アテネから闇夜のフェリーでキオス島へ
2月16日に始めたこのひとり旅もいよいよ1ヶ月が経ちそうです。
滞在していたジョージアを出発して、トルコ、ブルガリア、ギリシャ(テッサロニキ)、北マケドニア、コソボ、モンテネグロ、クロアチアと西に進み、そこから南下してモンテネグロ、アルバニア、ギリシャ(アテネ)と進んできました。
1週間後にイスタンブールから帰国するため、残りわずかとなってきた旅に寂しさを感じ始めてきました。
昨日、4日間滞在したギリシャのアテネを出発しました。
アテネは今回の旅のメイン的存在で、ずっと行きたかった街でした。
実際訪れてみるととても魅力があり、どこか翻弄させられる不思議な街でもありました。体調不良になったり、調子は万全ではなかったものの、最低限楽しめたし、街の活気から大きなエネルギーを受けました。
そんな名残惜しさもあるアテネからの旅立ちです。
次に向かうのはエーゲ海に浮かぶキオス島(Chios、ヒオス島)。
今回は、アテネからキオス島へのフェリー移動についてまとめてみます。結果的に、これまでのバス旅とは全く異なる体験でした。
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チケット購入
本当はサントリーニ島やミコノス島など、ギリシャの有名な島に行きたかったものの、予算の都合で断念。
島はおカネがかかるものです。
そのため、次にエーゲ海の対岸・トルコに渡ることを考えて、トルコにいちばん行きやすいキオス島に行くことにしました。
エーゲ海に浮かぶキオス島はギリシャで5番目に大きな島で、長い歴史を持っている景勝地です。
この島は、トルコのチェシュメからわずか7kmという距離に位置しています。そのため、トルコからも多くの人々が訪れています。
出発地・ジョージアからずっとバスでの移動を続けていましたが、今回は初めてとなるフェリー移動です。
僕は旅が好きで、今までいろいろな場所を訪れてきましたが、フェリーの移動はとてもレアです。
広島から松山に行ったとか、香港からマカオに行ったとか、セブ島からボホール島に行ったとか、数える程度しかありません。いつか、下関から釜山に向かうフェリーに乗ってみたい。
事前にネットでフェリーのチケットを購入していました。
アテネに到着した時と同じく、またも到着が深夜です。
キオス島は大きな島ではあるものの、閑散期の冬場は一日一便しか運航していません。そのため、仕方なくこの便を選ぶことになりました。
しかも到着はキオス島の市街地に近いキオス港ではなく、島の南東部に位置する小さなメスタ港です。
着いてからどうなるかわからなかったものの、当たって砕けろ精神で行くことにしました。
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アテネ出発
アテネは内陸の都市のため、海に面していません。そのため、港がある隣町のピレウス(Piraeus)に移動する必要があります。
世界のクルーズ船なども、アテネと書かれているものはピレウス港に停泊します。
ただ、アテネの市街地からピレウスまでは地下鉄でわずか15分。隣町とは言え、アクセスはとても良く、アテネと同じ街という感覚です。
僕は、アテネの中心部・モナスティラキ駅から地下鉄に乗ってピレウス駅に向かいました。このアテネの地下鉄、車両は落書きだらけです。治安の良くないアテネを象徴しているように感じました。
地下鉄のピレウス駅は港のすぐ前に位置しており、ここからは歩いて港に向かえます。
ただ、ピレウス港はとても広く、乗り場もたくさん。着いて早々、迷ってしまいました。
フェリー会社のチケット売り場に向かって聞いたところ、eチケットに乗り場が記載されていることに気がつきました。うっかり。
まだ時間があったので近くのカフェで休憩することにしました。
コーヒーが2.1ユーロ。高い。。
出航1時間前にお店を出て、フェリー乗り場に向かいます。eチケットをよく見たら、1時間前に乗り場にいるよう書かれていました。
まずい。早く行かねば。
ここに来て乗れないなんて事態にならないため、急いで向かいます。
指定されたフェリー乗り場は徒歩10分くらいだったものの、該当のフェリーが見つかりません。
あれ、どこだ?
少し先を見ると、遥か遠くにフェリーが停留していました。しかも、僕が乗る予定のフェリー会社のロゴマークも見えます。
あれだ。急げ!
車輪の壊れているスーツケースを引っ張り、重いリュックを背負い、僕はひとりで薄暗くなってきた港を駆け抜けます。
ゆっくりカフェで休んでいる時間なんてなかったのに。幸先の悪いスタートとなってしまいました。
乗り場に到着し、フェリーの電光掲示板に「Chios」の文字があることを確認できました。安心感が募ります。
なんとか出航30分前に無事に搭乗できました。
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フェリーにて
乗り場でチケットを見せてフェリーに乗り込みます。
この時にスタッフからマスクを着用することを求められました。アテネの市内でもちらほらマスクをしている人を見たものの、フェリーでは必須のようでした。
びっくり。ヨーロッパにまだマスクを着けなければいけない場所があったなんて。
マスクをしてからフェリーの中に入ります。しかし、中に入ると乗客は誰もマスクをしていません。ただのパフォーマンスだ。そう思い、僕もマスクを外しました。着用時間はわずか30秒でした。
僕はとったチケットはデッキシートという一番安価な座席のものです。
デッキとは言うものの、外ではなく、室内の共有スペースでの滞在となります。
共有スペースはソファがいくつもある広々とした空間でした。コーヒーやアルコール、軽食のカウンターもありました。
ただ、僕が入った時点ですでに人はいっぱい。
もっと早く来るべきだったと再度後悔しつつも、空いてるソファを見つけることができました。
少しフェリー内を探索します。屋外デッキはあったものの、風が冷たくすぐに退散。軽食カウンターは少々お値段高めだったので、こちらも退散。船内のWi-Fiは時間制で有料。こちらも断念。
そういうもんだよな、と納得します。
トイレは広々としていました。流すと飛行機のようにジュワ!と吸い込まれます。歯を磨いてから席に戻りました。
フェリーが出航してからは船内がとても揺れました。広々としたスペースは船にいることを忘れてしまいますが、この揺れによってここが船の中であることを認識させられます。
最初は本を読んで過ごしていましたが、揺れてなかなか落ち着かないため、もう寝ることにしました。
近くにいたおばあさんの寝姿を参考にして、ソファで横になりました。バスと比べると寝心地は良く、横になれる喜びを感じます。
ただ、証明が明るかったこととやはり揺れが気になることから、眠りについても起きてしまいます。
こればかりは慣れも必要なのかもしれません。
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キオス島上陸
何度か起きてしまったものの、それでも睡眠はとれました。
船内のアナウンスが入り、キオス島に到着すると流れました。このフェリーは別の島にも向かうため、途中下船という形になります。
眠たい目をこすりながら荷物をまとめ、キオス島で降りる多くの人に混じってフェリーを降ります。共有スペースにいた半分以上の人が降りていたと思います。
朝4時00分。30分遅れでキオス島のメスタ港に上陸しました。
なんとか着いたことに感動しつつも、ここからは全くのノープランです。ひとまずキオスの市街地に向かいたいと思っています。
早朝のため、まだ真っ暗です。しかも、海の風を受けてなかなかに寒い。この港の周囲には家はなく、道路と森があるのみでした。
これからどうしようかと思いましたが、フェリーを降りた人々が一斉に同じ方向に向かって歩き出していました。見るとバスが二台停車していました。
このバスの行き先は「Χίος」(キオス)となっていました。おそらく市街地に行くバスだろう。そう確信を持って僕も乗り込みます。
バスは山道を進んでいきます。眠たかったので再び夢の中へ。まだ船の揺れが残っている気分でした。
1時間少々で、バスは明るい街の中に到着しました。ここはキオス・バスターミナル。キオス島の中心部に着きました。
やはりバスに乗ったのは正解でした。バス代4.3ユーロが地味に響きましたが。
まだ朝の5時過ぎ、しかも周囲は真っ暗。市街地には来れたものの、再び悩みます。さて、どうしよう。
ひとまず荷物を持って歩き出します。
この島に24時間営業のカフェかレストランはあるのだろうか。
少し歩くと海沿いに来ました。
日中であれば素敵な景色を見れるのでしょうが、闇夜の漆黒の海は少し怖いものがあります。海から強い風が僕に向かって吹きつけ、体温を下げていきます。
この時期、日中はだいぶ暖かくなってきたものの、夜はまだまだ寒く、まして海風を受けると体感気温はとても低くなります。
早く休めるところを見つけたい。焦る気持ちが出てきます。
少し歩くと激しい音楽が聞こえてきました。少し期待したものの、そこはナイトクラブ。今はそういう気分じゃないからパス。
再び海沿いの道を歩くと、チェーン店のカフェが煌々と光を放っていました。中にはお客さんもいます。
やった!
店内はクラブ帰りの人で賑わっていたものの、座れそうだったので入りました。無事に休憩場所を見つけることができました。
今はこのカフェで命のコーヒーを飲みながら、記事を書いています。
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まとめ
店内から見える海の向こうに朝日が昇り始め、空が印象的に染まっていきます。朝日を浴びると、新たな一日を感じ元気になれるものです。
ギリシャのキオス島にやってきました。
ここは観光よりもバカンスが目的。1泊2日ではあるものの、これまで過酷な旅をしつづけたため、ゆっくりと過ごそうと思います。
アテネからの船旅は、過酷ではなかったものの、到着してからが大変でした。
バス移動とは異なるフェリーでの移動は新鮮で楽しく感じました。こういう旅もまた楽しい。
エーゲ海を渡り、いよいよ終着地トルコのイスタンブールも近くなってきました。
旅も終盤に入り、今後のことを考える時期に差し掛かってきました。
この旅が長い人生の転換期になるのか。
僕は今後、仕事面でもっと飛躍したいという思いを強く持っています。この経験を今後に活かせるよう、じっくりと考えながら先に進んでいこうと思います。
まだまだ旅は続きます。
旅の様子はこちらにまとめています。
僕のことは以下の記事で紹介しています。
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それでは、また明日お会いしましょう!