Day 20 "A Song that many meanings to you" | #30DaySongChallenge
A Song that many meanings to you / 自分にとってたくさんの意味がある曲
奏 / スキマスイッチ
たくさんの意味、とはまた難しい。楽しい気持ちとか、悲しい気持ちとか、一曲には一つの気持ちを乗せて聞いていることの方が多いからだ。
『奏』は、卒業シーズンやお別れの定番の曲だと思うが、わたしも例に漏れず高校生の時、寮の先輩を送り出す追いコンでこの曲を歌った。
原曲の一部を替え歌にして、寮生活で思い起こされる風景や、寮の指針なんかを歌詞に盛り込んだ。先輩方にバレないように練習を重ねていった。
追いコン当日。いよいよ最後の演目、在寮生から送る歌。目に涙を浮かべて歌う寮生は一人や二人じゃない。男だけの大合唱だから、思いが先走って音程なんかめちゃくちゃで。声を枯らして歌った。伴奏のカラオケCDの音は、もう聞こえなくなっていた。そんな心地よい青春臭さがあった。
わたしたちの寮には、卒業しても寮生の誇りを忘れず、いつでも寮を帰ってくる場所に、そういう伝統があった。わたしもその精神が好きだった。いまも変わらない。
替え歌と原曲、どっちが本当の歌詞かわからなくなるくらい、『奏』には寮生活の大切な精神が詰められた。『奏』は大切な人とのお別れの曲であると同時に、いつでも帰ることのできる故郷から巣立つ曲だ。
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