スト6アケコン制作記(準備・設計編)
はじめに
2023/6/2 カプコンから人気格闘ゲームの最新版、ストリートファイター6が発売されました。製品版が発売されて遊んでみたら"これはおもしろい"となって本格的にやることにしました。スト6はモダン操作が話題ですが、スト2で格ゲーデビューの自分はクラシック操作でやることに。3日ほど手持ちのRazer Pantheraでやってみましたが、以下の点が気になりました。
3D視点のバトルハブやワールドツアーでの視点変更がアケコンだとつらい。マウスやパッドコントローラーを併用できるがいちいち手を離すのが面倒
ドライブラッシュやパリィ(中P中K同時押し)の入力が多く、同時押しボタンが押しやすいところに欲しい
ドライブインパクト(強P強K同時押し)も反応速度がいるので押しやすいところに配置したい
今のアケコンのデザインが完全にバーチャファイター向け…
そこで前々から気になっていたフル自作で完璧なスト6仕様アケコンを作ることにしました。テーマは以下の3点。レバーレスの時代にレバー3つ搭載したアケコンを😅
アナログスティック2本搭載
スト6専用ボタン配置
アートワーク交換可能
材料集め
コントローラー基盤
Brook製は外せないのでアナログスティック2本を使える基盤を。PS+とXBが該当しますが、Steam(PC)でしか使わないのでXB Fighting Boardを選択。配線に便利な専用ケーブルも購入。
アナログスティック
小型で固定できる基盤のついたやつをAmazonで物色。5個セットで1000円もしないこれに。二次元の可変抵抗ですね。
レバー
以前使っていた2D用のレバーを流用。すでにPantheraにつけて使っていますが、OTTO V5+(三和電子レバーにセイミツ用のスイッチをつけられる)をつけたやつです。
ボタン
メインのボタンは愛用のQanbaのGravityネジ式。スタートやセレクト用は24mmのネジ式の中からセイミツの強化スプリングのものをチョイス。24mmネジ式の選択肢は少ないです。Gravityは5個は流用できるので足りないものを注文。パリィボタンの色はドライブラッシュの緑に決定。
構造物
くろまき工房さんの50mmの柱を購入することができたのでだいぶ楽になりました。強度的に不安なところはネジ付きの50mmのアルミ柱で補強することに。これはミニオーディオラック用のものでM4のねじ山が切ってあって便利そうです。
配線類
内部用と外部用でUSB A-Bのケーブル2本、USB A-Bのノイトリック端子を購入。ノイトリック端子ってオーディオ機器用だったんですね。その他配線用にコネクタ付きのリード線を購入。
ネジ類
基本はアクリル板にザグリ加工してもらうので皿ビス。天板の上にくるネジはPantheraでも使っている超低頭で剥げにくいクローメト仕上げのものを。基盤固定用のスペーサーも購入。
アクリル板
底面、天面、天面カバー、側面5枚の構成。設計後にはざいやさんで特注予定。
その他
底面に貼る滑り止め、配線チェック用のテスターを購入。
設計
ここではアクリル板加工用のデータを作っていきます。部品の実寸がわからないものもあったので全部届いてから設計図を引きました。
作図ソフトウェア
アクリル板加工のはざいやさんへの入稿はaiファイルまたはdwgファイルフォーマットなのですが、手持ちのソフトでaiを出力できるソフトウェアがありません。Pantheraの天板を特注した時はAdobe Illustratorの体験版で作りましたが、期限が切れているので1ヶ月だけ契約するかなと思ってaiファイルについて調べていたところ耳寄りな情報が。
「aiファイルの実態はPDFファイル、PDFファイルの拡張子をaiにすれば良い」
なるほどPDFの標準仕様に独自仕様はバイナリで埋め込んでいるようです。今回必要なのは矩形や円の正確な座標と大きさなのでPDFの標準仕様部分に収まりそうです。PDFなら手持ちのAffinity Designer 2.1で出力できます。
採寸
アナログスティックとXB Fighting Boardを採寸。アナログスティックは高さと可動域も採寸して、アクリル板に開ける穴を計算します。固定は底板からビスを上に出してスペーサーとナットで固定という作戦でいきます。その他端子やケーブルが占める大きさも採寸しておきます。
大きさ決め
横幅はPantheraシリーズと同じ380mmで決めました。縦幅ははじめ240mmを検討していましたが、アナログスティックが干渉しない配置を考えて260mmとしました。ちょうどPantheraと同じサイズになりました。先人の知恵はさすがです。補強の柱の位置もちょうど良く配置できたので裏からボタンをいじれる大穴を開けることにしました。
ボタン配置
Viewlix配置を基本としながら、少し(約1cm)レバーとボタンの位置を拡げた配置を基本に左下にLT、左上にLBを配置した形にします。こうするとUI操作も左右逆転しなくていい感じになるはず。
設計図
部品の正確な寸法図をオブジェクトにして配置していきます。Affinityで作図はほぼ初めてでしたが、すんなりといけました。側面の板などは0.5mmほどのマージンを取ります。全部入れ込んだマスター図(下の図)を作って、それを板別に分解します。計8枚の板の設計図ができたらはざいやさんに見積もり依頼。見積もりをもらったので発注しました。
アートワーク
アートワークは慣れたもので、素材の位置と大きさをアケコンのレバーやボタンに隠されないように配置します。今回も町の印刷屋さんで耐水紙に印刷してもらいました。デザイン発表は後のお楽しみに。
制作へ
アクリル板が出来上がってくるまで待機です。ここまでかかった費用はレバーとボタンの一部を流用するのにすでに約6万円。アケコン自作は完全に趣味の世界ですね… 果たしてうまく出来上がるのかどうか、ワクワクです。
続きは以下です。
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