時に導通するタイプ(純正もこれ)とシーソータイプでOFFにした時は遮断するタイプがあります。

最初は単純にシーソータイプで点火カットすれば良いかと思いましたが、仮にキルスイッチが壊れて断線した場合、イグニッションコイルに電気が流れずレース中に修復が困難になります。

一方、プッシュ式なら断線してもエンジン停止が出来なくなるだけで、イグニッションコイルには電気は流れるので走る事が出来ます。エンジンを切りたい時はメインスイッチで切れば良いので、こちらの方がリスクが少ないと判断しました。

押した時に導通するタイプで配線を行うにはリレーを介して行う必要があります。押してない時はリレー内でコイルに繋がっているので電気が流れ、押した時はリレーがコイルへの電気の流れを変えて遮断するという仕組み。

作業内容ですが、前オーナーがスターターロックアウトスイッチ(クラッチ握らないとエンジン始動しないやつ)を外してまとめてあったのが見た目もゴチャついて邪魔くさいので、純正キルスイッチを流用するのと合わせて整頓しました。

スターターロックアウトスイッチは短く切って繋いで(導通させておく=握った状態と同じ)絶縁処理して元に戻す。純正キルスイッチはカプラーは残したまま栓代わりにするので根本で切って(こちらは遮断状態。まあ社外ECUなので導通しても止まらないので変わらないけど。純正ECUに戻すならスイッチごと買い直せば良し)接着剤で配線の露出部分をカバーして絶縁処理して元に戻す。

で、キルスイッチだけど、自分はマグネットキルスイッチと純正流用キルスイッチを併用する形にしてみた。レースでも手が離れた瞬間に止まらず少し走ってしまって危うい目にあったので、マグネットキルスイッチを採用してみたかったのと、それだけだとちょっと止めたい時にマグネットを外すのは瞬時に出来ないし、手を離さなくてはならないのはエンデューロでは不便だと思ったのでプッシュ式も手元に。

リレーはエーモンのを使ってみた。リレーに元から付いている配線は太過ぎるし、ギボシだらけになって見た目も悪いし、キチンと刺さっていなくて抜けるリスクも高まるので、一旦抜いて新たに端子と配線を引き直した。

あと、アンダーガードですが、シルバーのは前オーナーが付けていたZETAのなんですけど厚みが3mmしかなくボコボコです。金槌で叩いて軽く曲がる位なので素材自体も柔らかいです。ZETAは色々なパーツ出していてお世話になっているけど、パーツによっては街乗り~林道ツーリング程度のファッション用途な物も多々あります。これは形は悪くないけどハードな用途には向かないです。

なので、タイのSRCというメーカーの5mmのアンダーガードを注文しました。ECUやYSSサスペンションといい、そもそもKLX230自体も東南アジアですしね。向こうで作られているKLX230のパーツがどんどん入ってきてくれる事を切望します。

とりあえず、走る上で気になる所は解消された!あとはサスペンションだけどちょっと値段が張るし、まだ3回しか乗っていないのでもう少し乗り込んでからでも良いかな。

これからKLX230Rを買うぞ!っていう人はまず新型が出るまで待った方が良いと思う、足付きが気になる人は特に。で、ハード系やるならRよりかRSね。足付き良い方が大抵の人は楽。ストロークが増えた所で性能的に足付き程のメリットは無い。どうせYSSかテクニクス入れるっていうならどちらでも良いかもしれないが、新型はフレーム自体変わってシート高下がっているので。吊るしのノーマルサスだとフロントが柔いのはプリロードアジャスターで多少改善するが、リアはプリロード最弱でもバネ感が凄く、減衰調整無いのが痛い。新型はプリロードが無段階調整になったのは良いけどね。

すでに現行乗っている人は、
・ECU(JUKENは知らないけど、FULLSTANDNEXTならキルスイッチも)
・ジャダースプリング外し
・チェーンガイド対策(海外から輸入か、純正鉄板2枚重ねか、まな板自作か)
・サイドスタンドの足裏カット
・ハンドルストッパー削り
はマストかと。

まあ、レーサーみたくパワーも足回りも良くは無いけど、安くてメンテナンス頻度少なく、トレールみたいにイージーだけど、トレールよりもオフロードが走れる現行車は貴重なので是非とも多くの人に乗って欲しいと思う。

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