混植ってなに? Fluxと日本語フォントを組み合わせてみよう!【合成フォントサンプル】
みなさまこんにちは。kern typefaces デザイナーの小柴(@ririridesign)です。
突然ですが、「混植」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? もともとは種類の違う植物を一緒に混ぜて植えることを意味しますが、印刷・出版やデザインの世界では、複数の異なるフォントを組み合わせて使うことを指す言葉として使われてきました。その中でも、日本語フォントと欧文フォントを組み合わせることは「和欧混植」と呼ばれています。
今回はkern typefacesのフォントFluxと日本語フォントの和欧混植例をご紹介します。IllustratorやInDesignなどのAdobeソフトの「合成フォント」(組み合わせをひとつのフォントとして扱える機能)の設定サンプルも掲載しますのでご活用ください!
合成フォントの機能や設定方法については、ヒラギノフォント公式noteさんがこちらの記事で詳しく解説されていますので、ぜひ参考にしてください。
それでは早速、Fluxと日本語フォントを組み合わせてみましょう! 今回はFluxの100: Sansから500: Extra Serifまでの5つのスタイルと和欧混植します。日本語フォントは、オープンソースの「Google Fonts」や、Creative Cloudを契約していれば追加課金なしで利用できる「Adobe Fonts」で提供されているフォントを中心にセレクトしました。
100: Sans + BIZ UDゴシック
BIZ UDゴシックは、「文字の形がわかりやすい」「文章が読みやすい」「読み間違えにくい」をコンセプトにユニバーサルデザイン(UD)フォントとして開発されたフォントで、文字の要素を極力省略してクリアに見せているのが特徴です。ディスプレイ性を抑えて汎用性を目指したFluxのSansと合わせることで、すっきりとした読みやすさ実現します。
200: Flare + 源ノ角ゴシック
源ノ角ゴシック(Noto Sans Japanese)は、先にご紹介したBIZ UDゴシックとは異なり、一画一画の描き始め・描き終わりで線幅が少し太く処理されています。これが、FluxのFlareの先端にかけて広がっていく膨らみと相性が良く、温かみのある表現ができるコンビネーションです。
300: Semi Serif + TP明朝 ローコントラスト
TP明朝は、縦画と横画の太さのコントラストを選択できる明朝体です。TP明朝のローコントラストとFluxのSemi Serifは線率が近くよく馴染みます。こちらはGoogle FontsやAdobe Fontsにはないフォントではありますが、個人的に好きな組み合わせなのでご紹介させていただきました。
400: Serif + ヒラギノ明朝
ヒラギノ明朝は、筆文字の上品な美しさと現代的でシャープな表情を持ち合わせる明朝体です。Fluxのセリフが目指したモダンさや流麗さとよくマッチします。
500: Extra Serif + リュウミン
リュウミンは、モリサワが開発した明朝体で、金属活字をベースにしています。彫刻刀で彫ったハライや点のシャープさに由来する造形が、FluxのExtra Serifの鋭く長いセリフと親和性を持ち、上品で洗練された印象になります。
いかがだったでしょうか。Fluxと日本語フォントを混植することで、デザインの幅が大きく広がります。ぜひこちらの記事を参考に混植にチャレンジしてみてください! 紹介した組み合わせで設定いただくのはもちろん、アレンジいただくことも大歓迎です。慣れてきたら一から組み合わせを考えるのも楽しいです。Fluxと合うおすすめの日本語フォントがあったらコメントで教えてください!
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