10.発情
「ま、そんなとこかな。」
語り終えた後、わたしは明るく言った。
サトルの部屋。
狭いシングルのパイプベットの上で、サトルとわたしは添い寝していた。
お互いの心の内にある、塊みたいなものを打ち明け合った。
偶然、運命的に出会った『友人』サトル。
何故サトルには全て話せてしまうのだろう。
わたしは、何を話しても自分自身を受け入れてくれるサトルの包容力に甘えていたのかもしれない。
だが、何故か自分自身も、サトルの過去を受け入れられるのだ。
恋でもない、不思議な感情。
親子のような。姉弟のような。
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