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奇跡の1枚 藤井風「LOVE ALL SERVE ALL」と脳内妄想カバーアルバム

ここ1か月ほど、藤井風のセカンドアルバム「LOVE ALL SERVE ALL」を毎日のようにヘビロテして聞いている。

実は私は藤井風さんの熱心なファンというわけではない。
1stアルバムも発売からしばらく経ってから聞いて「若いのにすごい才能の人が出てきたなー」と思ったけれど、その時はなぜかそこまでどハマりせず、雑誌のインタビューを追いかけたり、動画を片っ端から見たりするような熱さもなかった。

このアルバムも、偶然発売直後にレンタルショップにいったら(昭和の人間ゆえ、便利で早いとわかっていてもどうも配信やサブスクではなく現物のCDで聞こうとする習性のため、定期的にレンタルショップをチェックしているのだ)「藤井風ニューアルバム〇月〇日レンタル開始」と書いてあって、そこで初めて「あー、新譜が発売になったんだ」と気づいたくらいだ。
でもそれを見た途端になぜかレンタル開始までの2週間くらいが待てない、今すぐ聞きたいという衝動に駆られてその勢いのまま購入した。
結果大当たりだった。まさかの全曲ストライクゾーン。

いくら好きなアーティストのアルバムでも、大抵は好きで何度もリピートする曲とあまり聞かない曲の濃淡は出てくる。
個人的な基準は、10数曲のアルバム中、何度もリピートしたい曲が2曲あれば当たり、3曲もあれば大当たりで、全曲ストライクゾーンということはまず、ない。
そういうアルバムに出会えるなんて10年に一度あるかないかだ。
そして「LOVE ALL SERVE ALL」は、まさかの全曲何度も聴きたいという10年に一度の1枚だった。

世間的な評判は1stの「HELP EVER HURT NEVER」の方が絶賛されているっぽいけれど、私個人の好みとしては「LASA」の方が特別な1枚という感じ。

それぞれの曲調が似ているわけではない。バラエティに富んでいるのに1曲たりとも「ちょっと違うんだよなー」という曲がない。

普段、作業用に過去30年くらいに渡るさまざまなお気に入りの曲を集めてかなり長めのプレイリストを作って聞いているのだが、1人のアーティストの1枚のアルバムなのにそのお気に入りプレイリストの一部を聞いているような不思議な感覚。

そして、どっぷりはまって何度も聴いているうちに、ふと藤井風さん自身は色々な人の歌をカバーしているけれど、逆にこのアルバムの曲を他のシンガーがカバーするとしたら誰に歌ってほしいだろう?という思いが浮かび、考え出したら止まらなくなってしまってついにレジェンドシンガー達に脳内で「LASA」の曲を歌わせる妄想カバーアルバムが出来上がってしまった(あくまで私の脳内で)。
なんだかヤバい人みたいだが、脳内再生ではなかなか良い感じなので勝手にここで公開してみることにした。


「LOVE ALL SERVE ALL」脳内妄想カバーアルバム

  1. きらり / 山下達郎
    この晴れた夏の日の海岸線をドライブしているような爽快感、と言ったらやっぱり達郎さん。AH-AH-AH-AH-♪ と転調しながらどんどん上がっていくところを達郎さんの声でも聞いてみたい。

  2. まつり / 玉置浩二
    これ、絶対ヤバいと思いません?玉置さんの声でサビの部分聞いたらゾクゾクすると思う。いつか玉置浩二ショーで、この間のサウダージみたいな感じで藤井風くんとコラボでこれを歌ってほしい。

  3. へでもねーよ / 米津玄師
    不思議な中毒性のある曲。ちょっとダークな感じが米津ワールドと会いそうな気がします。

  4. やば。 / 久保田利伸
    歌詞が深くて、まだちゃんと理解はできないんだけど(墓の意味とは?とか)サウンドは最高に甘くて心地よい。こんなメロウなR&Bはやっぱり久保田でしょう。

  5. 燃えよ / 桑田佳祐
    これは音源として聞きたいというより、ライブで桑田さんが動き回って観客を煽りながら歌ったらブチ上がるだろうな、という妄想です。

  6. ガーデン / 星野源
    女性ボーカルでも合いそうな曲ではあるけれど、ここは最初に頭に浮かんだ源さんで。この穏やかな感じ、歌詞の世界観もマッチしそう。

  7. damn / 岡野昭仁 or 岡村靖幸
    これは2人とも聞きたくて、そして脳内再生ではどちらも良くて1人に絞れませんでした。どうしても1曲にするならAメロ→岡村ちゃん、Bメロ(サビ)→アキヒトで。

  8. ロンリーラプソディ / 椎名林檎
    最初男性シンガーで誰が合うかな?と考えていたところ、唐突に脳内で林檎姐さんが歌いだしました(吐息成分多め)。最高だった。今回唯一の女性ボーカル。

  9. それでは、 / 小田和正
    これは小田さん一択。目を閉じてピアノを弾きながら歌う姿が目に浮かびます。そのまま明治安田生命のCMでもいけるのでは?

  10. “青春病” / スガシカオ
    インパクトのあるタイトルに「青春はどどめ色」というインパクトのありすぎる歌詞。LASAの曲の中で一番歌う人を選びそうな気がするけど、スガさんなら「元から僕の持ち歌ですが?」的な感じで歌ってくれそうな気がします。

  11. 旅路 / 山崎まさよし
    この曲はほっとする感じの暖かい声の人に歌ってもらいたいな、と思っての山崎さん。聞き終わったら安眠できそう。


…なんだか全部メインディッシュな感じの濃さですな(笑)

改めて聞きこむと風さん自身も曲調に合わせてかなり歌い方や声のトーンを変えている。
この若さで色々すごい。
たぶん私はほとんど彼の親のような世代だと思うのだけれど、そういう上の世代のストライクゾーンど真ん中のサウンドを若い彼が生み出してくれてるというのが不思議でもある。

10~15年くらい前だろうか。音楽がだんだんメロディーよりもビート重視な感じになりヒットチャートはアイドルグループかダンスヴォーカルグループが占めていた頃、「もうこれから新しく出てくる世代の音楽にはついていけないかもしれない、こうやって人間年を取っていくのか…」と思い、昔から好きだったアーティストが新譜を出した時しか聴かない、というような時期があったのだけれど、ここ数年、藤井風さんとかヒゲダンとか、自分の世代でもハマれるどころか何だかちょっと懐かしい感じさえするメロディアスな楽曲を生み出してくれる若い世代のアーティストが出てきてくれて、また新しい音楽にワクワクする気持ちを取り戻すことができた。

何だろう、1周まわって、て感じなんでしょうかね?
まだこれからどんな音楽を生み出してくれるんだろう。
うん、そのうちライブも行きたいし、体力つけて長生きせねば。


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