JR九州ホテルブラッサム大分宿泊記。水戸岡鋭治ワールドの部屋と屋上露天風呂が天国すぎた
2023年2月、今年2度目の九州訪問で前回長崎に続き今回は大分でトレインビューのホテルに宿泊しました。
1.JR九州のあのデザイン
元々は以前訪れた別府に行こうと思っていたのですが候補地を大分市内にも拡げてみたら、なかなか良さそうだと思った訳です。ブラッサム大分は
列車で泊まりの旅行がしたい
別府の高級リゾートは高すぎて無理
別府の温泉旅館は1人とか浮きそう
でも温泉は楽しみたい
乗り鉄、見る鉄
という人におすすめです。
JR九州はホテル事業にも積極的で、JR九州ホテルブラッサムは最上位のTHE BLOSSOMに次ぐブランドです。
その中でも2015年に開業したJR九州ホテルブラッサム大分は、JR九州の各列車と同じく水戸岡鋭治氏のデザインが特徴です。心躍らない訳がありません。
JR大分駅に隣接するJR大分シティの8階〜21階に立地します。ビルの上層階だけを使うのもラグジュアリーホテルが好む手法で、ハイブランドっぽさが伝わります。この日は雨がぱらついていましたが入口までは屋根もあるので心配無用。この入口からしてななつ星in九州や或る列車のような世界観が広がります。
この大分の(大)を模したロゴは大分駅のあちこちで見られます。改札を出るとホテルへの案内表示があるのてはJRグループのホテルらしいところ。
しれっと高層階と言ってしまいましたが、駅前広場からだと非常に高く感じます。写真だと最上階がかろうじて写る程度です。また駅の真上ではなく一歩突き出た位置にあるので部屋からの眺めも良さそうです。
エレベーターでまずは8階のフロントに上がりチェックイン。自動チェックイン機もありましたが閑散時とあってスタッフ対応でした。
それにしてもロビーからもうこれから豪華列車にでも乗るんじゃないかという雰囲気が伝わってきます。
ロビーにはJR九州の列車の模型や水戸岡氏の著書もあって鉄道ファンを唸らせるポイントも押さえてます。
客室へは8階〜19階のエレベーターを使います。ここはルームキーをかざさないとボタン操作が出来ない安全設計です。
一方で「デザイナーの暴走」と揶揄されることも多い水戸岡作品ですが、エレベーターのドアに位置図が示されていたり、初めて来た人も分かりやすい仕組みも取り入れられています。
この辺は「文字がないボタンばかりでどこが動くか分からない」近年の外資系ラグジュアリーホテルよりも数段親切だと思います。
2.最安値でも水戸岡ワールド全開しかもトレインビュー
今回予約したのは一番狭いスタンダードダブル。それでも16階とハイフロアを用意してもらえました。
エレベーターを降りると文字が黒背景のJR九州おなじみの案内表示。もうビジホではないですよね。
一番狭い部屋でも窓際にデスクがあり椅子も2つ用意されています。最低限の設備で押さえるビジネスホテルに比べると座る、過ごすという点にもしっかり力を入れています。
何より椅子やカーペットの模様は九州新幹線800系、ベッド周りや椅子のデザインは指宿のたまて箱、障子の格子は或る列車、バスルームの扉は885系かもめ/ソニック、確かにJR九州の列車で見かける意匠が随所に見られます。
もちろんバストイレ一体型、クローゼット無しでハンガーのみという省スペースの工夫も凝らされています。上位客室では風呂/トイレ別、クローゼット付きになっているようです。
フリーWi-Fi
AC100V電源
冷蔵庫
ポット
ヒーター付き温水便座
バストイレ一体型
築年数が新しいわりに電源はAC100VのみでUSBを直接差し込むことは出来ません。ただ部屋を出ても充電は継続される点は評価できます。
アパホテル等のビジネスホテルチェーンがこぞって導入するルームキーを引き抜くと電源がシャットダウンするしくみ。
確かに節電には有効でありロックアウト防止にも効力はあると思いますが、外出中にスマートフォンやカメラの充電ができないのは不便なので個人的には好きではありません。ただここではコンセントは通電したようなので一安心。
窓際には福岡県うきはの天然水が用意されていました。部屋は北向きで障子を開けると少しですが線路が見えました。南側の部屋のほうが建物が少ないことや、久大本線、豊肥本線、大分車両センターへの入庫も見られることから南側の部屋の方がトレインビューと呼ぶにふさわしいかもしれません。
北側の部屋だと博多/小倉方面の列車の発着が見えます。画面右下のドーミーインからも見えるのでしょうか?
そうでなくても別府湾や鶴見岳、由布岳といった山々も見ることは出来るので、ほかのビルより高いこともあり眺めの良い部屋であることは確かです。
3.屋上の露天風呂が最高
このJR九州ホテルブラッサム大分のもう一つの特徴は、最上階にある大浴場「CITY SPA てんくう」が滞在中何度でも利用できる点です。
CITY SPA てんくうは宿泊者以外でも利用可能でJR大分シティに別途19階直通の入口があります。ただ宿泊者以外にはかなり高額なので、このホテルの付加価値としては十分かなと思います。
宿泊者は6:00~9:30&14:00~24:00無料
宿泊者以外は1回1800円(土休日2000円)
19階の受付を経由する必要がある
脱衣所ロッカーは100円(使用後戻る)
20階内風呂サウナと21階露天風呂は階段のみで高齢者不向き
別料金でカフェラウンジやスパトリートメントも
19階のフロントで宿泊者は受付、ビジターは料金を支払いタオルと脱衣所キーを受け取ります。
20階の内風呂もガラス張りなので十分景色を楽しめるのですが、やっぱり21階の展望露天風呂が最高です。風から町の音まで直に入ってくる贅沢な空間です。
但し20階からは階段でのアクセスで当然裸足なので昇り降りは年配の方では難しいです。また冬場は寒く、凍結した場合閉鎖されるようです。
ちなみに20階21階ともに風呂からの展望は北向きなので先程の部屋とほぼ同じ眺めです。
こうしてみると以前紹介したフォルクローロ高畠と比べると入浴料は随分と高いものの、築年数が新しく設備水準が現代的なのでおすすめ度は高いです。
4.朝食は買い出ししてみた
朝食も地元食材を使った特色ある箱膳+セミブッフェスタイルなのですが、料金が1900円。今考えればホテルのランク的にはお買い得かもしれませんが、翌日早めに出発の計画もあり、またせっかく駅&商業施設併設だったので外で買い物してみました。
シアトルズベストコーヒーでモーニング持ち帰り。他にロッテリア、ファミリーマート等が朝からやっています。いずれもJR九州がフランチャイズ展開しており九州ではおなじみです。
モーニングセットだけでは物足らないので最近首都圏にも出店しはじめたMIGNONにも寄ってみました。1個から注文できますが値段は個数ではなくグラム単位の量り売りのようで結構コスパ良いと思いました。
またこれはドーミーインの夜鳴きそばタイムでも使えるテクニックですが、バイキング時間帯は大浴場がやっぱり狙い目です。混雑が苦手な人にはぜひ。
5.まとめ
今回はagodaのセールが最安だったのでそこから予約しましたが、日によって9000円~20000円程度と振れ幅が大きいようです。とは言え20000円でもCITY SPA てんくうの入浴料を考えるとそれくらいの価値はありそうです。
アメニティやお茶コーヒーがフロント階エレベーター横に用意されたセルフ式であること、一部フロアがバストイレ一体だったりクローゼットなしだったりという点はビジネスホテルの水準かなと思うところもあるのですが、一方でランチやディナー含めレストランやカフェもあり、窓は大きくないものの上層階の眺め重視の部屋が多く、快適性や付加価値重視のポイントも見られます。
他のブランドではJR東日本のホテルメトロポリタンや東急REIあたりにもこうした工夫はみられます。
とにかく屋上露天風呂とトレインビュー、水戸岡ワールドのインテリアの3点が個人的には大きく評価を上げました。コストパフォーマンスというか経験値パフォーマンスは高かったと思います。