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『茶房 菊泉』と『函館さくら家』に行った話
5月の13~15日に、函館1人旅をしに行ってきた。
今回の旅の目的は、「来年函館に住むかもしれないのでその下見」、「『ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地を軽く拝みにいく」、そしてもう1つ、最も大きな目的(2個目の目的と被るが)が「新しくなった『茶房 菊泉』と、隣に新しくできた『函館さくら家』に行く」だった。
経緯
僕はラブライブ!サンシャイン!!が、Saint Snowが大好きだ。Saint Snowへの熱い想いは前の記事にほんの少しだけ書いたのでここでは書かないが、とにかくSaint Snowが大好きで、函館への聖地巡礼に2回ほど行ったことがあった。その2回の函館旅行両方で、「ここだけは外せない」と足を運んだのが『茶房 菊泉』だった。
菊泉はラブライブ!サンシャイン!!の劇中、Saint Snowのメンバーである鹿角姉妹が住む家(&鹿角家が営む店)として描かれており、オタクとしてはまさに最高の聖地であった。
1度目の来訪
初めて訪れたのは、Saint Snow 1st GIGが札幌で開催された翌日だったと思う。現地で1st GIGに参加し興奮も冷めやらぬ中、友人(こいつはGIGには行ってないが行きの飛行機とGIG以外の旅程はずっと一緒だった。なんで?)と札幌から函館まで大移動し、菊泉へと足を運んだ。
大量のオタクがひしめく中、運よく「理亞ちゃんの部屋」に座ることができ、「ここでさあ!理亞ちゃんとルビィちゃんの友情がさあ!」など早口で友人に話していたのを覚えている。
初めて飲むくじら汁に入ったくじらの不思議な食感に心を躍らせながら、友人に一方的にラブライブの話をまくし立てる、幸せなひと時を過ごすことができた。
2度目の来訪
2度目に訪れたのは去年の7月、にじたび!札幌公演に社会人の友人と行った翌日、次の日仕事の友人と別れて1人で函館に赴いた。またラブライブのイベント@札幌→函館なのか。
この日は「理亞ちゃんの部屋」ではなく、入口近くの席に座った。スイートポテト(豆知識: ルビィちゃんの好物はスイートポテト。ちなみに嫌いな食べ物はわさび)や抹茶をいただきつつ、周りを見てみるとオタクはあまりおらず、地元のおじいちゃん数人が食べながら談笑していた。ここで僕は、すごく失礼なのだが、「このお店はラブライブファンだけではなく、地元の人たちにも愛されているんだ」ということに気づき、ただのラブライバーから、菊泉の、函館の大ファンになった。
思えば「函館住みたいな~」と考えるようになったのはこれが直接的な要因の1つだった。確かに「ラブライブ!の聖地に住みたい!」という邪な気持ちもあるかもしれないが、住と観光のちょうどいいバランス(スーパーマーケットはちょっと少ないように感じたが)を持ち、日常の中でちょっとした非日常を味わえるようなそんな地域であること、またオタクのみならず地元の住民にも愛される素敵なお店がある、そういったところが魅力に感じていた。
1人で黙々と食べて完食し店を出るとき、「理亞ちゃんの部屋、お写真撮ってく?」と店のおばさまに声を掛けてもらい、前回同様写真も撮らせていただいたのだが、おばさまの温かさに胸を打たれ、「また来ます!」と意気揚々と帰路に就いた。
数ヶ月後、一時閉店のお知らせがSNSで流れてきた。
一時閉店
新たな経営体制の下、新しい"菊泉"として皆様をお迎えできるよう、鋭意準備を進めてまいります。
正直ショックだった。
新しい経営体制ってなんだ…?これまでと何が変わって何がそのままなんだ…?全然よくわからないまま、時間だけが過ぎていった。
再開、リニューアルオープン
菊泉のInstagramが再開していたのに気づいたのは、今年の3月だった。新しい菊泉オープンに向けたクラウドファンディングのページが公開されており、急いでそのページを見に行った。
新しい運営の義山さんはいろいろなことを書かれていた。運営に至った理由、函館への想い、そしてラブライブ!サンシャイン!!との、Saint Snowとの、向き合い方について。
ぜひ上のページを見てもらいたいが、ラブライブ!サンシャイン!!について正直に書いてくださっている印象を受け、とても嬉しかった。
新しく運営をするにあたって、「アニメの聖地」というものを取り扱うのは非常に難しいと思う。アニメオタクは気難しいし、変化を嫌う(個人の感想です)。かといって店の方針や都合を無視するわけにはいかない。そんな中で、あえて触れないこともできたはずなのに、できる限り「オタク側」に寄り添っていただけたことは、とてもありがたいことだと思う。クラウドファンディングには参加しなかったけど。ごめんなさい。
また、旧菊泉のメニューは菊泉の隣にできた「函館さくら家」で食べられることを知った。恥ずかしながら旧菊泉の運営さんが新しくさくら家やってたのを知ったのはこの時でした。11月からやってたらしい。
前置きが長くなったが、そういった経緯で今回の函館旅行を計画したのである。
茶房 菊泉
今回の函館旅行は2泊3日だったのだが、菊泉にいったのは2日目のことだった。
正直目にするまでちょっと緊張していた。ガラッと変わって別物になっていたらどうしよう、「好き」と感じられなかったらどうしよう、と。
市電に乗って十字街で降り、八幡坂を通って菊泉の前についた。
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安心した。前と外装はほとんど変わっていないようだった。あの頃と変わらない姿を見て、変化を嫌うオタクはひとり頷いていた。
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中に入ると、様子は少しあの頃と違っていた。間取り?こそ同じだが、全体畳になっていたり、囲炉裏ができていたり。
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慣れないながらも注文を済ませ、囲炉裏前の席で一人、隣の座席のラブライブグッズを持った家族を横目に、座布団の上で正座してメニューを待っていた。
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今回頼んだのはアイスクリームと最中、抹茶のセットに生チョコようかん。
外は日差しが照り付けていて少し暑いくらいだったので、アイスがより美味しく感じられた。
でも一番美味しかったのは生チョコようかん。ありえん美味かった。
申し訳程度に抹茶を飲んで和を感じた後、店内の写真を撮らせていただいた。
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和だけど古臭い、というわけではなくオシャレな雰囲気を非常に感じた。
そしてなんと言ってもこれ。
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玄関横に、Saint Snowのグッズがいくつか飾ってありました。彼女たちの寝そべりぬいぐるみに、理亞ちゃんの部屋に飾ってあったスノードーム。
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理亞ちゃんの部屋に入れることは恐らくもうないけれど、あの頃の菊泉そのままではないけれど、彼女たちは確かにそこにいた、新しい菊泉もなんとかそれを残してくれた、それを感じることができて本当に嬉しかったです。
函館さくら家
一度函館駅前の宿に戻り翌日、今度はさくら家に足を運んだ。
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昨日チラッと見えた「くじら汁」の文字に心を躍らせながら入店。
そこには、1人のお客さんと、あの時「理亞ちゃんの部屋、お写真撮ってく?」と言ってくださったあのおばさまが楽しそうに談笑していた。
温かい雰囲気に迎えられた僕はカウンターの一席に座り、くじら汁とおにぎりのセットを注文した。
おばさまがくじら汁を作ってくれているのを待っている間、店内では「想いよひとつになれ」や「キセキヒカル」をはじめとしたサントラが静かに流れていた。
出来上がったくじら汁とおにぎりを持ってきていただき、1口くじら汁を口にした。
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美味しい。くじらのコリコリとした食感と塩味、汁の味噌の味が、初めて飲んだ時のことを思い出させてくれた。あの時と変わらない。温かかった。
大きなゴマ塩むすびにかぶりつき、くじら汁をごくごくと飲む。最後に一口ぜんざいをパクパク食べ、席を立った。
お会計を終え、「お店の写真とかグッズとか撮ってもいいですか…?」と聞くと、「あら、ライバーさんだったの?」とおばさま。「どうぞどうぞ、あちらのお客さんもライバーさんなのよ」と先ほどの青年のお客さんを紹介してくれた。まあ、そんな気はしてた。
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お互いの旅路についてや、おばさまの函館トークを聞きながら写真を撮っていたのだが、「ラブライバーのための空間」がさくら家に移り残っているのを感じ、なんだかホッとした気分になった。もちろんラブライバーのため「だけ」の空間ではないことは強調しておきたい。
その後、別のお客さん(非ラブライバーの常連さんらしい)も来て、軽くお話した後解散となったが、この場所がいかに多くの人々に愛されているか知ることができてとてもよかった。
また、思い出のくじら汁をもう一度食べることができて、"前回"と同じように、「また来ます」と伝えられて本当に嬉しかった。またくじら汁やほかの料理も食べに行けるのを楽しみにしてます。
さいごに
今回の旅で、大好きな函館の、大好きなお店がまた1つ増えた。
いわゆる"部署ガチャ"次第ではあるのだが、リモートワークが可能になれば来年以降函館に住もうと考えているので、いちラブライブ!ファン、いち函館ファンとしてもそうだが、今後は函館市民としても、『茶房 菊泉』や『函館さくら家』に通えれば、と切に願う。
拙い文章ではありましたが、ここまで読んでくれた皆さんに『茶房 菊泉』と『函館さくら家』の魅力が伝わっていれば幸いです。機会があればぜひ行ってみてください。