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小学生の時ほど嫌な時期はなかった
小学五・六年の頃、私は学校を休みがちだった。
昭和の頃の小学校の教師は、それはそれは恐ろしく(もちろん優しい先生もいたけど)、そのクラスはまるで軍隊のようだった。
例えば毎日の山のような宿題とミニテスト。
ミニテストの結果は、相撲の番付のように順位をつけられる。
ほかのクラスよりも早く登校して行われる、体力づくりという名の運動時間。
運動全般が苦手だった私には、苦痛以外のなにものでもなかった。
忘れ物をしたらプラスチック製のおもちゃのバットでおしりを叩かれる。しかもフルスイング。今なら考えられない、紛れもない体罰。
放課後のルールも細かく決められていた。
自転車の乗り方、外でおやつを食べてはいけない。放課後寄り道をしてはいけないなど。
しかも何が一番嫌だったって、ルールをやぶった人を目撃したら、次の日の朝、報告する人がいたということだ。
黙ってたらいいのに、なんで言うんだろう。
言った人には、なんのメリットもない。それどころか、自転車関係のことだったら、ルールを破った人は一週間、クラス全員が一日自転車に乗れないと決められていた。
そして、ルールを破った人には、当然のように体罰もあった。
なのに、なぜ?
全く理解できないし、馴染めない。担任のこともそのクラスも大嫌いだった。だからといって反抗もできない私は、休みがちになった。
中学生になってから、あの当時同じクラスだった子が
「あの先生、良い先生だったよね」
と話していたのを聞いて耳を疑った。何を思ってそう言っていたのかはわからないが、本当に価値観って人それぞれだ。
時代がかわって、体罰はさすがになくなったけど、相変わらず小学校にはルールが多そうだ。
そりゃ管理する側からすると必要なルールもあるだろうけど、みんなと同じことを同じようにやるって事が、とても難しかったり苦痛だったりする子もいる。
担任が特殊だったってのもあるけど、あの頃の私もたぶんそうだったんだろうな。