ボアアップ&ポート加工
これまで足回りや吸排気など色々なカスタムを施してきましたが、いよいよ最後の砦となるエンジンに手を入れる事にしました。
キャブやマフラーを変える事でも音量制限で抑えられていた分のパワーや特性を変える事は出来ますが、混合気を吸い込んで吐き出す部分であるエンジンに手を入れない事にはその効果も真に発揮されないという事に気づかされた訳で…より燃料を燃やす為のボアアップ、そこにより混合気を送る為のハイカムとポート加工で根本的なパワーアップを図ります!
で、ひと昔前だとFTR223用のボアアップキットやハイカムがあったと思いますが、無いのでここでもCRF230F用の物をAliexpressで購入しました。金額はボアアップキット(シリンダーとピストンとガスケット)+ハイカムで送料込みで1.4万円位でした。
ピストンはショートスカートでハイコンプっぽくて期待できそうです。
とりあえず良く洗車して泥を落としてから、タンク、マフラー、キャブ、チェーン、アンダーガード、配線類を外す。
エンジン下にジャッキかましてからフレームとエンジンを固定しているボルトを外して、引っこ抜けば準備完了。
後の細かい部分はサービスマニュアルに従ってボルトを外して、シリンダーとピストンをボアアップキットの物に交換して組み直すだけ。
ボアアップだけならそれでお仕舞だけど、ポート加工があるのでシリンダーヘッドを掃除(セッティングが濃過ぎたせいでカーボンがベッタリ)した後でリューターで削る作業の方が手間が掛かりました。
油とカーボンにはアルカリで落ちるって事で、身近にあったオキシクリーンに漬け込んで軽く温めてから真鍮ブラシでひたすら擦る。
キレイになったら後はリューターに超硬ビットを付けて、吸排気ポートを削る。
削る前の吸気ポート。
削る前の排気ポート。
バルブガイド周りがこんもりしている部分を削る訳だけど、あまり削り過ぎて下がスカスカになるのもアレなので抑え気味に削ってみた。ツルツルに磨くのは面倒なので適当です。
削った後の吸気ポート。
削った後の排気ポート。
で、ボアアップされたシリンダーにポート加工したヘッドを載せて、CRF230Fの純正カムからCRF230F用ハイカムに変えて組んだら、タペット調整(リフト量が違うのでクリアランスが狭くなってた)をする。
あとは、フレームにエンジンを載せて、外していたパーツを元通りにすれば完成です!エンジンを掛けるまではドキドキしますが、無事に一発で掛かった時は安堵しますね。初めは組んだ時のエンジンオイルがシリンダーに溜まっているので安定しないですが、ちょっとエンジンを回していたら安定しました。
で、ここからまたセッティングをし直す必要がある訳ですが、結果としては大幅な変更が必要ではありませんでした。とりあえずどれ位変わったか分からないし、アタリが付いていない状態で薄い状態だったらマズいので、MJとSJを1番手づつアップ(MJ110、SJ35)して様子見。
まずはアイドリング時のセッティングって事で、エンストしない程度にアイドルスクリューを緩めて、その後エアスクリューを時計周り、半時計周りに回して回転が高まる部分を探す。アクセルは回さず(回すと他の領域の影響で分からなくなる)エンジンを1分程度掛けてから止めてプラグの煤をチェック。プラグの縁に煤が付いており、回転も少し安定していない為、SJを下げます。SJ32に下げると回転が高まったのでアイドルスクリューを緩めて再度エアスクリューで調整し、プラグで煤を確認した所、煤も無く回転も安定しているのでOK。
アイドリングが安定したら次にアクセルをじんわりと微開度で開けてみます。微開度で回転が落ちるようなら明らかに濃いし、アイドリングから急開した時に付いてこない時は薄く、付いてくるけど重たい音なら濃いという事になるが、問題無いのでニードルやクリップを弄らずとも良さそうです。開け始め~中間のツキやトルク感はボアアップで今までと比較して格段にアップしているので今のセッティングがベストかまだ分からないですが、ニードルを詰めていけば更に良くなる可能性はあります。
あとは全開域での伸びやパンチがどうかですが、まだ慣らし中という事もあって回していないですが、今までよりも先がありそうな回転上昇してますし、中間までの加速もパワフルになっているのが確実に感じられます。キャブやマフラーを交換した時もツキや伸びは変わったけどパワー不足感は拭えないという感じがしていましたが、今回のボアアップは明らかにチカラが増した感じがします。ローコストですが費用対効果は抜群です。あとはどれだけ耐久性があるかという事ですね~壊れない事を祈ります!