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オフロード始めるには?

このnoteを始めようと思ったのは、自分が10数年エンデューロレースやってきた中で培った知識を、レースを始めたばかりの初心者や伸び悩んでいる初中級者に読んで貰い、コツが分かる事で遠回りせず安全に効率良く上達して、よりオフロードライディングを楽しんで欲しいからでした。

その為、書いている内容が少しテクニカルな事が多かったので、オフロード自体やった事がない人にとっては何の事やらさっぱり分からなかったかも知れないと思います。

そこで今回は、全くやった事がないけどオフロード(エンデューロ)に興味がある人~オフロードバイク(トレールバイク)に乗っているけど本格的に走った事がない人を対象とした内容で書きたいと思います。

(自分がやっている耐久レースであるエンデューロ以外にも、スプリントレースであるモトクロス、岩の上を飛んだりするトライアルなどなど色々あるのですが、自分はエンデューロ畑なので他のオフロード競技については割愛します)

1.とりあえずオフロードを体験してみる

えっ!?って思うかもしれないですけど、オフロードバイクや装備が無くても、ましてや免許すら無くてもオフロードは出来ます!

日本各地にはオフロードコースがあり、中にはオフロードバイクのレンタルをしている所があります。コースで走るのに自動二輪の免許は不要ですし、バイクに乗る為の装備もレンタル出来るので手ぶらでオフロードが出来ます。

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自分も大学生の頃、バイクサークルの新歓イベントで埼玉のオフロードヴィレッジで体験した事がキッカケで、免許を取ってオフロードバイクを買い、そこから林道ツーリングやレース(キャンパスオフロードミーティング)に出たのが今に繋がっています。

トレールバイクは持っている人でも本格的なコースで走った事が無い人は、まずレンタルで体験してみる事をお勧めします。XR100やCRF125といった初心者向けレーサーは軽くて扱いやすいので誰でもすぐに乗れます。逆に自分のツーリングバイクでコースインするのは、タイヤやスプロケットの問題、保安部品の取り外し、万が一の故障時の対処、自走での帰宅困難などリスクが大きいです。

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まずは体験して楽しいかどうか?更に興味が湧いた!って思ってから色々揃えていけば良いと思います。先に揃えてからやってみて思ってたのと違った…ってなると勿体無いですから。

コースなどの雰囲気は下記のモトスポーツランドしどきのツイッターを見て貰うと良いかと思います。

2.オフロードバイクを買おうと思っているけど何が良いのか?

これは使い方によって何がお勧めなのか変わります。

一般的な人だったら、ツーリングがメインでたまに林道を走ってみたい、というのが大半だと思います。それならどのバイクでも砂利道程度はどれも普通に通過できるので、自分が好きな見た目でオンロードでの快適性やパワーがあった方が高速移動を含めて楽かも?っていう参考にもならない意見になりますが…w

もう少し本格的にコースやレースも出てみたい!というのであれば、扱いやすいバイクをお勧めします。

扱いやすいとは、マイルドな出力とコンパクトな車体(軽さ、足つき性、ホイールベース、ハンドル切れ角)です。サスペンションが長くて、パワーもあるレーサーみたいなのに憧れると思いますが、初心者だとバイクに振り回されてしまい、本当に乗りこなせるのに時間も掛かります。

トレッキングバイク(パワーは無いが扱いやすい)
自分も乗っているSL230やXR230、Serow225(250)、トリッカー、Super Sherpaといったバイクは2足2輪でトコトコと野山を分け入って走るようなコンセプトのバイクなので、低速での粘りもあり、小回りが利いて足も着きやすいので、初心者にも安心ですし、中上級者なら振り回して乗る楽しみがあります。ただ、パワーや足回りはプアですので、飛ばして走るとか高速移動は少し苦手です。

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フルサイズのトレールバイク(重さがネック
CRF250LやWR250Rと言えば、パワーや足回りも先ほどのバイクに比べてあるので、ツーリングで使ったり、クロスカントリーレースのようなスピード寄りなレースでは汎用的かなと思います。ただ、先ほどのミドルサイズのバイクに比べると、オフロードでは重いので倒すと辛いし、小回りする際の取り回しには苦戦すると思います。ライダーの体格や筋力があって、どうしても見た目が好きだから~という人向けですね。KLX230は見た目と扱いやすさでその中間といった所ですね。

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90~00年代のトレールバイク(状態と維持が問題)
中古車のXR250、TTR250、DR250、KLX250や、CRM250、DT200WR、Lanza、RMX250、KDX200~250といった昔のトレールバイクというのも選択肢になると思います。エンデューロバイクという存在がまだ日本では一般的ではなかった頃は、これらのバイクでレースに出ている人が多かったです。現行のトレールバイクに比べて、軽さやパワーの面では上回っています。ただ、良い状態のものが少ない、また壊れた時にパーツが出ないというがデメリットです。オフロードライディングを楽しみたいのに、状態が悪いまま乗るとか、壊れても直せないとなると楽しめないですしね…。それでも魅力的なバイク達なので、乗り潰すつもりで乗るとか、ヤフオクでパーツかき集めて乗るというスタイルもアリです。

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外車エンデューロレーサー(腕とお金があれば…)
KTMやBetaなどのナンバー付きのエンデューロレーサーを買うという手段です。もちろんオフロードでの性能は言う事無しです。見た目もカッコいいです。ただ、値段も高いですし、初心者だとその性能を活かす事よりも、パワーや足つきなど振り回される事も多いです。あと、昔に比べて耐久性も上がって壊れる事は少なくなったとはいえ、レーサーですから定期的に部品交換する事が前提なので、トレールバイクのような乗り方だと壊れる事もあるでしょう。また、シートの硬さやパワーの出方等々もツーリング向けではないので、本気でオフロード沼に入りたい人向けですね。

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その他
トライアルバイクやビッグオフはここでは割愛。 

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トランポ(とレーサーなど)
更に本気でオフロードを始めたいというなら最初からトランポを買いましょう。いきなりハイエースとか買わなくても、中古の軽トラや軽1BOX、ステップワゴン等なら安いです。レースやコースで走ろうと思うと、移動もそうですが装備や工具など必然的にトランポが必要になってきます。トランポさえあればナンバー付きのバイクという制約が無くなるので、レーサーの中から選ぶ事が出来るので、初心者向けのCRF125FやKX100など、軽くて安いバイクが選べます。また、最近流行りのカブを買って出先で下ろして林道ツーリング&コースで遊ぶというのも良いですよね。

カブやスクーターでも出られるレースも増えてますし、装備もブーツとガードがあれば、別にモトクロスジャージじゃなくてもOKです(レースによってはダメな所もあると思うので要確認を)

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かくいう自分は学生の頃はオフロードバイクを持っていたのですが、自分のバイクではツーリングだけで、仲間で共同所有のKX80でレースの時だけレンタカーでトラックを借りてというスタイル。なので、気軽にオフロードは出来ませんでした。社会人になって軽の1BOXを手に入れてから本格的にエンデューロにのめり込むようになった経験から言うと、「本気でオフロードやるならまずはトランポ!バイクは何だっていい」って事です。

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3.既にオフロードバイクはあるけど、装備は何から?

林道ツーリングレベルでも必ず必要なのはオフロードブーツです。オフロードでは転倒する事が当たり前、その時バイクの下敷きになりやすいのが足です。ハードに走ってなくても立ちごけでもその可能性はあるので、ヘルメット以上にブーツは大事です。

では、オフロードブーツはどんな物があるかというと、モトクロス用、エンデューロ用、トライアル用、それとツーリング用があります。ここではガエルネのサイトを参考に…

まず、ツーリング用というのはTouring Adventureのカテゴリーにあるブーツで、歩きやすさ優先でプロテクションも少ない、中には防水のものもあります。初心者やツーリングライダーに人気のED-PROもそうですね。バイクを降りた時に散策をするとかいう場合は柔らかいので歩きやすい、反面ハードに走るにはプロテクションが弱く、足首を痛めてしまう可能性が高いのでコースやレースでの使用はお勧めしません。

Raceのカテゴリーにあるモトクロス用とエンデューロ用は似ているのですが、プロテクションと靴底のソールの違いがあります。モトクロスの場合、ハイスピードでジャンプを飛ぶ、足を出してコーナーを曲がるので、足首の可動を抑えた固めの作りで、ソールも路面と引っかかりづらいようにフラットになっています。エンデューロ用の場合は、左右の可動はモトクロス同様抑えているが、前後の動きは適度に柔らかく、ソールはバイクを押す時や歩く時に引っかかるようにブロック状やウェーブのエッジ状になっています。メーカーによってはソールだけの違いの場合もありますし、エンデューロでもモトクロスブーツを愛用する人もいます。

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初心者の人は押すからブロック状を選びがちですけど、バイクを操作する上でステップに引っかかるというデメリットもあります。最近ではステップに乗る部分はフラット、押す時にチカラが掛かるヒールや外側の所だけブロックといったハイブリッドなソールが増えています。

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トライアル用はプロテクションは最低限にして、足首の可動を最大限使えるように柔らかく作られています。また、ソールも濡れた岩の上などで確実にグリップし、ステップからのフィードバックを感じられるよう柔らかいです。防御力より操作性を取る為に履くという上級者もいますが、良く転ぶ初心者にはお勧めしないです。

メーカーも色々あってどれが良いのか分からないと思いますが、ガエルネやアルパインスターズ、SIDI、TCXといったイタリアの靴製造が本業のメーカーは作りが良いので選んでおいて間違いないです。

ただ、靴製造が本業以外の総合メーカーのブーツが悪いかというと、値段も2万円程度と安くて足首も柔らかいので操作しやすく、意外とエンデューロやツーリングでも調子良かったです。

初心者の人にはハイエンドの固いブーツで操作しづらいよりか、安くて適度の柔らかめの操作しやすいブーツが良いかと思います。ただ、どのブーツも基本的には足首を守る為に、普通の靴と比べて足首の可動域を抑える作りとなっていますので、オフロードならではのシフト&ブレーキペダルの操作感は慣れる必要があります。

エントリー向けとしては

3万台:サイファーJ / Tech1 / Tech3 / TCX X-Helium / COMP X

2万台:TCX X-Blast / W2 E-MX9 /  ThorやMoose Racingなど

辺りでしょうか。

それ以外の装備に関しては、ヘルメットとゴーグル、グローブ、ジャージ上下、エルボー&ニーシンガード、ブレストガード。

ヘルメットはフルフェイスが原則ですね。頭の形が合う合わないがあるので試着した方が絶対に良いです。被った状態で前後左右に振ってもグラつかない、暫く被っていてもこめかみや耳が痛くならないものを選んでください。「SNELL規格」や「JIS規格」「PSマーク」「MFJ公認」などありますが、レースによってはMFJ公認=MFJが開催するレースで使用が認められている(http://www.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule/pdf/2020/kounin-sharyou.pdf)ヘルメットじゃないとエントリー出来ない(全日本エンデューロ選手権)レースがあります。

ゴーグルはレースだと基本的にはクリアーのレンズが見やすくて良いです。カラーやミラーだと路面の状態が見づらいです。マディー用にロールオフというフィルムが付いたものなど色々ありますが、最初は4~6,000円台のシンプルなもので良いかと。

グローブもオンロード用と違って、薄手でプロテクションはほとんど無いものが多いです。操作性を重視した作りであり、また泥や水で汚れるから革ではなく化繊で作られています。どのメーカーも特に差は無いので見た目の好みでどうぞ。

ウェアに関しては安いものだと膝の内側の部分が革じゃなかったりして耐久性が低い場合がありますが、基本的には見た目で買ってよいかと。パンツは裾の部分をブーツインorアウトの2種類がありますが、競技をするならインタイプ。アウトタイプは足を出したときにステップに引っかかりやすいです。ツーリング用途であればアウトタイプはポケットがあったり、ハーフパンツに出来たりと便利です。ジャージはメッシュタイプだと汚れが中に入りやすいのと引っかけて破けやすいので、生地の違いとかもチェックポイントです。

ガード類は色々な種類があって迷うかと思いますが、上半身一体の着るようなタイプのガードは動くと暑くてあまりエンデューロ向きではないです。ブレストガードはジャージの中に着るか外に着るか?ですが、最近は中に着る方がジャージのデザインも見せられるしスタイリッシュですので、肩パッドや二の腕部分が無い、右のようなベストタイプの物が肩回りも動かしやすくて良いです。

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エルボーやニーシンガードはずり落ちないか、膝の曲げ伸ばした時に擦れたりしないかがポイント。ニーシンガードではなく、ニーブレースがいるかどうかは人によって意見は様々ですし、値段が高価なものですので、のちのち考えれば良いのではないかと思います。

とりあえず揃えたいというなら下記のようなセットで売ってるものを買っても良いですね。

4.バイクも装備も揃った!けど、この後どうする?

結局これですよね、趣味で最初にぶち当たる壁は。道具はお金さえ出せば揃えられるけど、それを使ってどう遊ぶのか?

遊ぶ場所や遊び方、遊ぶ仲間。今はネットやSNSで簡単に調べられるし、グループに入れるかもしれない。けど、大きな壁である事は間違いないし、最初の始まり方次第でその後が楽しく続けれられるかどうかも違ってきます。

とりあえず揃ったし、近くの河原や林道に一人で行ってみる…
のは、怪我や故障のリスクを考えるとお勧め出来ません。パンクしたり、エンジンが掛からなくなった。倒したり、谷に落ちたバイクを戻せない。その時に歩いて帰れるならまだ幸い、最悪亡くなったとかなれば、その林道も閉鎖となります(実際ここ最近もありました…)また、走ってはいけない場所(法面や伐採管理された森)など知りませんでしたでは済まされない事もあります。河原の土手の斜面が削れると増水時に決壊するし、伐採されて積まれた木は木材としての商品だったりします。

では、SNSとかで知らない誰かを誘って…
というのもやめた方がいいです。レベル差が分からない人達に付いて行っても引き回されるのがパターンです。皆で助け合って~とかいうアタック系が好きだとしても、○○林道行きたい~とか△△行きました~とか具体的な地名を出すのはアウトです。場所が分かれば人が殺到して必ず路面が荒れますのでゲートが出来て通れなくなります。林業関係者や地主、周辺住民にとっても不特定多数の騒音を出すライダーが来たら迷惑するのは当然だからです。ちなみにアタックして助け合ってばかりだと上達は遠いですね。

なので、最初はスクールや初心者向けのイベントに参加する
のをお勧めします。走る場所もコースなら何かあってもすぐに対応できますし、思う存分走る事が出来ます。(もちろん、無駄に路面を掘ったり、騒音をまき散らすのはアウトですが)また、走る為に必要な技術や知識、守るべきマナーといった事を知る事が出来ますし、同じレベルの人同士が集まるので自然と仲良くなります。そうして、一緒に走るグループを作る事で、今度コースで練習しよう!どのレースへ出ようか?という話に発展していくと思います。自分が開催しているSLORIDEも参加者同士が仲良くなってレース会場で盛り上がったりしてますし。やはり、知り合いや友達がいると楽しいですからね。

スクール以外にも初心者向けのイベント、クロスミッションオフ・アスレチック(https://crossmissionblog.wordpress.com/)やFUN RIDE FESTIVAL(https://twitter.com/funridefestival)などは参加しやすいのではないでしょうか?

5.レースに出たい!けど不安…なら

ここまで読んで貰っているならレースにも興味があると思います。ただ、いきなりレースに出るのは怖い、もっと上手くなってからじゃないと出てはダメなのではないか?と考えてしまいがちなんですけど、レースは色々なレベル設定があるので、当然1周するのも難しいレースもあるし、逆に初心者でもグルグル周回出来るようなレースもあります。それでもどんな感じか分からないから不安だし…というのであればまず一度レースを観戦しに行ってはどうでしょうか?

どんな雰囲気で、どんな感じの流れでレースが行われているのか?難易度はどの程度なのか、自分にも走れそうなのか?そこで難しそうだと思っても諦めないでください。レース以外の時にコースを走りに来てみるとか、そのコースで開催しているスクールに参加してみるとかでも最初はいいです。

もちろん、いきなりレースに出てみて壁にぶち当たってみるのも良し!です。行けなくて悔しいから練習するというのは大きなモチベーションであり楽しみです。普通に周回できるようになるまでレースに出ないで練習するなんて勿体無いです(来年やその先も同じレースが開催しているとは限りませんので)どんどん失敗して、苦手な部分を克服して上手くなる。そして、以前は行けなかった所を行けるようになるのが醍醐味だと思います。手始めにWEXやクロスカップなど、そしてCGCやクロスミッションなど色々なレースに参加してみてください!きっと、林道ツーリングでは味わない経験が待っていますので。

エンデューロレースの種類としては

クロスカントリー(JNCCやWEXなど)
スキー場のゲレンデなどを使った耐久レースで、コースの難易度よりはスピードと周回数を競うレース。40分~180分で、各クラス分けも細かくされているので、初心者でも参加しやすい。

ハードエンデューロ(CGC、G-NET、クロスミッション、日野ハードなど)
最近の主流となった感のあるハードエンデューロ。スピードよりも走破性が求められるレース。120分~180分が多く、クラスは2~3クラス程度。丸太や岩場、壁のようなヒルクライムなど走破する為の技術が求められます。コースやライダーよっては1周出来るか出来ないかという事もザラです。だからこそ、達成出来た時の快感がありますし、出来なくても同じライダー同志で共感や助け合いも生まれます。

オンタイムエンデューロ(全日本エンデューロ選手権、JEC Litesなど)
リエゾン(移動区間)とテスト(タイムアタック)がコース上にあり、1人づつ順番にスタートする、決められた場所と時間で車両の整備をしなくてはならないなどルールがある。

サーキットエンデューロ(キャンオフ、年忘れエンデューロなど)
最近は減ってしまいましたが、モトクロスコース(サーキット)を使った耐久レースで、2~30年前位はこれが主流でした。チームで交代で1台のバイクを乗って走ったりする事も出来ます。坂内2DAYSといった24時間耐久もこれに入るかな。

その他(サカバカ、SE-E ドラゴンライド、ワダポリスジャムMOTOなど)
サカバカ、SE-E ドラゴンライドはここ最近出てきたジャンルで、エンデューロでメインセクションとなるヒルクライムにスポットを当てたイベントです。一人一人ヒルクライムアタックして点数方式で計算して合計点で勝者を決める。更に、タイムアタックセクションを設けて、両方の合計で勝者を決めるなど、トライアルやオンタイムのテスト、ハードエンデューロの醍醐味など色々な要素を複合した、普通のレースでの他者との競争や緊張感とは違ったほのぼのとした楽しさがあります。
ワダポリスジャムMOTO(http://fmxshowcase.com/wadapolicejam/)は街乗りバイクやスクーターでも可!バイクだけじゃなくてMTBやBMXも走れるし、間近でFMXも見られるし、まさにお祭りですね!

6.エントリーしてみた!けど、準備には何が必要か?

吊るしの新品のバイクを買ってきたと仮定して最低限度必要なものを上げたいと思います。

新品のエンデューロ向けタイヤ(これだけでも1つの記事が書けますが…w)
普段公道を走るトレールバイクの人でも、レースの時はレース用のタイヤに履き替えてください。ブロックの角と高さによって路面に刺さり引っかかってグリップするという部分はオンロードとは大きく違います。また、コースの路面の種類や天候による路面状況に合ったタイヤの選択(ブロックやサイドウォールの固さ柔らかさ、パターン、サイズなど)をする必要があります。
固いタイヤは刺さるのでマディーには強いが、岩場は刺さらないので弱い。柔らかいタイヤは包み込むように面でグリップさせるので岩場は強いが、マディーで刺さらないので弱い。という風に得意不得意がありますし、汎用的なタイヤより一つに特化したタイヤの方が状況がマッチすれば上ですが、それ以外の場所では劣るという事もあります。
IRCならフロントは汎用的なix-09w、マディーならix-07s。リアタイヤは汎用的なVE-33s Gekkota、マディーならVE33、岩盤や沢ならTR011 TOURISTかix-09w Gekkotaが自分的にはお勧めです。
あとタイヤは前後が同じ銘柄である必要はありません。フロントは下りで刺さるように固めのモトクロスタイヤ、リアは路面に合わせてエンデューロタイヤやトライアルタイヤ、モトクロスタイヤにするなど、組み合わせます。
レースによってはFIM公認タイヤ(http://www.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule/pdf/2020/husoku24.pdf)やJNCC大会公認タイヤ(http://www.jncc.jp/_userdata/officiallytire.pdf)が決まっている事があるので各レースの要項の確認を。
空気圧もF0.6、R0.3程度まで下げるのでビードストッパーの装着も必要です。チューブもヘビーチューブに変えておきましょう。

オフロードに適したギア比のスプロケット
純正スプロケットとか街乗りツーリング仕様のハイギアードなギア比だと、スピードに対してエンジンの回転数が低過ぎて、土の上では進むのも大変です。例えばF12:R48もしくはF13:R52といったギア比4.00がオフロードだと大体基準で、それよりももっとローギアードにしたりもします。よほどのハイスピードコースならその逆で少しハイギアードにする場合もあるかもしれませんが。まずは4.00前後と考えて良いかなと思います。

アンダーガード
エンデューロだと丸太や岩を越えるというシーンが出てきますので、アンダーガードが無い状態だとフレームに当たるし、最悪エンジンに当たって割れるとそこで終了となります。最近ではレーサーだとサイドのカバーを守るガードもありますし、リアサスのリンク部分を守るガードやスイングアームガードまであります。とりあえず、アンダーガードだけは絶対に付けましょう。純正のガードは薄くて守る範囲も狭く心許ないので社外の分厚いのがお勧めです。

ハンドガード
街乗りする人でもオシャレ目的で付ける人も多いですが、エンデューロだと立木や枝、前から飛んでくる石や泥を防ぐ為に必須です。オープンタイプかクローズドか、樹脂製かアルミ製かなど、それぞれメリットデメリットはありますが、重量と防御力はトレードオフの関係です。クローズドだとレバーやマスターシリンダーも守ってくれるので初心者ならクローズドのアルミ製で良いと思います。

スタックベルト
ハードエンデューロだとどうしても登れないような時にヘルプで引き揚げて貰う事があります。その時、バイクのフロントフォークにベルトが付いていないと引き上げるのが大変なので「スタックベルトはマナー」と言える程、必須アイテムです。また、リアのサブフレームに付けるスタックベルトは轍とかで自ら引き上げる用となりますので、前後セットで装着する事をお勧めします。市販品もありますが、ホームセンターで切り売りのナイロンベルトとかバックルを買えば自作出来ます。

予備パーツ
レースだと転倒してレバーが折れる、プラグがカブるといったトラブルは付き物です。左右レバー、プラグは工具と一緒に携帯し、他にもタイヤのチューブ、ブレーキパッド、エアクリーナーフィルターなども車の中にストックしておくと安心です。マディー用に替えのゴーグルやグローブを用意しておくと良いです。

整備用工具
レース直前でタイヤ交換したり、色々弄るのは焦ってミスったり、時間的余裕が無くなるので良く無いですが、万が一という事は常にありますので、一通り整備出来る工具は車に積んでおきましょう。レンタカーではなく自分のトランポがあるなら積みっぱなしにしてると思いますが。

携帯工具とウェストバッグ(またはバックパック)
先ほどの予備パーツの脱着もですが、ボルトが緩んだとか外装が外れそうでプラプラした状態では集中して走る事が出来ません。かといって、駐車場まで戻っていたら時間も掛かるので、最低限度走れるように現場で対応出来るだけの工具と予備パーツは携帯してください。
自分は車に積んでいる工具とは別に、携帯用の工具としてドライバー、ラチェットハンドル、M8・M10・M12のソケット、M8・M10・M12のスパナメガネ、M14とM17のスパナ、モンキーレンチ、ラジペン、プラグとプラグレンチ、針金、タイラップ、ホースバンド、ヒューズ、210mm折り畳み鋸はいつもウェストバッグに入れています。わざわざ毎回工具箱から出して用意するのが面倒だし、ソケット類は6.3sqを選ぶとコンパクトになりますので整備用とは別に携帯用の工具はあった方がいいですね。TACTIXとかSK11とかの安いセットを買って、必要な分だけバッグに入れれば良いかと。

金属パテ、ダクトテープなんかもあると良いかもしれませんが、色々と備えるほど重くなるので、何が必要か考えて取捨選択すると良いです。
ウェストバッグやバックパックもツーリング用の大容量の物はライディング時に邪魔になるので、レース用のコンパクトなものが良いです。

キャメルバックと飲み物
背中に背負ってホースで吸える水筒ですね。レース中は喉が渇きます。飲まないと最悪熱中症で倒れてしまいます。かといって、バイクを止めて飲み物出して悠長に飲んでられないですよね?ツーリングや練習なら時間を気にしないので別に要らないですが、レースだと1分1秒が勝負なのでキャメルバックが必要になります。ホースは右ではなく左肩から出すと走りながら飲む事が出来ます。ヘルメットのノーズ部分に穴を開けて通すというカスタマイズをする人もいます。
容量としては3Lの物を買って、スポーツドリンクを2L入れる感じです。真冬なら1~1.5L程度、真夏なら3Lと調節出来るので、容量が少ないよりか多い方が良いでしょう。荷物を入れる分の容量は3~6L程度のコンパクトな方が動きやすいです。
ちなみにレース後はすぐに中身を出して洗わないとホースにカビが生えて悲惨な事になります。洗った後は乾燥させるのですが、なかなか乾きづらいので、冷凍庫に入れておいて保管するとカビないし乾燥させる手間も省けます。どうしても乾かして別の場所で保管したいという場合は針金ハンガーで中を広げた状態にして乾かすとか、珪藻土ブロックやキッチンペーパー入れて乾燥を早めるとか方法があります。

長靴と雨具、軍手
雨が降った場合、土が路面のレース会場では普通の靴だと汚れるし、滑ります。コースの下見をしに行くなら猶更です。なので、長靴とレインスーツ、傘があると良いです。長靴はスパイクピンがあるものが滑りづらくて良いです。寒い時期に雨が降ったレースではレインスーツを着ると多少快適かもしれません(蒸れて暑くなる場合もありますが)それに泥で擦れますので、ワークマンとかで3,000円位の上下を買えば気負わず着られます。観戦時も泥を飛ばされるのでレインスーツは必須ですw 軍手や作業用グローブを持っておくと、バイクの積み下ろしやヘルプする時に便利ですね。

ラダーレールとラッシングベルト
ラダーレールはトランポからバイクを降ろす為に必要な梯子状の板ですね。DRCとか各社色々出ていますので、収納性や値段で選んでください。どうしてもお金が無い!という人は工事現場用の足場とかでも可能ですが、クルマ側に掛ける為の爪が無いので下ろす時に外れやすい、載せる時もズレ易いという欠点はあります。ラッシングベルト(タイダウンベルト)はトランポにバイクを固定するためのベルトで、シンプルなバックル式はベルトを引っ張って固定するので楽で早いが、狭い場所でやりづらくチカラも必要。ラチェット式でベルトを絞めこんで固定するタイプは狭い場所やチカラが無い人でも使い易いが、固定や解放するのがシンプルなバックル式に比べて少しだけ手間です。

ガソリン携行缶(2ストレーサーならミクスチャータンクも)
公道車なら事前にガソリンスタンドで入れてからトランポに積み込んで…も出来ますが、レース中にピットインして給油する事もあるので、普通は携行缶にガソリンを入れて持って行きます。2ストで分離ではなく混合のバイクの場合はオイルを計測してガソリンと混ぜる用のミクスチャータンクも必要です。

また携行缶も20Lタンクだと直接注ぐのは重いので、10Lタンク2つにするとか、ピットイン時の給油用、混合ガソリン用に5L位の携行缶を別に用意している人もいます。
形も縦型、横型、円筒形などありますが、トランポ内での置き場所や安定感などを考えて選んでみてください。

あった方が快適に過ごせるグッズの紹介

ライディング用
パームプロテクター(手の豆防止)、真水500ml(真夏の時に頭やカラダに掛けたり、ラジエターの補水用として)、塩タブレットなど。

スケジュール管理用
防水の安い腕時計(バイクのハンドルに巻いておくとレースの残り時間が分かる。腕に巻くと走っている時に見づらい。アナログタイプが見やすいかと)、壁掛け時計(トランポに掛けておくとパッと目について時間管理に安心)、マグネット(トランポにコースマップやスケジュールの紙を留めておくのに便利)など。

清潔用アイテム
水を入れるポリタンク、ハンドソープ、ウェットティッシュ、ボディシート、目薬、コンタクトの人は替えのコンタクトレンズ、着替え(マディーだと下着まで泥まみれなので)やタオル、着替え用ポップアップテント(軽トラとかトランポ内で着替えられない人はあると便利)、洗濯物ハンガー(2daysレースだとジャージやグローブを干して少しでも乾かせる。予備のウェアがあるならいいけど)、45Lのごみ袋(汚れたウェアを入れる用)など。

救急用アイテム
テーピングテープ、絆創膏、消毒アルコール、痛み止め、正露丸、虫よけスプレーなど。最初にファーストエイドキットのセットを買って、後から足したり引いたりすれば良いかと。

休憩時用アイテム
キャンプ用の折り畳み椅子、テーブル、ガスコンロ、ヤカンや鍋、食器、クーラーボックスなど。

前夜祭用アイテム
2.5~3mのワンタッチタープテント、ストーブ、LED照明など。

前泊就寝用アイテム
テント、コット、マット、寝袋、湯たんぽ(秋のレースだと山の方は明け方氷点下に…)など。

洗車用アイテム
洗車機(会場によっては備えている所もあるが、無い所も多いので個人所有している人も多い。水も使える場所もあれば、無い場所では自らポリタンクで持参する)、レーシングスタンド、ブラシ、マッドリムーバー(泥掻き用しゃもじ)、オフロード用洗剤、ウエス、バケツなど。

7.レース当日(前日)の流れ

いよいよレースとなったら、まずは忘れ物が無いかの確認をしっかりと。ありがちなのは、ヘルメットやブーツ、洗浄して外したままのエアクリーナーフィルター、公道車ならバイクのキー。あとバイクのバッテリーが上がっていないように前もって充電して、積み忘れない事。ゼッケンも自分で作っていくレースが多いので用意を。出発当日だと慌ただしくて忘れやすいので、準備できるものは前もってパッキングしておくと安心です。

レース当日は朝が早いです。例えば、受付7時30分、ライダースミーティング8時30分、レース開始9時という感じで、ライダースミーティングの時には走れる準備が整ってないと間に合いませんし、受付時間よりも前に会場入りしていないと結構忙しい事になります。もちろん、参加するクラスによっては午後からだったりするし、土日2daysでクラス分けされていたらまた別ですが、時間の余裕をもって会場入りすると良いですね。余裕があるなら、前日から会場入りしてコース下見を済ませておき、パドックで仲間と前夜祭をするというのが楽だし楽しいです。(飲み過ぎと寝不足注意ですが)

朝食はレース前の2時間前位に食べておくと消化もされてエネルギーになるかなと。直前で食べ過ぎたり、食べなかったりするとやはり調子が出ません。レース中に携行食というのも、食べるタイミングや消化してエネルギーになるまでの時間を考えると、自分は事前にちゃんと食べておくというのが良いと考えます。レース直前はトイレも混むので、食べてトイレに行きたくなるというのも想定して早めに食べましょう。

バイクのチェックとして、ゼッケンはもちろん、ガソリンや冷却水、エンジンオイルは規定量入っているか?空気圧も事前に計っていたとしても、気温でかなり変化するので、朝一計ったとしてもスタート前に再度チェックを!

暖気もしっかりとしておかないとスタート直後にエンストしやすいです。暖気してから時間が空いてしまうと冷えてしまうので、スタート前に行いましょう。、エンジン掛かるかな~という場合でも、前夜や朝一に空ぶかしするとまだ寝ている人(エントラント以外に会場周辺に民家がある場合もありますので)もいたりしますので、時間を考えたり無駄な空ぶかしは控えるようにお願いします。

ライダー自身もスタート前に軽くランニングやストレッチをしてカラダを動かしておいた方が怪我や息が上がったりせず良いですね。オフロードはなるべく下半身や体幹の筋肉を使って乗る事が望ましいですが、そうはいってもクラッチの操作や路面からの衝撃を抑えるので腕の筋肉を使う事で腕が張ってしまう(パンプ)ので、4armstrongという器具を使って筋膜をストレッチする人もいます。

自分のクラスのレースが始まる10~15分前位からコースにゼッケン順に入場し、大体10~20人1列で並んでいきます。レーススタートはまだだからと遅れないように。レース開始時刻が来たらフラッグが振られて、1列ごとにスタートを切っていきます。

最初は混戦状態で抜きつ抜かれつしますがあまり気にしなくて大丈夫です。そのうちコース上での難所が出てきて渋滞します。そこでどう上手く抜け出せるか?失敗したり、待ちぼうけして時間をロスしないかが大きなカギとなります。前の人にベッタリとくっ付くとハマるだろうし、かといって間を空けていると後ろから他のライダーに入られる。そして、無理していった結果失敗してリカバリーで体力と時間を失う…。

上手い人はスルスルと抜けたり、他の人がいかないようなラインを行ったりします。技術の差や経験の差といったものが、バイクの性能以上に物を言う競技がオフロードです。最初は全然走れなくて悔しくても、そうした上手いライダーの走りを見て、自分もいずれはこういう走りがしたい!とトライアンドエラーを繰り返しながらレースやコースでの走り、前夜祭を楽しんで欲しいと思います。入賞とか順位とかは上手くなればそのうち付いてきますので、無理せず怪我せず続けてみてください。

noteの記事による知識だけではなく、定期的に開催しているSLORIDE(twitterで随時告知していますhttps://twitter.com/SL230_Enduro)に参加して頂けると基礎の部分や、実際の走るシーンを想定した内容を練習する事が出来ます。またページ下の「サポートをする」ボタンを押して貰えると活動を続けていくモチベーションが上がりますw
今後も宜しくお願いします!

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