690試合目で初盗塁(NPB)
野手で通算成績盗塁0は「まれ」
意外なことにプロ野球選手で通算の盗塁数が0というのは「まれ」らしい。
もちろん、投手なら0ということもある。そもそも足が速くない選手もいるし、何試合かに1試合しか出場しないし、パ・リーグであれば指名打者制があるから打席にも立たない。
「ついで」で盗塁の記録が可能
野手でも鈍足であれば盗塁0なんじゃないかと思いがちですが、飛び抜けて鈍足、という訳でもなければ、「ダブルスチール」「トリプルスチール」の「ついで」で盗塁を記録することがある。例えばダブルスチールの場合、俊足選手の三盗より、鈍足選手の二盗の方が刺せる確率が高いとしても、三塁に選手が行くと犠牲フライや内野ゴロなんかでも点が入るから、三盗を阻止する送球を選択する場合が多いです。そこで三盗が成功すれば、二塁を陥れた鈍足選手にも盗塁はつきます。
(※注・三盗が失敗すれば、二塁に進塁できても盗塁は記録されません)
鈍足イメージ?の門田選手・香川選手
鈍足といえば、というイメージだけで言えば、オールドファンにとっては門田博光選手が思い浮かびますね。記録を調べてみると、盗塁試行数86、盗塁数51で、成功率59.3%です。晩年太っていても、若手の頃は痩せていてその頃に盗塁を記録している場合もありますが、門田選手は本塁打王になってからも、シーズン盗塁6を記録(盗塁死1)しているので、盗塁が不得意という訳でもないようです。
(ちなみに、明らかに足が遅いイメージのある選手は盗塁に対するケアをされにくいので、隙を突いて盗塁成功、というのがよくあります)
次に、ドカベン香川(香川伸行)選手。こちらも盗塁試行数19、盗塁数8、成功率42.1%で、盗塁数・成功率ともに低いですがゼロではありません。
中日・福田永将選手
記事になった中日・福田永将選手(690試合目)は、これまで盗塁試行数5、盗塁数0の状態から、6度目で成功ということでした。
西武の巨漢選手
なお、現役選手でまだ盗塁数0と言えば西武の山川穂高選手……と思ったら、2019年に成功して盗塁数1(盗塁死1)でした。ちなみに西武の先輩、おかわりくんこと中村剛也選手は盗塁数26(盗塁死13)です。
野手で通算盗塁数0の記録は大橋捕手?
すでに現役を引退している選手の中で野手で通算盗塁0というのは、相当に少ないようです。(もちろん、一軍でほとんど試合に出ないまま引退、ということであればあるでしょうが……)
大橋勲捕手(1963〜1972、巨人・大洋)が出場試合441、通算打席875で盗塁試行数1、盗塁数0。1シーズンの最高出場試合数が93ということで、スタメン固定、というところまでは行かなかったようです。
現役で通算盗塁数0の最多試合出場はDeNA宮﨑選手?
現役選手は現時点で盗塁0で出場試合数が多いのは、DeNA 宮﨑敏郎内野手のようです。現役9シーズン目、726試合出場、2059打席、盗塁試行数0。中日・福田選手と違い、現時点で試行数すら0なので、盗塁にチャレンジしないまま選手生活を終える可能性もありそうですね。ちなみに、今日以降の試合で盗塁成功すれば、記事の福田選手を抜き、野手で一番初盗塁が遅い記録を樹立することになります。