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NPDの嫁

NPDについて言及している記事や動画は多いですが、NPDの嫁についてはあまり情報がありません。
それもそのはずで、そう簡単に会えるものではないからです。

僕はなぜかNPDの嫁に数人出会ったことがあります。
しかもそれぞれ、まあまあしっかりと観察できるぐらいのお付き合い(NPD夫込みで)をしてきました。
これがまた不思議なことに、全員同じ性格、同じ行動パターンをしていたので、何かの参考になるかもしれないから思い出しながら書いてみます。

NPD嫁の外見

NPD嫁は基本美人で明るく、社交的で、パっと華が咲いたような雰囲気を持っています。
これはNPDの特徴を考えると納得できます。
NPDにとって他人は自分を引き立てるための道具です。
その中でも一生の道具となる嫁が、ブスで地味でコミュ症だなんてNPDには耐えられません。
だからNPDは、その全能力を駆使して人に自慢できる嫁を探して自分のものにします。
女性からもNPDは表面的には社交的で、行動力があり、地頭がよく、結果も出すので、人生のパートナーとして頼りになるように見えるのでしょう。

NPD夫婦の関係性

NPD男と結婚でもしようものなら、毎日モラハラ・ガスライティングされ、心の奥まで支配されて死ぬまで王様と奴隷のような関係が構築され、一生を台無しにしてしまう……と想像してしまいますが、実はそうでもありません。
NPD夫婦は表面的にはとても仲が良く、いわゆるおしどり夫婦に見えます。
たぶんこれは二人で外面をよく見せているんだと思います。

あるNPD夫婦は「私達は喧嘩なんかしたことがない」と言い張っていましたが、実は嫁が鍵垢で夫婦喧嘩して家出したことを書いていたというケースもあります。
ただ、そういうことは絶対に表に出さないように二人で気をつけているという節があります。
ある種の共依存なんでしょう。

で、ある程度親密になってから『この夫婦なんか変だな…』と思ってよくよく観察していると、やはり奥さんがNPD旦那に支配され、洗脳されているなと感じることが何度もありました。
例えば、旦那が目の前で誰かにモラハラしていたり、怒鳴りちらしている様子を見て、NPD嫁は判で押したようにややうつむきながら悲しそうな顔をしますが、何も言いません。
この表情を見たとき『あ、内心は夫のモラハラを理解しているんだ』と気づきましたが、それを止めたり注意したりはしないんですよね。
一方で自分も加担することもありませんが。
なんというか、心に蓋をしてやりすごし、後は何も起こっていないかのように振る舞うのがNPD嫁です。
恐らくNPD嫁もNPD夫と一緒に過ごすうちに「認知の歪み」が出るようになったのでしょう。
「認知の歪み」とは、NPD特有の精神構造で、自分を良く見せるために白を黒と思い込んだり、バレバレの嘘を平気でついたりすることです。
例えば、英語が全くしゃべれないのにしゃべれると豪語したり、知りもしないことを専門家であるかのように話す、などなど。
NPD嫁の場合は、<夫が目の前でモラハラしている、それはよくないことだ>と分かっていながら、自分の夫がそんなことをしていると信じたくないため、それをなかったことにしようとして心を閉ざし、やりすごして何事もなかったかのように振る舞います。
これはたぶん女性特有の現象で、思いっきりDVされているのに、自分の好きな人は恋人にDVするような人じゃないと思いたいがため我慢してやりすごし、なかったことにするというのに似ています。

そんな様子をじっくりと観察していると、どうやらNPD嫁はNPD夫と共犯者になっていくということが見えてきました。
そしてそれは、多くの場合子供に向けられます。

NPD夫婦の子育て

僕が接したNPD夫婦は皆子供がいましたが、やはりというか、皆虐待されていたようです。
さすがに何をどのレベルでどれだけしていたのかは知りませんが、中にはその虐待(もちろん本人達は”子育て”と言う)を嬉々として語る夫婦もいました。
今考えれば本当に恐ろしいことですが、もっと恐ろしいのは、彼らの外面のよさに当てられて、その話を本気で”子育て”だと思って、なんだったら将来子供ができたら参考にしようと思って聞いていた自分です。
ちなみに、今はそれを虐待だと認識できています。

NPD夫のモラハラは、仕事等でも発揮されますが、必ず家庭に向かいます。
閉ざされた空間や関係性で、自分よりも圧倒的に弱い人間をNPDがターゲットにしないわけがありません。
というか、そのために結婚し、子供を作ったのでしょう。
そしてNPD嫁の特徴ですが、意識的あるいは無意識的に、夫のモラハラのターゲットが子供になるように誘導・調整します。
そして、子供を助けるどころかNPD夫の方に加担し、共犯者となります。
では罪悪感や哀れみの情はないのかというと、既にご説明した「認知の歪み」で消し去っています。
だからどんなに凄惨・陰湿な虐待が起こっていても、NPD嫁は「うちは家庭円満で親子睦まじく生活している」と本気で信じています。
だからこそ我が子の虐待エピソードを嬉々として話せるんでしょう。

ではなぜNPD夫はともかく、嫁までも虐待に加担してしまうのでしょう?
我が子を守ろうとする母性はないのでしょうか?
僕が見た限りでは、どうやらNPD嫁は母性よりも保身が強く出ている気がします。
NPD嫁は、子供が生まれるまではNPD夫のモラハラ・ガスライティングなどを一身に受けてきたはずです。
そこでNPD夫の恐ろしさを嫌というほど知り、本能的に自分を守ろうとして子供への虐待を放置したり、加担してしまうのでしょう。
既に述べた「認知の歪み」は、こういったところから発生したり、あるいは強化されるのではないかと思われます。
子供を助けたいという母性と、自分を守りたいという女性特有の保身が争った結果、精神が歪んでしまうのでしょう。

余談ですが、そんなNPD夫婦の子供は、僕が知ってる限りでは成功する人が多いです。
またそれがNPD夫婦を増長させるのですが、今回はその辺は割愛します。

NPDの嫁になった結果

結局NPD嫁は、色々あっても表向きは社交的で夫に尽くす良妻、子供も甘やかすだけではなく時に厳しく接することができる賢母という風に見られ、尊敬を集めます。
そのため、元々の華や社交性に加え、人望も生まれ、いつでも人に囲まれています。
そう考えるともしかしたら心から幸せを感じている人が多いのかもしれません。
一方で、NPD夫と戦ったり、離婚したとしたらどうでしょう?
自分が攻撃対象となり、離婚後は間違いなくNPD夫から悪い噂を流されるでしょう。
その後はシングルマザーとして生活が困窮するかもしれません。
もちろんそれでも幸せならいいのですが……
一方で、旦那は性格がねじれていて、自分もそれに合わせておかしくなり、子供も虐待してしまっていたが、生活はそれなりに安定していて、子供もなんとか成長して成功し、自分も含め家族の世間からの評判も悪くない……
これに幸せを感じられるのなら、もはや他人が「NPD嫁は不幸だ」と決めつけることはできないでしょう。
改めて考えてみると、NPD嫁ってかなり複雑で微妙な立ち位置なんだなと感じました。
子供は子供でまた別の見方をしているのでしょうが、その辺はまたいずれ書きます。

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