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私立校 働き方改革すすんでるよ

一般企業だから

学校法人とはいえ、公務員ではないので、一般の企業の労働基準が適応される私立。いわば、教育はサービス業。自分の職場でも2019年に向けて社労士を入れ、いろいろな改革を進めていた(と思う)。
何よりも、定時後の勤務に時間外手当がつくようになる。今まで平気で職員室に21時22時・・・と残って思う存分(?)お仕事をしていたが、それがすべて残業代になったら学校は潰れてしまう!ということで、早く帰れ!残業は申請して認められたら許可・・・ということになった。

アレのおかげで加速!

それまでは、暗くなってから学校を出て当たり前、定時にタイムカードを押すのは事務方と、一部のやる気のない教員たち・・・という、長年しみついた価値観がはびこっていた。生徒が帰ってから、自分の仕事をやるという習慣もついていたし、打ち合わせや会議が当たり前に19時くらいから行われ、さらに職員室で若手の教員の悩みなどをお茶しながらじっくりと聞いてあげたり、夜まで保護者と電話してたり・・・もちろん部活動の先生は、20時くらいまで練習、体育館もグラウンドも煌々と明かりがついている。
これを一気に定時でさあ帰れ!って本当にできるの?暴動が起きちゃうよ・・・
って思ってたら、ここでコロナの流行。学校が休校になり、教員は家や学校からリモートで授業をすることに・・・。当然授業以外の業務がかなり軽減されるので、ここで一気に定時退勤が加速。明るいうちにタイムカードを押して学校を出る罪悪感は瞬く間に消え去り、一度染みついた早帰りは、生徒が戻ってからも教員に残り続けた。なんというタイミング!

もはや戻れない

一度早く帰れることに慣れたら、もうベクトルはそっちだ。なんてったって、定時でタイムカードをピッしていいのだ。自分もこれまでたとえ帰れる日でもためらうことが多かったのに、定時にタイムカードの前に行列ができる日が来るなんて・・・
教員同士の様々な打ち合わせや会議でも、時短の方向に物事がふれ、やらなくてもいいことはやらない、とか、無理して盛り込まない、など平気で口に出せるようになった。行事の前でも1時間くらいの残業。校外学習は定時前に帰着できるスケジュールで。保護者との電話も定時までで、ある時間になると留守番電話に代わるように。ペーパーレス化で会議資料はクラウド、教員のコミュニケーションはチャット。生徒の情報はセキュリティの信頼できる社内アプリで共有・・・といったようにIT化も進み、顔を合わせなければできない、ということがかなり減った。

部活動への対応

これはかなり制度を工夫したのだと思う。私立校は部活動の強豪となっていることも多く、顧問も長年担当し続け、部活なしでは教員をやっている意味がない!とまで言う方々もいる。一方で、若手教員は思い入れも特になく、自分の得意でもない部活に休日を潰されることに不満の声も多く、自分もよく、「婚期逃しちゃいますよー」って泣きつかれていた。
そこで、学校側は、部活担当1軍みたいな教員と、2軍3軍の教員とを、モロに切り分けた。1軍教員は、放課後の時間、ある程度まで(好きに)やってよい。ただし、平日の昼間に、空き時間を設けてそこは勤務外とする。休日の試合なども1軍の教員には手当を出すが、必ず振替休暇をとれ、と。平日の昼間、勤務外にされても、なんか仕事っぽい感じになっちゃう、とかならないのかな、と思っていたら、とりあえず、思うようにやらせてもらえるだけでありがたい教員たちなので、全く不満は出なかった。一方2,3軍の教員は、ひと月当たりの時間外手当の上限を決められ(マジ部活の第二顧問は少しだけ、ゆる部活の顧問はほぼゼロ、のように)、元々あまり熱心でないわけなので、こちらもありがたく不満なし。

加速するするー

仕事の終わりが決められると、一日中本当に突っ走っている。1分たりとも無駄にはできないから、次から次へと仕事を片付ける。生徒と話をする時間も限られてしまうので、どのタイミングで誰に何を言うかをスケジュール立ててやらないと間に合わない。生徒とのやり取りもIT化されたので、プリントの解答などはアプリにアップすれば済んだりして、配布の必要もないから、大量の印刷をする時間も省略された。保護者への電話も17時までに通じなければまた明日っていうことにしちゃってよい。
教員同士の会話も減った。みんなパソコンに向かってカチャカチャやっている。会話もチャットだから、コミュニケーションはとっているのだろうけれど、表面化しないからちょっと不気味。一部の年配の先生方からは「何でもパソコンの世界になっちゃったなぁ」なんてぼやきが聞こえるけど。

昔話となってしまった、夜の職員室での本音トーク。管理職が帰ってから、コーヒーとお菓子で若手が中堅どころに悩みを話し、昼間は強面の教員も、自分の若いころはねぇ、なんて話し出す。若手は経験が少ないのに、現場に放り出されて色々とまどっているけど、夜のお話会で、明日もがんばろ・・・ってなる。時々そのまま、飲みに行くか!ってなったりする。今はほぼその光景はない。

でも、この前2年目の教員が、「自分の大学の同期は結構公立の教員になっていて、話を聞くとみんなすごく大変そうでした。ボク私立で本当に良かったです。」と笑顔で話していた。そうだよね。悩み聞いてもらうより早く帰って好きなことしたほうがいいよね。

私立も教員不足だから、どんどん若手が増えてくれないかなぁ。結構働き方改革進んでるよー。


きてきてー


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