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上位クラス担当しないと認められないんですか?と若手に聞かれた

 いや、確かに私学のキモは進学実績なんだけどね。だから、上位クラスの生徒がどんな成果を出してくれるか、は常に学校の、特に管理職や経営陣の注目を浴びるところで、話題にもされるし、担当の先生はあちこちから声もかけられる。その他は、部活動などで華々しい成果を上げた場合、顧問とかが注目されるだけだしね。フツーのクラス持ってて、一生懸命フツーの大学に入れても、その他大勢扱いで何なのつまんない、ってなるよねーーー。

 まずね、上位クラスは、学校に入ったたくさんの生徒の中での選り抜きなわけで、例えば中位のクラスの先生が頑張って手塩にかけてそのクラスの上位の生徒を育てたら、学年が上がるときに、上位クラスに持ってかれちゃうのよ。で、上位クラスから、ちょっと疲れちゃった失速しちゃった、って生徒が下のクラスに降りてくるので、その子の面倒を見ることになる。だからね、高3の時の上位クラスって、いろいろな先生の努力の結果の詰め合わせみたいになってんの。もちろん頭ではみんなわかってるんだろうけど、結局その上位クラスの担任の手柄みたいにとりあげられるからね、なんか割に合わない気持ちになることもあるよね。
 上位クラスを持つ担任の度量にもよるので、「いや、これは自分だけが出した結果ではなく、本当に多くの皆さんのおかげです」ぐらい言ってくれればいいんだけど、中には完璧「自分のおかげ!」ってやる人いるからね。そんなんがちやほやされてるとなんかねー。教科担任のおかげでもあるので、そういうとこは気を付けないとねー。

 でさ、この学校でそういうことに注目して働いてると、ついつい忘れがちになっちゃうんだけど、自分はどこを見て働くセンセーになりたい?ってこと。進学実績には大学合格者の「数」が載るけど、いわゆるフツーの大学に入った子はただの「プラス1」にしかならなくて、話題にもならない。でも、それはその子にとっての大切な人生のステップなんだよね。
 大学なんて考えもしなかった、自分の進路のゴールをそんなに高く持てなかった生徒に、いろいろな可能性を見せてあげて、はげまして、時にはキツめの言葉をかけて、一緒に大学探して、親説得して、時には推薦書書いて、面接の練習して、合格を一緒に喜び合ったことも、学校側からすれば「プラス1」。でもその先生と生徒にとっては、生徒の人生を一緒に作った大事なプロセスと時間。そんな一つ一つのことを大事にしていけばいいんじゃないの?

 もっと大きな目で見れば、毎日学校に来なよ、勉強しなよ、ってメッセージ出し続けて、休みがちな子に何度も面談して保護者の相談にものり、ちゃんと軌道に乗せて受験させて大学への道を歩かせることだって、その後社会に出て働ける基礎を作ったことになるのよ。ちゃんと働ける社会人を増やしてる、って日本の基礎作ってるってことだよ、なんて壮大な仕事!!って考えてみたら?

 そのうち、自分らしく働くにはどのポジションがいいのかが、見えてくるかもねー。

まずは足元の土を耕す

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