あかつきの頃
大好きな曲の題名である。
唐突だが、わたしは幼い頃から『暁』という漢字が好きだった。
何故、両親はこの漢字を自分の名前に入れてくれなかったのかと、改名する気満々で、広告の裏の白紙に何度も『暁』の名前を書いてみた幼少期を思い出す。
いや。今でも改名したいと、ふと思う時がある。
「親がつけてくれた名前に感謝しなさい」
空から声が聞こえてきて、ごめんなさいと思う。
おそらくこれは、魂が潜在的に好きな言葉のうちのひとつではないかと感じているが、何故好きなのか。こればかりは、自分自身もわからない。ただ、理由もなくこの「漢字に」惹かれる。そんな感じだろうか。
太陽が起こす光の奇跡は、時に内部から激しい感情を湧き上がらせ、涙さえも産む。
そんな、大好きな太陽の光の風景を表してくれているのが『暁』なのだと思う。
太陽は万人を、平等に照らしてくれる。そのはじまりの『あかつき』なのだと感じると、毎朝の光が尊くなる。
『あかつきの頃』
今は無きアコースティックバンド「MOTO」。2005年に発表された『素暦』という名盤の1曲目のこの曲は、凄まじいインパクトで始まる。
このアルバムの楽曲を手がけ、歌い手でもあるサトコさん。彼女の力強く繊細な歌声や、奏でる楽器の音にはいつも力をいただいている。
彼女の本名は『暁子』。この曲は凄まじい人生を歩んできたサトコさんが、自分自身にあてた曲に思えてならない。が、聴く人々にも、沢山の光と勇気をもたらす。ありのままの、正直な歌声である。
残念ながら、このアルバムは既に廃盤となっているため、歌詞のみをここに記録す。
あなたの心に、今日を生きるための一筋の光が照らされますように。
「さまよえる私を 探し出すのは私
あかつきが産まれる頃に
体のリズムが叫び出す
もう二度とこない今日の朝
いつも 新しく目覚めてる
たったひとつの私を動かしているのは
私以外にはないのだから」