(感想)映画「くじらびと」を見ました
実はマイナー配給、ミニシアター系を見るのが好きです。
予算が決まってるからこそのリアルや工夫が見えてくるので、学ぶことが多いす。
今回見たのは、インドネシアの小島で捕鯨をして命と富を繋いでいる民族のドキュメンタリー映画。「くじらびと」監督・撮影はカメラマン:石川梵
船に乗り込み乗組員としての目線。ドローンによる上空からの撮影で、戦略的な陣形とクジラの追い込み方を使い分けて、リアルに迫力が感じられました。
印象的だったのはクジラ漁のシーン。CGではなくリアルの人間とクジラとの戦い。伝統的な手作りの木製の手漕ぎ船と銛(もり)だけて漁に挑みます。
銛を打てば、クジラの断末魔とともにヒレを叩きつけられる。船が壊されたり、海に引き込まれて漁師が死ぬこともある。後に解説やインタビューサイトで知ったのですが、あえて伝統的な最新技術・機械に頼らないのは、捕りすぎない為と知りました。
彼らなりに、自然や生物のあり方に向き合っているのだと思います。
劇中は漁のシーンと、島の住民の日常シーンを繰り返します。
以下は、印象的だったシーンやセリフです。
漁で獲たものを市場で物々交換する。たったクジラの肉一切れが、バナナ12房と交換ができる。
年間10頭のクジラが獲れれば、1年分民族を養うことができること。
ある住民は、同じインドネシアのセブ島で暮らしていたことがあったが、金ありきの生活が嫌になり、故郷で漁師になった。
漁の文化は引き継いで行ってほしいが、子どもにはまずは学校に行かせたいと思う親のコメント。
「スラマッパギ」などのインドネシア語が聞こえたが、儀式や民謡は現地語が使われていると思われる。エ
などなど、民族学、食育、自然、様々な要素のある映画でした。
捕鯨については、何かと社会的に問題視されることもありますが、
先祖代々、海で魚を捕り、食卓の主菜としてきた日本人は見るべき映画だと思います。