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マンガ「正直不動産」、大家さんの立場から読んだ感想(第3巻)

 ネットで「正直不動産」って検索したら、そのものズバリの店名の不動産屋さんがあった。岡山県倉敷市。元公務員の方が経営しているようだ。勝手に親近感w


1.第3巻のコンテンツ

  1. 使用貸借(後編)

  2. 融資特約

  3. 預かり金

  4. あんこ業者

  5. 借地権

2.読後の感想

 「あんこ業者」って用語、知らなかったので勉強になった。売主側の業者(元付け)と買主側の業者(客付け)との間に入る”中間業者”。「あんこ業者」は元付け側から情報をもらって複数の客付け側に流し、成約したら元付け側から幾許かの手数料を受け取る…。
 ワタクシは、売主としても買主としても何度か不動産取引をしたことがあるけど、契約の場に「あんこ業者」がいたことはなかった。まぁ、その場にいなかっただけかもしれないけど。

 この章では「あんこ業者」を使ってマンションを最も売った社員がクビになる。「あんこ業者」の存在は違法ではないのだが。クビになった理由は「あんこ業者」と結託し、その社員が私腹を肥やしていたこと。「キックバックくらい、どこの不動産屋でも」と言った社員に対して主人公の永瀬の上司、大河部長(ドラマでは、シソンヌの長谷川忍さんが演じた)が、「会社の看板で私腹を肥やしておいて、その言い草はなんだ!」と一喝。小細工は必ずバレる…。

 ワタクシは公務員を辞めてから9か月ほど地元のビル賃貸業の会社に勤めた。不動産賃貸や管理を学びたかったからだ。
 在職中、突然、クビになった先輩がいたことを思い出した。仲介業者からのキックバックを報告せず、自分の懐に入れていたのがバレたのだった。優秀な先輩(ワタクシより年下)だったがスタンドプレーが多くて社長が目を付けていたらしい。もったいないなぁ、という思いより、「これが不動産業界かぁ」と、身が引き締まった記憶がある。

3.第3巻のイチオシフレーズ(個人的に)

「終の住処なんてないんです。(中略)・・・本当に大事なことは、どこに住むかより誰とどう住むかだと思うんです。」(by永瀬の後輩、月下咲良)

 これが言えたら相続が「争族」にならずに済んだのかな…。