ふだん使いの万年筆
万年筆は10本ぐらい持っていて、今はそのうちの3本を毎日使っている。3本ともパイロット社製の金ペンで、メインはキャップレス・マットブラックの細字。すぐ書き出せて、そしてすぐしまえるので、仕事中でも便利で、メモからノートと何にでも使う。
2本目はカスタム74の中字。毎日、原稿用紙2枚分、字の練習を兼ねて、文章を写すときや、旅先で絵ハガキを出すときに使う。
この2本は、セーラー万年筆のベテラン・ペンドクターの川口正明さんに調整してもらったので、書き味が抜群によい。
3本目が、カスタム・ヘリテイジ91の細字。ほぼ日手帳と、ほぼ日5年手帳に書き込むときに使う。これだけ、季節感のあるインクを入れて、手帳が華やかになるようにしようと思っている。
万年筆の良さはいろいろあるけれど、好きなインクを使える、とか、インクの選択肢が多い、というのもその一つだ。ぼくは、パイロットの色彩雫シリーズの「月夜」という、ブルーブラック系のインクをカスタム74に、同じシリーズのターコイズ系の「天色」をカスタム・ヘリテイジ91に入れている。
キャップレスも、はじめは「月夜」を入れていたのだけれど、キャップレスの構造上、大容量のコンバーターが使えない=インクがすぐなくなる、またインクボトルに深く突っ込まないとインクが吸えない、インクの残量が見にくかったりとちょっと不便。
コンバーターより容量の大きくて、残量も見やすいので、カートリッジインクの空きカートリッジに、シリンジ(化粧品を移し替えるのに使う、注射器のようなもの)を使ってインクを入れる、という使い方も、よく知られていて、ぼくもやってみたけれど、旅行とか出先でインクがきれたときとか、そういうこと考えるのも面倒だ。
ということで、あれこれ試してみた結果、無難にカートリッジインクを使っている。インクを入れたり、キャップをくるくる回して外して、万年筆の後ろにくっつけて、使い終わったらその逆のことをする。ボトルからインクをいれて、ペン先や軸についた、余計なインクを拭いたりとかね、そういう一手間もたのしくて、万年筆を使ってきたけれど、「ふだん使い」として、その辺の儀式はカットした。
インクの残量を気にしたり、キャップの開け閉めに時間を取られることもなく、気楽に使える。