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妄想経営学マガジン

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#風土改革

Vol.9 「心理的安全性の確保」を理解しなければ風土改革は進まない

近年、多くの企業で風土改革を行っています。 でもそれは「今の悪い風土を良い風土に変えたい」という漠然とした話なので、実際にはたくさんの取り組みを行うことになります。 多くの会社は、これらをそのまま総花的に行っていると思います。少なくとも私の会社はそうです。 私の考えだと、それではうまくいきません。いろんなことを一度にやってもうまくいきません。こういう時こそ、何か1つを徹底的に進めるのが効果的です。 今回は、この風土改革について考えてみます。 風土改革の取り組み風土改革で行う

Vol.10 「自浄作用」が働く組織

前回、風土改革は「心理的安全性の確保」で一点突破、という記事を書きました。 私はその先に、「自浄作用」が働く組織をイメージしています。 これがどういう状態なのか、「発言」を事例に、具体的に書いてみます。 この事例はちょっとした会話レベルの小さい話ですが、コンプライアンス上の大きな課題なども結局はその延長線上にあると思います。 ※この回はPV数の割に「スキ」が少ないので、内容がタイトルに負けているかもしれませんが、一事が万事、質は細部に宿るという考えで、温かい気持ちで読んで

Vol.11 「上」と「下」がなくならないニッポンの会社

従来のヒエラルキー型組織からフラットな組織への変革を目指している会社が多いと思います。 「さん」づけ運動とか、課長や部長の称号をやめて、マネージャ、ゼネラルマネージャーにしてみたりとか。 私の会社も昔からやっていました。 でも、1つだけ変わらないことがあります。 「上司」「部下」という言葉がなくならないのです。 なくそうという声を聞いたことすらありません。 何故なのでしょうか。 「上司」「部下」は、明確に「上」と「下」を定義するヒエラルキー用語です。これがある限り、上下関

Vol.13 キャリアオーナーシップは分かるが、昔を正当化する論法はオカシイ

最近、キャリアオーナーシップという考え方が広まってきています。 「昔は上意下達、つまり上から指揮命令をして、下はそれを聞いて仕事をしていれば良かった。むしろそれが大量生産の時代には適していた。 でも、時代は変わった。 今後は、全員が自分のキャリアを設計して、自らジョブを選択して貢献できるように成長してください。」 この論法って、何か 違和感 がないでしょうか。 むしろ絶対にオカシイ気がします。 パワハラ、セクハラは、 「昔はやっても良かったけど、今はダメです。」 という

Vol.14 挨拶をしないニッポンの会社員

日本人は知らない人にはあまり挨拶をしません。 米国などでは、ホテルでエレベーターにたまたま同乗した見知らぬ人と、気軽に挨拶し、会話しているのをよく見かけます。 でもこれは文化の違いだし、日本人の行動はプライバシーへの気遣いともいえますし、悪いことではないと思います。 ただ、どうしても受け入れられないことがあります。 私の会社では、門には守衛さんがいて、毎朝、大きな声で「おはようございます!」と出社する社員に声をかけてくれています。 私も典型的な日本人なので、知らない社員に

Vol.15 風土改革は100%トップダウン

前回、挨拶について触れましたが、「挨拶運動」をやっている会社は結構あるのではないでしょうか。 今はやっていなくても、10年に1回ぐらい、思い出したようにやり始めたりしませんか? でもあれ、効果があったためしがありません。 というか、何を考えてやっているのか、全く理解ができません。 挨拶委員みたいなのが選定され、門や建物の前で朝から並んで「おはようございます」と連呼します。 もちろん、こちらは挨拶を返します。前回守衛さんに挨拶しない人が多いと書きましたが、さすがに社員だと挨拶

Vol.24 風土改革もビジョンドリブンでうまくいく!

経営陣が風土改革を推し進めようとしても、なかなか現場は変わりません。結局現場は忙しくて変える余裕がないのです。 改革が必要な会社ほど、結局のところ末端組織に課題が集まり、自転車操業になっています。今やっていることで手いっぱいで、別のことに取り組む時間はとれません。 そんな状況で仕組みを次々と導入して変えようとしても、空回りし、遠回りし、場合によっては逆効果になります。 そうならないためには、取り組みを絞り、一点突破するのがベストです。そして、それがビジョンドリブンです。ある

Vol.25 想像力の欠如例 その1

前回の「Vol.24 風土変革もビジョンドリブンで!」の最後に、コンサバで変わろうとしない風土の根本要因は「想像力の欠如」だと書きました。 そのような組織では、かなり異状なことでも、そんなに悪い状態ではないという空気になっています。 今回は過去にそう感じた事例を書きます。 いまだにガラケーという異状私がいた会社では、社員はいまだにパカパカ携帯(ガラケー)を与えられています。部門により差はありますが、その部門では、社用スマホは課長以上に限定されていました。 では個人スマホはO

Vol.26 想像力の欠如例 その2

前回スマホがを使えない会社が異状であるが放置されていることを書きましたが、今回は、そもそもその状態が異状だと気づいてすらいない事例を書きます。 前提として、社員にはいまだにパカパカ携帯(ガラケー)が与えられています。社用スマホは課長以上の特権です。 ちなみに、前回とは異なる部門での出来事です。 複数の部門で似たような体験しましたし、このような組織は会社内で決してレアケースではありません。 残念な発言「最近、個人スマホで写真を撮っている人が多い。情報セキュリティ的に大問題だ

Vol.27 「ビジョンドリブン」における「ありたい姿」を考える

前回、前々回では、ビジョンドリブンに必要な「想像力」が欠如している例を紹介しました。 「ビジョンドリブン」では「ありたい姿」を想像する力が必要です。 でもこの「ありたい姿」というのはどういうものなのか、意外と難しいので、今回説明してみようと思います。 なお、前回は少し話が大きくなってしまったので、スマホの話に戻します。 ミクロもマクロも考え方は同じです。フラクタル経営です。 「ありたい姿」は達成されなくてもよい「ありたい姿」は達成可能な目標ではありません。 目指す姿、理想の