マンガ感想文
「岡崎に捧ぐ」山本さほ 全5巻
山本さほと 岡崎さんの
バカでふざけてて、
くだらないけど
心の奥からあたたたまる
友情物語。
筆者 山本さほの自伝的マンガ。
おそらく、
1990年代を小学生時代として過ごしている、筆者と私が同世代のせいか、
時代の細かな描写が懐かしすぎて
それだけでノスタルジー!
あの頃は、
社会全体が今より全然細かくなくて、
友人関係も、親子関係も、親同士の関係も
テキトーな距離感だった
ネグレクト気味な岡崎家に入り浸り、
ゲーム三昧。
お腹が空いたら その辺にあるモノを探して食べて
ノリで泊まっちゃう。
親同士の詮索し合いとか、
お返しとか、お礼とか、何かあったら困るとか、そういうのもナシ!
自由だった。
今だと考えられないよなぁ。
学校で
イタズラしたり、
部活でふざけたり、
今はそんなことやる人も、
いたずらする余裕も、
うけとめてくれる社会もないような、、。
いや、当時だって
受け止められてた訳ではなくて
それなりに叱られてただろうな、、笑。
山本さんの
天性のイタズラ好きとか、おてんばとか
のびのびとか、
そういうのもあるけど
そういう時代。
懐かしくもあり、
寂しくもあり。
そんな山本さんが、
成長するにつれて、
こじらせ、迷い、挫折し、
理不尽な目に遭い、、、
可愛らしい画風とは裏腹に
辛い大人の社会の不条理を知る
数々の体験談。
共感だらけで、痛いほど。
それでも山本さんには
いつも岡崎さんがいた。
岡崎さんはいつだって
120%山本さんが好きで
山本さんはそれを知ってて
いつだって自分でいられて、
安心して好き放題にできていて。
岡崎さん♡→山本さん
このやじるしは デフォルトだった。
でも いつのまにか
山本さんは気がついた。
自分がどれほど
岡崎さんに頼ってて
岡崎さんを失うのが怖いくらいに
岡崎さんがスキだってこと。
気がついたけど、
きもちわるいし
恥ずかしくて言えやしない。
だから
漫画にした。
「岡崎に捧ぐ」
岡崎さんが
山本さんを大好きでいてくれるように、
山本さんも
岡崎さんと過ごした時間が
何よりも宝物で
自分の中で、ずっと光りつづけてた。
色あせない景色を
色も温度もそのままに
漫画にしたんだ。
だからこんなにも
温もりがあるんだと思う。
山本さんと 岡崎さん。
漫画の中の友情は
思い返せば、自分の周りにもあって。
2人ほど密着度はなくって
日々に追われて忘れてたけど、
そういえば
あの子どうしてるかな
ひさしぶりに
バカなメッセージでも送ってみちゃおっかな
って
そんなあの子を思い出せるような
また、会えちゃうような、
そんな漫画でした。
友だちは、宝だ。