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マルチディスプレイ出力を活用して遅延なしシンプル配信システムをつくろう!

はじめに

ゲーム動画をライブ配信をするにあたってOBSの設定に苦労したり、音声のトラブルにあったことはありませんか? これはマルチディスプレイ機能を使って遅延なし、ゲーミングPCの負荷なし配信を行うシステムの提案です。

配信手順

用意するもの

以下のPC2台構成です。

  • ゲーミングPC

    • 複数映像出力端子のあるグラフィックボード

    • メインモニター

  • 配信PC

    • ビデオキャプチャ

    • サブモニター

    • ヘッドセット

設定

  • ゲーミングPCとメインモニターをグラフィックボードのDP出力(例)で繋ぎます。

  • ゲーミングPCとビデオキャプチャをグラフィックボードのHDMI出力で繋ぎます。

  • Windowsの設定のディスプレイ設定のサブモニター設定でメインモニターの複製を表示するようにします。この時解像度はメインモニターと同じ解像度を指定、リフレッシュレートは異なるもの(60Hz)で構いません。

  • Windowsの音声出力をサブモニターにします。

  • 配信PCのOBSでHDMIの映像出力と音声出力を入力ソースに加えます。

  • 配信PCにヘッドセットを繋いでヘッドセットのマイクを入力ソースに加えます(専用マイクを配信PCに繋いでも良いです)

  • 配信PCの音声出力はヘッドセットに指定します。ゲーム音声はこちらで聴くことになります。

  • 配信PCのOBSで配信を開始します。ゲームのVSyncはOffにしてください。

実験

ゲーミングPC

CPU: AMD Ryzen 7 7800X3D
GPU: AMD Radeon 7900XTX
MONITOR: 360Hz出力設定

配信PC

PC: Apple M1 MacBook Air (2020)
CAPTURE: ASUS HD120
MONITOR: 60Hz設定

測定結果

各条件でFF15ベンチマーク(ボーダレスウィンドウ)のベンチマークを走らせます。まずは通常のベンチマーク結果。

配信なし

続いてゲーミングPCから直接配信。音声の出力がよくわからなかったので音声なしですw。またベンチマークスコアはオーバレイらしく配信には載ってなかったです。パフォーマンスはやや低下で済みましたが、CPU負荷が高いためかファンの騒音はうるさかったです。

ゲーミングPCから直接OBS

グラフィックボードから複製出力で配信です。音声で悩むこともなし。パフォーマンス低下もわずかです。M1 MacBook Airはファンレスなので騒音の増加もなし。

複製出力で配信PC使用

参考にASUS HD120のパススルーの遅延を測定。優秀ですがごくわずかにあります(サブモニターの表示遅延もある)。パススルーでの配信はモニターとの接続をHDMIにしなければならずDPメインのハイリフレッシュレート運用だと繋ぎかえがめんどうですね。

(参考)パススルーの遅延

まとめ

今回はグラフィックボードのマルチディスプレイ出力を使った配信システムを構築、測定しました。利点は配信のための設定が簡単なこと、ゲーム遅延が0なこと、ゲーミングPCの負荷が安定すること。欠点はPCが2台いること、グラフィックボードのフレーム生成(AFMFなど)など複製出力だと使えない機能が出てくることでしょうか。サブPCがあって、とにかくお気軽になら今回の構成はアリだと思います。

おまけで今回使ったキャプチャボードを紹介します。Macでドライバーなしで使えて、OBS認定もあり。QHDなどの解像度も自動的に1080pにスケーリングしてくれて便利です。ユーティリティもMac対応でMac派におすすめです!



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