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マレー蘭印紀行を歩く旅2018.5月
マレーシアは、LCCエアアジアの大拠点、KLIA第2ターミナルをハブ空港として旅をしているので、トランジットのつもりで数日滞在するため、敢えて印象のある旅というか、基本的にデレッとしているのがマレーシアの過ごし方と思っている。で、飯などはバリエーションがあるので、昼飯、晩飯の合間に何して時間をつぶそうかな、というのがいつもの時間の過ごし方、ということになる。
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旅のルートを楽しむという意味では、シンガポールから上陸し、ジョホールバル行きの国境越えバスに乗ってマレーシアに入国し、JBのバスターミナルから乗換でバトゥパハ、そして異国情緒があるということで行ってみたかったマラッカ、クアラルンプールと、マレー街道を北上した旅が印象的だった。
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金子光晴という詩人がいる。戦前活躍したが、老境になり、その破天荒な旅の経験をルポルタージュタッチで描いた「どくろ杯」「マレー蘭印紀行」などを著し、この世を去った。
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この詩人の旅のスタイルが、金銭感覚に欠け、常に行き当たりばったり、というのも妙味がある。留学する予定のパリに行くまで、旅費を稼ぐために上海で詐欺まがいの商売をしたり、マレーシアに渡って沈没しそうになりながらも、ようやくパリにたどり着いて、日本人の恋人と同棲する、という内容だった。でバトゥパハは金子光晴がそのエキゾチックな光景に魅せられ、長逗留をした華人の多い街、という流れで登場する。
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バトゥパハ、という非常に読みにくい街の名にもどことなくひかれるところがあって、1晩泊まっていった。が、かつて船が活躍した頃に貿易が盛んだった、現在はなんということはないありきたりな小さな街、という印象。が、ここにまだ続く市場を、日本人の集会場だったらしい建物を歩いて見て回り、かつて金子が歩いた光景をそのまま見ているのだと思ったら、足並みも軽くなっていた。
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マラッカは、長期滞在してもいいかな、と思えるほど素敵な町並みを持っている、マレーシアの中では特に気に入っている街。福建系の移民もたくさんいて、どことなく住んでいる人たちも台湾人ぽい人も多いので、街中のカフェなどでお茶をしているローカルに声をかけ、政治談義なども楽しんだ。その中にはショールをまとったマレー人もいるし、インド系もいるところも、台湾などとは違った風情だった。
KLはインド、マレー、華僑が多様にからみあった混合文化が楽しいが、トランジット都市であること以外はそれほど長居しようとは思わない。
私がまだ訪れていないマレーシアの街としては、ペナンがある。華僑の歴史を色濃く残す、マラッカに似た色を持った街という印象。行ったら気に入りそうなので、次のマレーシア訪問候補である。またマレーシアの東海岸側は、ダイバーが憧れるポイントもあるという。そして飛び地と言える東マレーのコタキナバル方面へ行くと、さらにリゾート気分のダイビング天国なので、また行ってみたい気がする。