被害妄想の作り方
息子と話していた時の事。
何のことだったかはすっかり忘れたのだが、会話の途中で口ごもった私に突然
「どうせ俺に話してもわからないってか!?」
と言われた。
全然そんなことではなく、私はただ、息子にどう伝えたら伝わりやすいのか、言葉を選んでいたのだ。
そのことを伝えたらよかったのだが、私は息子にいわれもないことでキレられたのが嫌だったので、
「私の事、そんな風に考えてるって本気で思ってる?」
と聞くと、
「いや…考えないと思う」
そう、それは息子の被害妄想だ。
そのことがあってから、思い出したことがあった。
それは旦那と結婚してすぐの頃。
姉が泊りがけで遊びに来ていた。私がお風呂に入っていたら、二人の笑い声が聞こえた。
『あれ?今二人で私の悪口言ってる?』
別に会話の内容が聞こえたわけではない。なのになぜかふとそう思ってしまった。
思ってしまったら腹が立ってきて、風呂上がりに突然キレてる私に、二人は混乱していた。
これこれ、完璧被害妄想!
私は悪口をいう人間だった。自分に自信がなく、人を悪く言うことで自分のほうがましだと思う人間だった。
そしてその一方で、自分は悪口を言われても仕方のない人間だと思っていた証拠だ。
こうして被害妄想ができていたと今は冷静に思えるし、自分って本当に…と恥ずかしく思う。
息子には同じ轍は踏ませたくないと思う反面、これもまた、経験したからわかることだよな…と思う自分もいて、やっぱりそっとしておこう。