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愛犬の言葉が分かるようになるまで:Day 1「気づきのはじまり」
気づきのはじまり
「なんで吠えるの?」
「どうして落ち着かないの?」
「なんで伝わってないの?」
毎日のように愛犬に問いかけていました。
でも、返事が返ってくるはずもありません。
すれ違い続けた日々
我が家で初めて迎えた犬、バッキー。
わが家のシベリアンハスキーとの暮らしは、いつも手探りでした。
特にバッキーは4年前、全くの無知で迎えた最初の愛犬。
毎日が失敗の連続で、妻はノイローゼ気味になるほど。
「散歩中に急に立ち止まるのは何か気になることがあるから?」
「夜中に鳴くのは寂しいから?」
「おもちゃを持ってくるのは遊んでほしいから?」
当たり前のように思えるこれらの解釈。
実は、とんでもない勘違いをしていたんです。
限界を感じた日
ある日の出来事です。
いつもより元気のないバッキー。
食欲もなく、なんとなく様子がおかしい。
でも、どこが具体的におかしいのか、うまく説明できない。
動物病院に連れて行くべきか、様子を見るべきか。
「もし何か重大な病気だったら...」
不安で眠れない夜を過ごしました。
結局、翌朝には元気を取り戻していたバッキー。
でも、この出来事が私の中で大きな転機となりました。
「このままじゃいけない」
「もっと愛犬の気持ちを理解したい」
そんな思いを抱えていた矢先の出会いでした。
運命的な出会い
その日は珍しく雨の休日。
いつものドッグランでたまたま出会ったMさんに、「一緒にトレーニング、通ってみませんか?」
その後、藁をも掴む思いで体験レッスンに。
半信半疑でしたが、このトレーナーさんは本物だ!と
すぐに気づかされました。
トレーナーさんの何気ない一言一言に、毎回ハッとさせられます。
「あ、今バッキーくん、すごく嬉しそうですね」
確かにバッキーは尻尾を振っていました。
その程度なら一般常識で分かるけど…
「ちょっと緊張してますね」
そう言われて見てみると、確かに普段より耳の位置が違う。
「口が開いていないから、まだ警戒しています」
、、、え、そうなの?
「やっと口が開いてきたから、落ち着きましたね、
ここでリードを離しましょう。」
「犬が落ち着くサインを出すまでは、
飼い主がしっかり抑えないと不安を感じます」
、、、、そんなこと知らなかった。
「犬の気持ちを理解するのって、実は簡単なんですよ」
その一言が、すべての始まりでした。
目から鱗の真実
「人間は『言葉』で気持ちを伝えます。
でも犬は違う。彼らは『全身』で語りかけてくるんです」
その瞬間、今までの自分の常識が音を立てて崩れていくのを感じました。
「人間は相手の気持ちを『理解しよう』とし過ぎるんです。
でも大切なのは『観察すること』。
理解は、その後からついてきます」
なるほど。
今まで必死に「理解しよう」としていた自分。
でも、本当に必要だったのは、ただ純粋に
「観察すること」だったのかもしれない。
約1年間の挑戦
ぼくが通ったトレーニングはひたすら犬の制御と観察。
最後にトレーナーさんはこう言いました。
「人間の常識を、すべて忘れること」
この言葉に、直感的な確かさを感じました。
明日からの課題
「明日からは、今までとは全く違う目線で愛犬を観察してみてください。
特に『耳』の動きに注目です」
なぜ、耳なのか?
実は犬の耳には、私たちが想像もしていなかった重要な秘密が隠されているそうです。
[Day 2に続く]