3Dプリンターで究極のAlutimoをつくろう!
はじめに
筆者はアケコンのボタンはネジ式派でサムドクサなど使ってました。セイミツさんからAlutimoが発売された時は喜んで飛びつきましたがあまりのうるささにすぐに封印してしまいました。サムドクサのその後はGravity KS, Punk Workshop 旧V2、Punk Workshop 新V1と使用してきましたがどれもしっくりきません。3DプリンターでPWSボタンの静音化に成功していたので静音化すればAlutimoもいけるんじゃね?と思ったのがはじまりです。
やること
Alutimoの長所
スイッチが交換可能
美しい外観
入手性
Alutimoの欠点
静音でない
スイッチ交換時に接点のチップが脱落する
スイッチを交換すると接触不良が起こることがある
欠点を3Dプリンターを使用して克服します
静音化
Alutimoのどこがうるさいのかというと大半がキャップの縁が底を打つ音です。一般的にはこういうときはそこにシリコン等のシートを敷くのですが、Alutimoは穴があったりして一筋縄ではいかないです。
しばし観察した結果、「底を打たなければ音は出ない、スイッチの頭でキャップを受け止めればいいんじゃね」ということを思いつきました。早速試作してみます。TPE素材でキャップを作って羽の部分はPETGで合わせました。音は減りました、いけそうです。しかしボタンを配線してみたら押しっぱです… 分析したところ、ストロークの一部を静穏化に使っているのアクチュエーションポイント1.2mmの銀軸ではクイックになりすぎるようです。
それではスイッチの選定です。あらかじめ1mmほど押されるのでアクチュエーションポイントは2.0mmぐらいが望ましいです。手持ちのCherry MX静音赤軸があっったのでそれを使ってみたら良い感じです。ただ先に押し込む関係もあってちょっと重いです。ということでネットでいろいろ買ってみて、スイッチの頭が大きすぎたり、ステムの頭が大きすぎたりしましたが、3品目でEPOMAKERのJade Brossomに出会いました。これは35gfと軽いし滑らかでなかなか良い感じです。これに合わせていろいろ調整を繰り返していきます。
最終形はこのような形に。真ん中のTPEが0.5mmのバネになってます。縁の羽根部分はクリアで出力して目立たなくしました。
キャップ部分を別の色で出力することでカラーバリエーションも作れます。
チップ脱落防止&接点強化
セイミツさんは脱落防止シール発売予定ですが、ここは0.3mmのチップ押さえを作りました。端子部分は押さえない方が良さげなので回避。3DプリンターはBambu LabのA1 miniの0.2mmノズルで出力しました。この薄さでもちゃんと造形できるのはすごいですね。
接点は内側寄りの方がCherry MXの端子の太さを期待してます。Cherryの端子は他メーカーのものより太さがあります。チップと端子の隙間を狭くするため、写真の赤丸の部分を鈍角に曲げれば良さそうです。スイッチ交換した後ボタンの端子がぐらつかなければOK。
完成
オリジナルとの比較動画です。最初の2つがオリジナル、最後2つが静音化後です。どうでしょうか。体感ではGravity KSと押したときは同じ、離したときは音が大きい感じですね。押し心地の劣化はほぼないです。
まとめ
セイミツ工業Alutimoを静音化しました。究極となったかはわかりませんが、自分的には大満足です。できあがりはこちら。Alutimo美しいですね!
3Dプリンターについて
筆者が使っている3Dプリンターはこの2台です。セール中ならA1 miniが4万円切ります。