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妄想経営学マガジン

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妄想経営学の一覧です。 類似の投稿を見たい場合は、ハッシュタグでフィルタリングしてください。
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#妄想経営学

Vol.1 本音と建前の経営が諦め社員を量産する

経営未経験者が好き勝手に語る「妄想経営学」の第1回目の投稿です。 初回なので、まずはこの「妄想経営学」が誕生した背景について書いておきたいと思います。 就職私は1993年にある企業に就職しました。 その企業は「人と地球のためになくてはならない存在になろう」という素晴らしい経営理念を掲げていました。(一応社名は隠しておきたいので、経営理念の文章を変えています。) 就職活動中に、その理念に心から感銘を受け、就職を決めました。 ところが・・・働き始めると、すぐに違和感を覚えるよ

Vol.2 行動基準を見れば経営理念の本音度が分かる

経営未経験者が好き勝手に語る「妄想経営学」です。 前回は「◯◯のため(経営理念)」と「収益」を、「建前」と「本音」ではなく、「本音」と「本音」で捉えて経営しないと勿体ないという話を書きました。 今回は、この「経営理念」に深くかかわる「行動基準」について考えてみます。 経営理念と行動基準だいたいの企業には、経営理念と行動基準があると思います。 経営理念は企業が目指す姿で、行動基準はそれを具現化するために従業員がとるべき行動を示す指針です。 つまり、行動基準は経営理念を映す鏡と

Vol.3 「逸話」だけでは「経営の神様」になれない

普段頭で考えていることをいざ書いてみると、案外面白くないと気づいたり、ロジックの甘さを見つけてしまったり、文章を書く難しさを痛感する今日この頃です。 さて、今回から2回に分けて、経営理念を収益より優先する意義について書きます。 そして、大胆にも、パナソニックの創業者である松下幸之助さんとウォルト・ディズニーさんを比較して、それがどういうことかを考えてみたいと思います。 しばらくディズニーかぶれした内容が続きます(笑) 経営の神様みなさんは「経営の神様は?」と聞かれたら、

Vol.4 「逸話」の限界 ~必要なのは経営理念を優先する判断基準~

ちょっと整理します。 Vol.1 本音と建前の経営が諦め社員を量産する 経営理念は建前ではなく本音であってほしいと書きました。 Vol.2 行動基準を見れば経営理念の本音度が分かる 本音の経営理念は収益より優先されると書きました。 Vol.3 「逸話」だけでは「神様」になれない 経営理念を優先する意義を書くための準備をしました。 何とか話は流れていました。少し安心しました。 では今日は、「逸話集」だと「経営理念」を「収益」より優先することができなくなる、ということを説明しま

Vol.5 ディズニーランドは誰にでも作れるが、ディズニーにしか作れない

妄想経営学といっても、本当に妄想だけで考えているわけではありません。また、全くオリジナルというわけでもありません。 むしろ強烈に影響を受けた企業があります。 Vol.4までを読んでいただくと分かる通り、それがディズニーです。 「なんだディズニーか。ありふれている。」と言われそうですが、やはりディズニーは最高峰です。 ディズニーこそが「本音と本音の経営」の代表格です。 前回でその話が一段落したので、今日は私とディズニー経営学との出会いについて書いておきます。 初ディズニー「

Vol.6 そのジョブ型、間違っていませんか?

他人事のようなタイトルですが、自分の会社の話です。(笑) 最近ジョブ型の人事制度が流行っています。 私の会社にも導入されているのですが、何だか違和感があります。 ジョブ型というのはスキルや役割を定義して、プロジェクトに必要なジョブを洗い出し、それぞれのジョブが実行できる人材を集める手法だと理解しています。 でも私のところのジョブ型はちょっと変です。 何て言ったらよいんでしょうか。結局、何でも屋を求めている感じ? 今日はそのあたりの話を書きます。 ジョブ型とは私のジョブ型

Vol.7 年配者の立場で「老害」を考える

私は、高齢化が進んだそこそこ大きな会社で働く50代前半の社員です。 定年退職までまだ数年ありますが、早期退職も頭に入れながら働くようになってきました。漠然と、若手の活躍を邪魔してはいけないと考えるようになってきたからです。 そんなことはない、まだまだやれる、という気持ちもあるのですが、冷静に考えるとそういう問題ではないと感じるのです。 今回は、高齢化した会社がどういうことに気をつけないといけないか、という視点で書きます。 若手視点で考える会社に入社したばかりの新入社員の気

Vol.8 世の中は、冷静に考えて、その方が良いに決まっている方向に転がる

これまで長く生きて、働いてきて、辿り着いた考えがあります。 それがタイトルの「世の中は、冷静に考えて、その方が良いに決まっている方向に転がる」ということです。 世の中の動きや未来を読んで、どう経営するか、何を開発するかというのは、結果でしか評価できないので非常に難しいことです。 なので、この考えをどう活かせるかはまだよくわかっていません。 でも過去を振り返るとうなずけることが多いので、今後必ず役立つと思っています。 どうしても理想どおりにできないケースもあり、簡単ではないの

Vol.9 「心理的安全性の確保」を理解しなければ風土改革は進まない

近年、多くの企業で風土改革を行っています。 でもそれは「今の悪い風土を良い風土に変えたい」という漠然とした話なので、実際にはたくさんの取り組みを行うことになります。 多くの会社は、これらをそのまま総花的に行っていると思います。少なくとも私の会社はそうです。 私の考えだと、それではうまくいきません。いろんなことを一度にやってもうまくいきません。こういう時こそ、何か1つを徹底的に進めるのが効果的です。 今回は、この風土改革について考えてみます。 風土改革の取り組み風土改革で行う

Vol.10 「自浄作用」が働く組織

前回、風土改革は「心理的安全性の確保」で一点突破、という記事を書きました。 私はその先に、「自浄作用」が働く組織をイメージしています。 これがどういう状態なのか、「発言」を事例に、具体的に書いてみます。 この事例はちょっとした会話レベルの小さい話ですが、コンプライアンス上の大きな課題なども結局はその延長線上にあると思います。 ※この回はPV数の割に「スキ」が少ないので、内容がタイトルに負けているかもしれませんが、一事が万事、質は細部に宿るという考えで、温かい気持ちで読んで

Vol.11 「上」と「下」がなくならないニッポンの会社

従来のヒエラルキー型組織からフラットな組織への変革を目指している会社が多いと思います。 「さん」づけ運動とか、課長や部長の称号をやめて、マネージャ、ゼネラルマネージャーにしてみたりとか。 私の会社も昔からやっていました。 でも、1つだけ変わらないことがあります。 「上司」「部下」という言葉がなくならないのです。 なくそうという声を聞いたことすらありません。 何故なのでしょうか。 「上司」「部下」は、明確に「上」と「下」を定義するヒエラルキー用語です。これがある限り、上下関

Vol.12 日本の会社は生産効率が悪くて何が悪いのだ

日本の会社は生産効率が悪いと言われます。これは本当です。 でも悪いことなのでしょうか。 もちろん悪い側面もあります。 でも良い面もあるのです。 コロナ渦でこんなニュースが話題になりました。 大打撃を受けているJALやANAが、それでも社員をリストラせず、出向先を探し回っている、という話です。 これに対して、海外はいたってドライです。 シルク・ドゥ・ソレイユの破産、劇団員解雇。 でも、コロナが落ち着いたらすぐに再建を開始しています。 米ディズニーも3万2千人を解雇。

Vol.13 キャリアオーナーシップは分かるが、昔を正当化する論法はオカシイ

最近、キャリアオーナーシップという考え方が広まってきています。 「昔は上意下達、つまり上から指揮命令をして、下はそれを聞いて仕事をしていれば良かった。むしろそれが大量生産の時代には適していた。 でも、時代は変わった。 今後は、全員が自分のキャリアを設計して、自らジョブを選択して貢献できるように成長してください。」 この論法って、何か 違和感 がないでしょうか。 むしろ絶対にオカシイ気がします。 パワハラ、セクハラは、 「昔はやっても良かったけど、今はダメです。」 という

Vol.14 挨拶をしないニッポンの会社員

日本人は知らない人にはあまり挨拶をしません。 米国などでは、ホテルでエレベーターにたまたま同乗した見知らぬ人と、気軽に挨拶し、会話しているのをよく見かけます。 でもこれは文化の違いだし、日本人の行動はプライバシーへの気遣いともいえますし、悪いことではないと思います。 ただ、どうしても受け入れられないことがあります。 私の会社では、門には守衛さんがいて、毎朝、大きな声で「おはようございます!」と出社する社員に声をかけてくれています。 私も典型的な日本人なので、知らない社員に